見出し画像

フジロックでDaniel Caesarだけは観てほしいので紹介する


2019年も夏フェスシーズン!ということで、
フジロックに初出演が決まったカナダのアーティスト、Daniel Caesarについて書いていきます。

僕はDaniel Caesarが出演しているフェスティバルに遊びにいくと、帰り際に友達と「今日はDaniel Caesarが一番良かったよね。」といつも話している気がする。そのくらい彼のライブは素晴らしいので、フジロックに行く人にはマストで観てほしいし、そうでない人にも今から予定を作って観に行ってもらいたいくらいだ。

Daniel Caesarは欧米では結構有名なアーティストですが、日本ではそこまで有名なアーティストってわけではないと思うので、今回は彼のことを簡単に紹介していきたい。

 - Daniel Caesarってどんなアーティスト?

Daniel Caesarはカナダはオンタリオ州はオシャワ出身のSSW。1995年生まれの24歳とまだまだ若いアーティストだが、デビューアルバム発売後のツアーは各地でソールドアウトし、既に各地のフェスに引っ張りだこになっているアーティストの一人。カナダを代表する新人アーティストと言っても誰も文句を言わないであろう。

主にR&B / Soulといったジャンルのサウンドを奏でるDaniel Caesar。彼が世に知られるようになったのは、2017年にリリースされたデビューアルバム『Freudian』前後のことだが、実は最初のリリースは結構前のことだ。

Daniel Caesarは2014年に最初の作品となる『Birds of Paradise』とその後すぐにリリースされた『Praise Brake』の2作品をリリースしている。どちらの作品も教会で育った彼のルーツが現在の彼のテイストよりもだいぶ濃く反映された作品。( ※ 両作品はSpotifyなどには無いものの、『Birds of Paradise』 / 『Praise Break』 ともにSoundcouldで聴くことができ、Praise BreakはDLも出来る。)

2015年には『Pilgrim's Paradise』というEPをリリース。僕はまだこの頃Daniel Caesarと出会ってはいないが、LAの友人が言うには、この頃には少しづつ欧米の音楽好きの間では注目されていたそうだ。

その後、昨年のフジロックにも出演したKali Uchisをゲストに迎え作られた、デビューアルバムへのシングル曲「Get You」が大ヒットとなった。

僕はこのシングルで彼のことを知り、2017年の1月に彼のライブを観にLos AngelesのExchplexというライブハウスへ足を運んだ。キャパシティが600人程度のライブハウスとはいえ、このライブのチケットも瞬殺だった。その時のオープニング・アクトを務めたのがこれまたフジロックへ初出演するSabrina Claudioというのも個人的にはグッと来る。2人ともすごい飛躍。

音楽ファンだけではなく、アメリカではティーンの中でも「Get You」が流行している中で2017年の夏に発売されたDaniel Caesarのデビューアルバム『Freudian』はストリーミングの再生数が爆発したのはもちろん、結果的にグラミー賞で「Best R&B Album」にノミネートされるアルバムとなった。

デビューアルバムを発売し、彼の人気にさらに火を付けたのは今では恐らく「Get You」よりも知名度があるであろうH.E.R.とのコラボ曲「Best Part」という曲。

「Best Part」はH.E.R.が昨年リリースしたデビューアルバム 『H.E.R.』にも収録されていて、そこではノミネートだけではなく「Best R&B Album」を受賞している。コラボレーションというと、ホスト側が楽曲の権利を持ち、片方がゲスト側として参加する形がほとんどだが、この曲はどちらかが所有しているという曲ではなく、50/50のバランスでお互いの曲という感じ。2020年代のR&Bシーンを背負っていくであろう2人のデビューアルバムに収録され、結果的にグラミーに2回ノミネートされているというとんでもない曲である。

『Freudian』には、Daniel Caesarの父親はゴスペル・シンガーなこともあり、恐らくその影響もあって生まれたであろうゴスペルの要素を感じる「We Find Love」のような楽曲から、日本でも大人気なLAのソウル / ヒップホップ・バンド、The InternetからSydを迎えた「Take Me Away」なども収録されていて、アルバム一枚を通して楽しめる作品に仕上がっている。

Daniel Caesarはさらにライブで本領を発揮する。

Daniel Caesarは新人アーティストとしてストリーミングサービスの再生回数やグラミー賞ノミネートなどレコードの部分でちゃんと結果を残しているアーティスト。だけど僕が今回この記事を書いているのは、Daniel Caesarのライブがとにかく素晴らしく、あの空間でしか味わえない多幸感があり、せっかく来日するので一人でも多くの人にあの空間を味わって欲しいからだ。

Daniel Caesarのライブは本当にシンプルなものだ。別に特別な演出があるわけではないし、今年のフジロックの出演者中でいうと、Janelle Monáeとかのステージ方が派手な演出を駆使したライブが観れると思う。だけど、Daniel Caesarのライブの中にはそのシンプルさが生んだ圧倒的な心地良さがある。

ライブを観るときに音に集中するために目を瞑って聴くことがある人って多いと思うんだけども、個人的には彼のライブはずっと目を瞑って聴いていたくなるようなライブ。聴覚だけに100%集中し、頭を空っぽにした状態で聴く彼の生み出すハーモニーやリズムの一つ一つはとにかく心地よくて、優しいのだ。踊るではなくゆれたくなるようなサウンドで、自然なパフォーマンスだからこそ生まれてくる多幸感に包まれる。

ライブでは彼の人柄の優しさも滲み出ていて、恒例になっている「Best Part」のシンガロング・パートとかも、リリックは全て簡単な単語ですぐに覚えられるのにも関わらず、恐らく初めて聴くであろうオーディエンスのことを考慮し、欠かさずにリリックを教えてくれたりする。

- 2nd Album『Case Study 01』をサプライズリリース。

もう一つDaniel Caesarをいま観ておきたい理由としては、やっぱり6月28日に突如サプライズ・リリースされた2nd Album『Case Study 01』から新曲が披露されることが予想できるということ。

新作は『Freudian』と比べるとHIP-HOP色が強めになっている作品で、シカゴのシーン辺りのジャズに影響を受けているHIP-HOPとも重なるような作品に仕上がっている。ゲストにはPharrell Williams、Brandy、John Mayer、Sean Leon、Jacob Collierが参加している。

『Case Study 01』リリース後、Daniel Caesarは母国カナダのフェスに一本出演し、そのまま自身初となるアジアツアーに向かうので、今回のフジロックは新作の収録曲をいち早く生で聴くチャンスでもあるのだ。

アメリカやカナダでのリリースツアーを前に新作を聴けるのはレアな体験だと思うし、新作の曲たちがどう演奏されるのかはわからないが、新旧交えたセットリストで素晴らしいライブになるはずなので、フジロックでDaniel Caesarを見逃さないで!!!


ライブハウスでの飲み代になります! Cheers!!!