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女の賞味期限はクリスマス? 29歳のお姉さんに「見えません」なんて言わないで

22歳で就職したとき、会う人会う人に「若いね〜」と言われて、「佐野ちゃん(当時は旧姓)」と呼ばれて可愛がってもらってた。

20代前半という誰もが通り過ぎる「花形」の日々を経て、人はどんどん大人になっていく。

25歳で最初の会社を辞めたとき、私はもう「中堅」の域に入りかけてた。けど、半年間の主婦を経て25歳で出版社のアシスタント職に再就職したとき、私はまた「若いね〜」の称号を手にする。最初の会社では中堅でも、2番目の会社では、局でも部署でも、一番年が若いのが私だった。以後、私は2年間に渡って「佐野ちゃん」のポジションを維持する。

27歳で2番目の会社を離れて、新しい会社に移動してきた。そのとき私はなぜか社長よりも年上で、全員(といっても当時は4人だった)あわせても、やっぱり飛び抜けて大人だった。

28歳。出張に年下の男の子や女の子と出かけると、「23歳です」「24歳です」「若いね〜」のやりとりのあとに、私が年齢を打ち明ける(?)と、「お、まじか、姉ちゃん結構イッてんね!(笑)」。と時折言われた。

※島根県海士町での取材時の実話だ。

私だって分かってる。もういい大人だ。そろそろ子どもにはない大人の色香を漂わせて違うフィールドで戦う時期……

ってでも割り切れない

だって、この間まで私は「佐野ちゃん」だったのだ。

でももうそろそろ、悪あがきはやめてちゃんと大人になろうと決心せざるを得ない出来事に遭った。ここはもう、あえて被害に遭う、「思いがけずよくないことに巻き込まれる」、という意味合いの漢字を用いたい。

クロアチアのドゥブロヴニク。きれいなキレイな景色を前に、岩場を越えた向こうにもっとキレイに街が見えそうだなと思った私は、生足が傷つくのも物ともせず、いばらの道を進んでみた。

そこで出会った、先客の男の子。岩を挟んで10〜15メートル。後ろ姿が日本人だと思ったから、最初に私は「日本人ですか」と聞いてみた。普段日本人にはあまり話しかけないけれど、この時ばかりは私もそこへ行きたかった。

その日は気持ちの良い風が吹いていて、また波の音も遠くに聞こえるような気が下から、少し声を張り上げないといけない距離だったのを覚えてる。

「はい!」と元気な返事が来た。なぜだろう、もう今となっては経緯を覚えていないのだけれど、私たちは岩を挟んで数十秒会話した。そのときに彼は何かの拍子に年齢を言ったのだ。

「19です」と。

「19かよ!」と驚いたけど、別に何の気にもせずに私も素性を明かそうと思った。だって私もそこへ行きたかった。

「結構イッてるんだけど、29」と返したら、彼はとても驚いて

「え!」

「でも見えないです!」と元気に言った。

見・え・な・い

……。

「若いね〜」が「へ〜」に変わって、「まだまだ若いよ」から「おぉ、結構イッてんね」に変わって、ついに本日私は初「見えないです」をいただきました。

女の賞味期限はクリスマス。誰が言ったかクリスマス。24日過ぎれば25日、安売りの夜ならまだいいけど、26日になったら目も向かず、27、28はもう次のイベント(世代)が主役になる……。

っておい。

それは置いておいて、「見えないです」という言葉の前には「そんな年には」という意思が隠れていて、「そんな年には」という言葉の裏には「29歳の割には」という本意があるからして

※ここでは彼が精一杯の気を遣ってお世辞を言ってくれたという事実は一旦どこかに捨てたこととする。

つまり


29歳っていうのは、「そんな年」になってしまったのね!!!!?

いやぁぁぁぁ

ホラー? ホラーなの? 年取ったなぁ〜。

***

ってそういえばクロアチアで思ったので、29歳が終わる前に書き残しておこうと思ったのです。

いいの、私、年齢は気にしてないの、って言いつつもいっつも年の話するから、めっちゃ気にしてるのでしょうね。実際。

いいの、30歳になったら30代で一番若いの。また「若いね〜」の時代が……くるのっ……

来週からの目標は、きれいなおばさん(お姉さん ※まだあがく)になることです。

どうか怒らないで下さい。ではでは。


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