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実家へ引越し&セルフリフォームして、外見と日々の生活体験に変化を起こしてみた

ゴールデンウィークに、高円寺を出て、実家の八王子に戻ってきました。そもそもシンガポール移住の為の荷物移動が最初の目的だったのだけど、コロナで延期に。よって、生活の中心を実家に置く事にしたのです。
この時期じゃ一人で居ても寂しいし、地震等災害対策にも誰かといた方が安心な気がするし、テレワークが中心だったらどこで仕事しても一緒だし、外の世界にアクセスづらいこのご時世、繁華街に住むのは家賃がもったいないし、虚しかったので。

実家に荷物を動かして、まず自分の場所作りをスタート。我が家の場合、実家といっても私が生まれ育った家ではないので、全てを作り直す事から始めました。
そもそも、私は12年イギリス/UAEにいて、日本に帰ってきてから3年目の状態なのと、その前の日本での生活も家族のコミュニケーションが活発でなかったので、ちゃんとがっつりと話したりしてるのは実はこの3年で帰ってきてからだったりします。
母子家庭で育って、紆余曲折。ようやく改めて家族と向き合う時間ができた感じです。

まずは私の部屋から片付け。これは比較的簡単。自分で好きなようにやれば良い。
実家というタダでさえ色気のない場所に、自分の尊厳やプライドを保つ為、やる気を保持するためにも特に好きな、やってみたい要素を盛った。一番最初にやったことは、壁紙を貼ること。
植物を吊ったり、ホワイトボードシートを貼ったり、棚板つけたり、思い出の品を飾ったり、狭いながらも工夫して自分の好きなものに囲まれる空間を目指した。
弟なんかはびっくりして、ビフォーアフターみたいじゃないかと言っていたw
私はインテリ家系でもなければ、国際的な経験がある人も家族にはいない、ごく一般的な家庭出身。外国に行ってRCAまで行ったデザインの専門家の私との間に文化的なギャップが生まれるのは当たり前である。

それをやったらその部屋と生活空間のギャップが気になり始めたのと、自粛で外に出られないもどかしさを別のエネルギーに変えるべく、お母さんと話して、バルコニーのタイル敷やリビングの片付けを始めることに。
デザインコンシャスな家庭ではないから、その辺のリテラシーの帳尻を合わせる必要があるのです。

片付け始めて思ったのが、お母さんは掃除はちゃんとする人なのだけど、捨てるものの決断力がないというか。そこで知らぬ間にいらないものが溜まっていっている事に気づき。
何か箱に入ってるなと思ったら、3年分の広告や手紙の山だったり、知らぬ間に積まれ溜まっていたようでした。
それをひとつづつ手分けして片付けていきました。

手紙類だけでなく、キッチン等の調味料や保存食、キッチンツールなども。
賞味期限切れの食べ物、長年使っていないツール、私たちが子供時代に使っていたスプーンなども出てきてびっくり!
こんなのとっておいても仕方ないじゃん、と言ったら、“なんとなく将来また使うかもしれないから”という理由で保持してるようで。
その”なんとなく“のオプションを増やしすぎるのと、新しいものを購入する喜びから、いらないものを所持し、使ってないものの為の収納を必要としていくようでした。まぁ気持ちは分からなくもない。

床材の大きさに切る準備

入居時の私の部屋。よくありがちな殺風景。

壁紙貼り

同時にわかったのは、こういう断捨離のプロセスは、他人から言われて判断できることのようで。自分の目線だと、やっぱり自分が持っているものに愛着を持ちすぎてしまうから、捨てる決断ができない様子。

そんなモノの整理のプロセスと同時に、部屋の雰囲気を変えるために、壁紙を共有の空間に貼ってみたり、カバーを変えたり、収納の工夫をしたりしました。
ケースを買ってラベルをつけて、無駄な食材を買いすぎないようにしたり、部屋ごとに色を変えた壁紙を貼って気分転換しやすくしたり。整理がうまくできてないと同じものを買ってしまう。

思い切って明るい色の壁紙に変えたら、洗面所やトイレ、玄関など、殺風景だった部屋に個性が出て愛着が湧いて、掃除をよりするようになりました。
一回こういう部屋改造の美味しさが家族も分かってくれると、色々協力的になってくれて、こういう色がいいとか、ここを変えたいとか出てくる。壁紙貼ったり、片付けたりも身体動かす作業なので、家でやれる運動だと思って私は取り組んでいました。

そういう新しい動きが家庭で起こると、お母さんは職場の人に自慢したり、家の空間が良くなることで気持ちよく掃除や料理ができたりで、良い効果がたくさん出ました。

私は私で、実家だし試してみればいっかくらいの感じで行って、合わなかったらまた変えればいいやくらいな気持ちで色んな壁紙やインテリアデコを進めました。
私のデザインのプロセス全般に言えることだけど、シンプルなものだけでなく、色んな色や素材を試してみることに臆病になると可能性を狭める事になるなと思っていて。今回はリメイクシート等、簡単に貼って剥がせるものを使えば、同じものを飽きずに長く使うことができるのかもなーと思いました。
別のテクスチャ同士を合わせると新しい発見があったり面白い。

私は人の行動変容や体験、コミュニティ包括的なデザインを専門としているので、まずは自分の家族を研究する対象のような目線でう向き合えているこの機会は興味深くもあります。何事もまずは家庭からとは言いますが、まさにその事。自分がまず出来ることから変化させてみれたのはよかった。

私の職場はまだまだできても週一出勤くらいの状態で、リモートが主。よって自分が仕事したい、インスピレーショナルな環境を整えるのは最優先項目。

6月は気持ちを入れ替えて自分が前に進みたいと思っているので、また昨日そこに今からもっと自分で勉強したい情報の本を置く為の未来の棚を設置。知的好奇心を在宅仕事でも保持できるためにかなりモノを意識的に入れ替えました。あとはその時の気分によって外に出すものを変えたり色々工夫は多数。

在宅仕事の人には貼れるホワイトボードシートオススメ。会議のポイントやアイデアをこれに書きながら進めると効率良いし、立って書くから頭も活性化されます。

長くなりましたが、この一ヶ月で大体のことが入れ替えられてよかったです。プロジェクトも終わったし、家も片付いたし。
そして、同時にお母さんの家事のプロセスを間近で感じる事で、よくもまぁ、フルタイムの仕事を持ちながら毎日家事をこなして凄いなと感謝の気持ちも改めて同時に非常に生まれました。冷静に見直す時間がないのも当たり前である。

携帯も機種も通信会社も変えてるし、銀行も変えるし。情報を仕入れるルートも意識的に変えました。髪の毛もまた色を変えたしw

コロナウィルス自粛のこのご時世、色々と変化が迫られますが、自分の気持ちやモチベーションも上手に変化させて、更に自分にとって大切な事を考えながら過ごしていこうと思っています。
自分で考えること、自分の身近な所から少しでも行動の変化をさせること、そしてクリエイティブであるためにも、何か手を動かして作ってみる、試してみるっていうのはデザインの刺激になって良いなと個人的には思います。特にリアルな人と会えないなら、自分の手と違った素材のリアルなインタラクションと物質や色のの合わせ方を学習するのにはよい機会。
とりあえずシンガポールへ行って帰ってくるまでの短期的にここに住む予定なだけなのだけど、過ごしやすい環境が整ったのは非常によいです。

そして、デザインの民主化という観点からも、家族の行動変容を起こすっていうのは身近だけど実は重要なデザインのリサーチトピックが見つかるんだなと思います。


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