毎日変わる景色にワクワクしかしないから。

日々変わる景色に違和感を感じることはないの、知美は。と聞かれた。

変なことを聞くんだな、って思った。

だって毎日窓の外の景色が変わっていくことは、私にとってはワクワクしかない。

あぁ、飲み会に7000円使ったな。昨日はこれに、2万円。2万7千円あったなら、あの国に行けたのに(LCCのチケットで)。とずっと思って生きてきた。

私にとって、日本で過ごす毎日は楽しい。すきなひとがいて、美味しいごはんがあって、キレイなトイレがあって(チェコさんの言うように)、洗練された通信環境がある。

けれどずっと、思っていた。「このお金があれば、あの国で暮らせるのに」。

目の前を流れる景色が、刻一刻と変わっていく。5日、6日同じ場所にいると、「次の場所へ行かなくちゃ」と心が焦る。なぜだろう? なぜこんなにも、見たことがない景色が見たいんだろう?

モロッコのシャウエンが見たい、と言ったら、「何をしに行くの?」と聞かれた。

……何をしに行く? いや、青い街・シャウエンが見たいだけ。

だって街が青いんだもの。神奈川県の川崎市から、羽田空港へ向かって、そこから飛行機で飛んで、おそらくどこかで乗り継いで、やっとたどり着いたモロッコ内で、国内乗り換えをしてたどり着く陸の街。

遠い、遠いところへ。ひとりでは生きていくのが怖いような、知らない街へ。

スーツケースと(私はバックパックじゃない)、28リットルのリュックと(バックパックと呼びたい)、小さなポシェット。それにサンダル。

それが私の今唯一の持ち物だ。物理的な何かはすべて、あの国に置いてきた。

軽く、軽くなったとおもいきや、私はいまも、会社員だからして、意識はずっと日本にある。その前にもちろん妻だから、あのひとは元気かな、って毎日ジャパンを思っている。

けれど軽い、何かが軽い。知らないひと、知らない街、知らない匂い、知らない道。見たかったタージ・マハルはやっぱりキレイだ、と思いつつ

旅をはじめて1ヶ月半。昔7日間の旅でカンボジアのシェムリアップをひとりで訪れた時よりも、感動が薄いんじゃないかと思ってきた。

心がわくわくする方へ。独りよがりでもいい、今はわくわくする方へ。

書き手として成長している? 分からない。けれど未来のいつかのために、いまの瞬間があるんじゃないか。あってほしいと思って「いま」を一生懸命生きている。

あぁ私、旅をしている。もう飽きてしまうまで、タージ・マハルを見ていたい。

飽きたら次の街へ行くのだ。私を呼んでいる方へ。

いつこの旅が終わるのかな。終わらないで、いまの日々。

会いたいひとには会えないけれど、会いたい場所には会いに行ける。

「隣の芝生は青い」と別に、「どちらも手に入れたい」と思う三十路オンナの浅はかさよ。


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伊佐 知美

ともみの部屋

伊佐知美の、世界一周の旅とエッセイ。2016年4月〜
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