見出し画像

KingroonのCoreXY機「KLP1」を買ってみた

割引あり

この記事は 3Dプリンター Advent Calendar 2023 4日目の記事です。
ツイートのまとめはこちら

全ての発端

全てのスタートはこのツイートから始まりました。
Kingroonの ”KP3S Pro V2” というコスパのよい高速な機種がTwitter(X)で話題になっており、しかも発売前に何故かベータ版?が 没脳研さん に届いて実際に出力する動画をみて、うっかりポチっていました。

ところが、いつまでたっても注文したKP3S Pro V2が出荷されないということで、Kingroonに何度か問い合わせしていたところ、突然一番上にある提案が来ました。

KLP1って何?

KLP1はKingroonから今年5月に発表された 「チャンバー付きで高速印刷対応のCoreXY機」 です。
ただ、最初のツイートの提案があった時点で、そもそもKingroonの公式サイトのどこを見てもKLP1の情報はなく、注文している機種の変更をしようにも判断材料がありません。
(今でも公式サイトの製品ページにはほとんど情報はないw)

注文から到着まで

この章は現物が到着するまでの経緯を延々と愚痴っているものになってしまったので、実際に動かしてみてどうだったかが早く知りたい方はスキップすることをお勧めします。
(Aliexpressで買い物するのはこういうことだという参考にはなるかもしれません。)

KP3S Pro V2 → KLP1への機種変更

発端となったKP3S Pro v2のAliexpressでの注文日を改めて確認したら2023年4月7日でした。

KP3S Pro v2の注文記録

ここから2週間くらい待っても発送されないので、Kingroon公式に何度かMessageを送った結果最初の機種変更の提案が来て、簡単なマニュアルを送ってもらい、人柱になるのも楽しそうだと追加料金の$80(11,018円)を払って機種変更しました。

こんな感じで追加料金支払いのサービスリンクが送られてきました

いつまで待っても発送されない

追加料金支払い後も全く発送される気配がなく何度か問い合わせをしていたのですが、突然5/2に商品発表があり実際に動いている様子が動画でライブ配信されました。「おお、すでに動く機器が実在するんだ」と期待が高まります。

それからも発送されず、Refund期限→問い合わせ→期限延長を何度か繰り返し、

現物が到着する前にクレジットからの引き落としがあったり…

なんだかんだであきらめかけていたら、最初の注文から約2か月後の6/3に発送したという連絡がきました。

トラッキング情報が登録されていない…

ところが、それから追跡情報が1週間くらい運送会社のピックアップ待ちで放置されて…

さらに10日後、やっと荷物が引き受け→トラッキング情報登録されて…

6/24にやっとKLP1が手元に到着しました。注文から約2.5か月、長かった…

動作確認で判明した問題点

ちょうど転職直後だったこともあり、ちょっと生活は落ち着きだした7/2から組立開始。

電源電圧切替スイッチが見つからない

まずは、電源電圧を110Vに設定しようとしたのですが、切替スイッチがインレット付近にない。もしかしたらユニバーサルで連続動作?と喜んだのもつかの間、側面の穴の奥にこっそりありました。
ちなみに、付属の取説はほとんど内容がなくて役に立ちませんwww

上方向の余裕がない

天面は開閉可能なヒンジが付いたアクリルパネルを固定するのですが、ヘッドからの距離がなさ過ぎて、フィラメントを通すテフロンチューブがヘッドのすぐ上で折れ曲がるという状態で、このままでは使い物にならないことが判明。

これは、最終的にスペーサを印刷して天板自体を5㎝ほど上にあげて対応しました。

何故か操作用のLCDパネルがある

これは嬉しい誤算だったのですが、取説にも公式サイトの写真にもない(未だにない)LCD操作パネルが付いていました。というか、なんかベータ版の疑いがあるけど、まあよし。

GT2ベルトが裂けて外れる問題

実際に動作確認をしてみたところ、GT2ベルトが緩すぎてきちんと出ないことが判明。というか、最初からベルトの状態を確認しろよ、自分ww

このままでは使い物にならないので、ベルトのテンション調整をしようとしたところ、ベルトが裂けて固定していた金具が外れるという事態に。というか、金具のカシメ方法が真ん中を押し付けるだけって、全然だめだこれ。

ベルトを外すにはヘッド自体をばらさないといけないという事態になり

逆側の金具も同じようにベルトを裂いて外れるとか色々とありましたが、何とか金具で固定して初めての出力完了。

と喜んだのも束の間、翌朝起きたらベルトが外れていましたww

ベルトの固定方法を変更

とりあえず、金具で固定する方法だとどうしてもベルトが抜けてしまうので、ケーブルクリップを出力してそれで固定する方法に変更しました。

これでも、結局テンションをかけると抜けてしまうため、最終的にクリップ自体を折り返して固定するタイプに再設計して固定。当然ながらベルトの長さは足りなくなったので、新品を購入して交換しました。

X方向のベルトがリニアレールと並行ではない

ベルト固定が落ち着いたので、公式から配布されている設定の350㎜/sで印刷してみたところ、X方向の移動でギシギシいうので、確認したらヘッド~プーリーのベルトのパスがリニアレールと並行になっていないことが判明。これは構造的にどうしようもなくて、このままではリニアレールが壊れかねないので、350㎜/sでの運用は諦めて何とか音のしない100mm/sでの運用にすると割り切らざるを得ませんでした。

ちなみにこの件は写真付きでKingroonにフィードバックしたのですが「ご指摘ありがとう。参考にします。」の一言だけでそのまま放置されています。

見なければよかったBED MESH

そこそこ印刷できるようになったので、油断してうっかりBED MESHの情報を見てしまった結果、左右で2㎜くらい傾いていることに気がつきました。

ベッドは金具に固定されていて高さ調整ができないため、PEI鋼板を固定するためのマグネットシートに穴を開けて、下にワッシャーをいれて調整するという荒業で乗り切りました。

最終的になんとか実用に耐えられるレベルとなったので、現在はこのレベルで使っています。長かった…

終わりに

最終的にはきちんと動いたので、それなりに満足しています。自分の労力を除けば5万円+1万円の6万円くらいでチャンバー付きのCoreXY機が手に入ったのでコスパはいいと思いますが、3Dプリンタの改造や自作クラスタ以外にはオススメしません。
自分は安いものを買って人柱になりやすい体質なのでまだましでしたが、朝起きたらベルトが抜けているのを3回くらい体験すると、このまま粗大ゴミとして投げ捨ててしまおうかと思いますね。

ここから先は

39字
この記事のみ ¥ 100〜

よろしければサポートお願いします。分解のためのガジェット購入に使わせていただきます!