帰る場所のない旅はできない。

帰る場所のない旅はできない、とラオスの街を歩きながらふと思った。

世界を自由に歩くのは気持ちがいい。まだ見たことがないものを私は見たいし、違うことばを話すひとと目を合わせて話してみたいし、知らないことを減らしながらまた増やして、気が向くままにできるだけ、この道を行こうか、あの道を行こうかって、悩みたい。

空は青くて、世界は広くて、たまに狭くて、でもとてもきれい。

誰かとたまに道が一緒でも、そもそもが違うレールを歩くひとだから、やっぱり私はひとりになる。

ひとりは寂しいけれど、ひとりは愉しい。

けれどそうだ、帰る場所があるから旅を続けることができるのか、とたまに、夕陽なんかがきれいな日はセンチメンタルに思ったりする。

どこへ行ってもいいよ、帰ってこなくてもいいよ、と言われた途端に、きっと私は帰りたくなる。あまのじゃくだから。

どこへも行かないで、ここにいて、と言われたら、急にどこかに行きたくなる。

結婚に向かない女だなぁ、と思う。でも、帰る場所があるから、遠くまで行ける。「あっちが私の家だ」と分かるから。大事なひとたちがいる生活圏に、また時間軸としては先だけど、この先に戻る日があるのだと思うから。今はまだもう少し遠くへ行こう、ここにいよう、と思える。

「旅ガールに恋しちゃだめ」っていうけれど、私はやっぱり旅ガールになりきれない。もし帰る場所がない状態で旅に出たとしたのなら、きっと私は「帰る場所」を世界のどこかに作ってしまう。

帰る場所があるから、遠くへ行ける。それって、信じるものがあるから進んでいけるとか、守りたいひとがいるから頑張れるとか、なんだかそういうことに似ているなって、思う。

ラオスの街はきれいだ。次はミャンマーに行こう。雨季だけれど、バガン遺跡が見たいから。雨の季節だと言うならば、私が遺跡をきれいに見ることができるまで、晴れの日まで気長に待つつもりで、ゆっくりとステイしよう。

一生懸命原稿を書きながら。残り3週間になったアジアの旅を続ける。

(原稿の仕上がりを待ってくださっている方々、すみません、頑張ります)


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伊佐 知美

ともみの部屋

伊佐知美の、世界一周の旅とエッセイ。2016年4月〜
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コメント2件

@little_keiさん 読んでくださってありがとうございます。わ、そうなのですね。いまも海外にいらっしゃるんでしょうか? マレーシア…? マレーシアはどちらでしょうか。私もきっと、日本に帰るのですね……いまはまだ帰りたくないなぁ。帰りたいですが…笑 はい、気をつけます!
ksnksn7923さん ありがとうございます。写真も、撮るのが好きなだけなのですが…ほんとにたまに、世界は狭いなって思うことがありますねぇ…‥
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