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「なんのために生きているんだろう?」そう悩んでいたあの頃の僕

「なんのために生きているんだろう。」
予備校を辞めて、目標を完全に見失った19歳の僕は部屋の中でそう思った。

朝から夜まで勉強してそこから深夜までバイト。睡眠時間は4時間。朝の4時半に起きる。

誰よりも頑張っている自信があった。

それでも成績は上がらず、志望校の合格ラインに到底及ばないどころか同じ予備校の人達の勉強の進捗度合いや成績は下から数えた方が早かった。

人生で味わった初めての挫折だった。

自分を極限まで追い込んで結局半年後、
限界が来てしまい予備校もバイトも辞めて全てを投げ出したんだ。

とても辛かったんだ。

学校もない。仕事もない。やるべきこともない。
目標もない。夢もない。

ただ、有り余る時間だけが残された。

何をすればいいのか分からなかった。

そして、こう思ったんだ。

「なんのために生きているんだろう?」

昼過ぎまで寝て、
やるべきことがない生活。

漠然とした焦りや、時間を無駄にしている罪悪感があった。

僕は生きる意味を求めて図書館へ行くことにした。

それは読書という知の旅の始まりでもあった。

哲学書や自己啓発をよく読んだ。
そのなかで一際目を惹いたのが旅の本だった。

まだ見ぬ景色を見てみたい。
冒険をしてみたい。
地元沖縄しか知らないからこそ、日本中を見てみたい

旅がしてみたい。

僕はそれからアルバイトをして貯めた資金を元手に上京し3ヶ月間期間工としてまとまった資金を貯めることが出来た。

そして自転車でバックパッカーとして九州を縦断したんだ。

そこから旅に飽きてしまって、
資金も底を尽き、
大阪なら仕事があるだろうと
大阪へ行くことになる。

アルバイトを転々とした。

これといってやりたいことは無かった。
ただ生活していくのが精一杯だった。

それでも読書だけは続けていた。

「なんのために生きているのか」
その答えを探すために。

勿論それだけが、
理由では無かったけれど
その答えを知りたいという強い思いがあった。

そしてお釈迦さんの本と巡り合う。

その時は仕事で精神的にも参っていた時期だった。
そして何より孤独だった。
寂しさや虚しさが心をよぎる事が多かった。

精神的に病んでしまい、
自分で命を断とうとした。

それが失敗に終わった。
僕は精神病院に入院することになった。

いつも自分で自分を追い込んでしまい、
自分を苦しめてしまう癖があった。

自分を愛すること。
自分を許すこと。

それを学ぶ時期に来ていた。

地元に帰り、ゆっくりとした時間を過ごした。
バイトも1日4時間。

学習塾でのバイトだった。
子供達との時間は楽しかった。

地元が嫌になった時期もあって、
時折東京に行くことがあったりしたけど、
結局帰ってくるということも何度かあった。

「なんのために生きているんだろう」

そう問い抱いてもう約10年近くなる。
いまだから言える。

あの頃の僕へ、伝えたいことがある。

今君の胸の奥で鳴っている心臓。
今日食べたもの。
今過ごしている家。
触っている携帯。
吸っている空気。
好きな音楽。
好きな本。
今着ている服。
眠る時のお布団。

君の命。

すべて与えられているんだ。

携帯ひとつだって、
色んな部品があって作ってくれる人がいて、
運んでくれる人がいて、
組み立ててくれる人がいて、
売ってくれる人がいて。

食事だって、
育んでくれる自然があって
育ててくれる農家さんがいて
運んでくれる人がいて、
料理してくれる人がいて
食べられる。

色んな人のおかげさまで、成り立っている。

支えられて生きている。全て与えられて生きている。

色んな人との関り合いの中で生きている。

生かされている、と言ってもいいかもしれない。

すべて与えられ、
生かされている。

この命は生かされているんだ。

そこに気づく時、

僕は微力ながらでも自分にできること、与えられる事を与えていこう。

この命を目一杯生きていこう。

人様の役に立って、
まだ見ぬ景色を見て感動して
恋をして
沢山笑って
沢山好きな事をして
沢山やりたいことをやって
沢山愛し合って
沢山の夢を叶えて生きていこうって。

目一杯生きていこう。
そう思うんだ。

これが、
なんのために生きるのかの
僕の今の答えだよ。

せっかく与えてもらって、支えてもらっている命だから。

だからこそ目一杯生きようって。

今これを書いているのはあの頃の自分のように、
なんのために生きているのか分からなくなっている人のために書いています。

これを読んで少しでも前向きになれたなら、
少しは社会への恩返しができるんじゃないかな、
そう思って書いています。

この命を輝かせよう。
沢山沢山生きよう。

そう思います。

できることから、
少しずつ与えていこう。


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