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京都から東京まで行って帰って来る片道切符の旅(後編)

過日の東京出張の道中記を綴った前記事。
寝台特急サンライズに目一杯乗りたいからと京都から一旦わざわざ米子まで行くというトンチキなダテスイが、そのキモだったわけですが、【後編】は帰路です
(【前編】もゼヒご笑覧ください)。

そんなわけで、東京遠征、主たる所用も済ませ、せっかくなので浅草を観光したりもしました。

スカイツリーも見上げました。

スカイツリー周辺の探訪なども。
……「リコリス・リコイルの聖地巡礼なのでは?」というツッコミはナシでw

お台場のほうにも足を伸ばしてみたりしました。
………「ラブライブ虹ヶ咲の聖地巡礼なのでは!?」というツッコミはナシでw

しこうして、久しぶりの東京は堪能しました。
そろそろ東京駅から帰途の新幹線に乗ることにしましょう。

ちょっ…、待っ……;
先生、また間違ってますよ、コレ京都・大阪方面へ帰るやつじゃあないですって!!

ほらほら、北陸新幹線、「かがやき」号って書いてありますよ。
よく確かめて………ってぇぇ~;

もぅぉ、金沢に来ちゃったじゃないですかぁ;;;
(期せずしてラブライブ蓮ノ空の聖地巡礼ができちゃってたり!?)

大丈夫!!
金沢からは特急サンダーバードで、京都・大阪方面へはシュピっとつながってますから!

駅弁でも食べながら、北陸の街並みや(越前海岸の海はあまり見えないのは惜しいけど)琵琶湖西岸の風景を嗜んでいれば、じきに着くのですよ。

かくしてサンダーバードが無事に京都駅まで戻ってきましたノ
長い旅路もようやく終わりです。

ということで、東京出張の機会に敢行した「京都から東京まで行って帰って来る片道切符の旅」。
長い行程でしたが、その名のとおり、メインとなる乗車券は、このように本当に《片道切符》なのでした。
なんと[梅小路京都西]発、[大津京]行!
経由は山陰本線、伯備線、山陽~東海道本線、そして北陸新幹線、北陸本線、湖西線!!

いちおう、全体として今回の乗車経路を正しくカバーする切符として必要な、地元の駅から乗って[梅小路京都西]までのと、湖西線の[大津京]から地元の駅まで帰る乗車券も、コレにプラスして用意しましたが、このように買えば、主たる長距離区間が、かように「ぐる~っと回ってくる」大回り乗車の片道切符になるわけですね
(いちおう山陰線の[伯耆大山]と[米子]の間の往復が区間外乗車になるが、JRの規定により追加料金不要で乗車が許されている。ただし米子駅で改札外に出たければ、別途当該区間の乗車券が必要 ←米子の街を散策がてら夕食などしたかったので買いました)。

「片道切符」の要件を満たすには、経路が一筆書きでなくてはならず、すでに通った駅を再度また通るのはアウトですが、発駅を[梅小路京都西]にすることで、湖西線の[大津京]までは「片道」扱いで発券できるというのが、今回の乗車券の買い方のツボです。

そして[梅小路京都西]発。
梅小路京都西駅は京都市内の駅なので、通常の長距離乗車券だと、実際にはこの駅から乗る場合でも「特定の都区市内駅を発着する場合の特例」が適用されて「[京都市内]発」になるはずです。
一般的な京都市民が(今回のような「乗り鉄のヘンタイ乗り(!?)w」ではなく)フツーに京都駅から東海道新幹線で東京方面などを目指す場合なら、自宅最寄り駅から京都駅までのJR路線には無料で乗れる計算になるので、これはつまりそういう利用者サービスでもある規定と言えます。
が、なんと今回のケース、いわば「特例が適用されない例外」に該当するんです。
JRの「特定の都区市内駅を発着する場合の特例」規定では、「その都市内の外を経てから再びその都市内を通過する場合(と、その逆方向パターン)ば除く」という旨も併記されています。今回は一度京都市内から市外へ出てから、また京都市内に戻ってきて、さらにそのまま市内を通過して京都市外まで出ていってるので、バッチリ該当するわけです。
ここもミソですね
(この技を活用すれば、例えば大阪環状線の[福島]駅から福島県の[福島]駅まで行く「[福島]→[福島]」というシャレたw乗車券も作れることになります。やってみたいんですがちょっと機会と予算がないので、どなたかチャレンジしませんか??)。

