今までで一番きれいな夕焼けを見た【オーストラリア・ウルル】

今まで見た中で、それは一番きれいな夕焼けだった。

昨日までは、全然そんなこと思っていなかった。夕暮れはたしかにすごく、毎日美しかったけれど、雲がひとつもないせいか、「今まで見た中で、一番空が広いなぁ」という感想だった。

けれど違っていた。今日のそれは、もう言葉が出ないくらい、とにかく美しい色をしていた。

少し、展望台に立ち寄ろう、と気軽に足を向けただけだった。夕方突然の雨が降ってきて、そして虹が出るくらい晴れたから、きっと今日は昨日までと違うはず。(私は、雨上がりの夕焼けが好き)

あまり期待せずに登ったその先で、私は今までの人生で一番きれいな夕焼けを見る。

水色がオレンジに、オレンジがピンクに変わっていく。

「自然のパレットみたいだ」と、単純だけどそう思った。

赤に、濃紺に、雲の白にグレーに黒に。乾いた大地、乾いた緑、その間を飛び抜けていく見慣れない鳥たちや、驚くくらい早く歩くトカゲ、ゆったりと進むラクダ、そして夜になると決まって現れる月、星。

遠くから強く吹く、風の音しかしなかった。耳が少し、変な感じがする。

「ここは、オーストラリアの真ん中なのだ」と、改めて確認する。

広い。そこはとても広かった。

今日沈んだ太陽が、明日の朝になるとまた逆の空から登ってくる。月もしかり。沈んで、登って、また沈む。月が現れて、消えて、そしてまた現れる。

それが、遮るものが何もない、ひとつながりの空の中で起こるのがウルルという土地だった。

まるで蛍光色のようなオレンジ色が、空から消えて無くなりそうになる頃、一番星が、出てくる。

結局、昼間が夕暮れになって、夕暮れが夜になりきるまで、私はそこを動けなかった。

動かなくていいか、と思ってしまった。

***

この土地で夜を迎えるのは、6回目だ。まだそれだけか、と逆に驚く。

「エアーズロックリゾート」というホテルが3軒、キャンプグラウンドが1つ、レストランが数軒の小さなショッピングモールが1つ、というこじんまりとした、けれど砂漠の真ん中としては素晴らしい設備の整ったまさにリゾートに滞在していた。

ここから自力では、どこへも行けなかった。隣町はまだまだ遠い。

明日は、荒涼とした、と形容されるオーストラリアのアウトバックの景色が眺めてみたくて、480キロ先のアリススプリングスという街まで、陸路で向かってみようと思う。(その後、西海岸のパースへ移動しようと思う)

その前に、もう一度朝焼けを見に行こう。今年1年限定で、じつはウルルのイルミネーションも開催されているらしい。私はまだ一度も見に行っていない。

朝焼けの前に、イルミネーションを。イルミネーションの後に、朝焼けを。そんなツアーがあるから行こうよと言われて、行こうか、と思う。

「朝4:20出発だから」と言われて「まじか」と思う、ウルルの夜23:00。今日がウルル、最後の夜だ。


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伊佐 知美

ともみの部屋 #2

伊佐知美の、世界一周の旅とエッセイ。2016年10月〜

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