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「移動することの価値を、もっと上げたい」と4年前の私は言った。

「沈殿するのを待つしかないのだ」。口癖のように、唱えていた時期があった。口の中で、音を出さずに、笑いながら、泣きながら、けれどそれを出来る限り見せまいと。出すのが恥ずかしいとか、悔しいとか、見られたくないとか見栄とか、たしかそういうことではなくて。

「諦観」。そう私は、大人になって、あんなに嫌いだった「諦めること」を知ってしまった。ような気がした。

追いかけておいかけて手に入らなかった憧れより、焦がれてこがれて叶わなかった恋心より。「欲しい」と言って掴んだその手が、みずから力緩める、その不思議。からくりはいつからか。螺旋はいつも、出口が見えない。

***

さてさて、別にそんな悲しみのヒロインを気取る言葉たちにも、もうそろそろ飽きたのだよ(ヒラクさんみたいになってしまったなぁ)。

沈殿するのを待つしかないと思っていた。その私が、「なんかもうこれ、沈殿したんでは?」とむくむく、アイディアが、光が道が。いえいつも元気なのですけれどもね? けれどあるじゃあ、ないですか。「今は、いいかな」という旅心。さぁでは、何処へ、何処まで、遠くへ行こう。

「移動することの価値を、もっと上げたい」と、4年前の私は言った。

「あなたの1番実現したいことは、何ですか」と彼が問う時、たしかに、私は。

遠回りだと思ったことはない。「遠回りに見えることが、1番の近道だ」と震えた瞬間が、この数年で何度かあった。「今までやってきたことが、無駄になることもない」と思う。「無駄に、無下にするかどうかは、私次第」と思うだけで。

大事にしたいことを、いくつか並べる白いnote。

「共感」「共有」「閉じ込めない」「内省する」
「ずっと続けていけるもの」「解放感」「一歩踏み出す大切さ」
「たどり着きたかった景色」
「日常のなんてことない、目指さなかった場所の美しさ」
「とりとめのない、けれど」
「変わること」「出会うこと」「他の人が、形作ってくれること」

「青」「海」「空」「旅」。

一生、旅と生きていく。遠くへ行くだけが、旅じゃない。

ふーむ、これね別に、何の結論があるわけじゃあ、ないのよぅ。思考の、記録。もう少ししたら形にするから、相談するから、待ってて。もう一度走り出すから。今までよりも、より高く長く、翔ぶために。

いつも遊びにきてくださって、ありがとうございます。サポート、とても励まされます。