ちなみに、今回のような「東京まで行って帰って来る片道切符」の買い方、決して「乗り鉄のヘンタイ乗り」だけのものではないです。
今回は、サンライズに乗るためにまず米子まで行くというようなトンチキも含まれているのでソコを差し引きしないといけませんが、この乗車券、たとえそれだけ乗ったにしても、そのわりには意外と安くないですか?
(乗車券の他にサンライズの寝台特急券、北陸新幹線~サンダーバードの特急券も必要なので、トータルの金額はソレの分も加わる)
JRの乗車券の値段の計算は遠距離逓減制になっています。要は長い距離を乗るほど1kmあたりの単価は割安になるってことです。ひそかにコレが効いているんですね。
関西から東京までフツーに東海道新幹線で往復する場合、乗車券はその区間の値段のものが2枚必要になります
(同じ区間を往復する場合の「往復割引」の制度も別にあるものの、大阪東京間ていどだと制度の対象となるために距離が足りない)。
これを、行きは東海道新幹線、帰りは北陸新幹線まわりにすれば、(湖西線から京都駅に戻ってくる短距離切符は別途必要になるが、大半の区間は)片道乗車券1枚に収めることができ、その金額計算は、乗車距離がいささか長くなるわりには往復2枚分と大差ないものとなります。
北陸新幹線からサンダーバードに乗り継ぐ特急券は、サンダーバードの分が単独で買う場合の半額になるという割引も適用されるので、特急券も含めたトータルの料金も、そんなに変わらない。
これなら純粋に仕事で東京方面へ出張だという際にも、選択肢としてアリです。特に、出張での用務先が東京都区内ならまだしも、例えば「片道切符」の経路上となる[大宮]やそれ以北が訪問先だったりしたら、むしろ積極的に検討すべきことになりますまいか。

あるいは、たとえ事務的に合理的な理由がなくても、行きと帰りの経路を変えてみるというのは、気分が変わって良いものです。
すなわち旅の醍醐味ですね。
東海道新幹線の車窓ももちろん悪くはないのですが、北陸新幹線のそれには、また違った魅力があります。
軽井沢から長野の間の、いかにも「信州~っ!」な緑あふれる景色には、長旅の疲れも癒やされるというものです。
長野駅を出て以降は、しばらく長いトンネルが断続しますが、それを抜けたと思った瞬間、糸魚川あたりの青い日本海が目に飛び込んでくるのも意外性があって感動的です。
「国境の長いトンネルを抜けると」気候風土が異なる別の世界が広がっているという体験が、最新の新幹線でわかりやすく味わえるというのは、なかなか今日的な新鮮さです。
今回は、まずもって京都から米子へ向かう山陰線区間にて餘部などでの「日本海の青」は堪能しているので、まさかの回り回った果てにまたここでソレに再会! というのもオモシロかったです。
あと、新幹線からサンダーバードに乗り継ぐ金沢で、降りたついでに観光というのもオイシイかもしれません。東京出張のお土産が金沢名産品ってのもワケがわからなくてウケることまちがいなし。
なお明日(2024年3月16日)からは、北陸新幹線区間が敦賀まで伸びるので、在来線乗り継ぎ駅もそこに移りますが、敦賀は敦賀で見どころありますし、お土産には美味しいカニかまぼこなんかもあります。

そんなこんなで、東京遠征に合わせて楽しんだ「乗り鉄」旅行、いかがだったでしょうか。
今後も機会があるごとに、いろんな旅程を工夫してみたいと思います。

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