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【#0寿司ネタ60種】非100円回転寿司の調味料・加熱・トッピングで「より美味しい」「より楽しい」食べ方の指南書(Z)(改)(超)

お寿司は、食べ方ひとつで美味しさと楽しさが何倍にもなる商品です。

お寿司は、板前と話しながら食べることで美味しさと楽しさが何倍にもなる商品です。

お寿司は、魚体を見てから食べることで、美味しさと楽しさが何倍にもなる商品です。


美味しく楽しくなることには、大きな感動があると思っています。

【皆さまにより多くの感動を味わっていただきたい】

それが、私がお寿司をテーマに文章を書く理由のすべてです。

最後までお読み頂けますと幸いです。



***



商品(お寿司)の価値と、価格。

それらの間では、食べ手の感情が大きく動きます。

「値段のわりに美味しくない」と思えば、ポジティブな感情が影を潜め、食事そのものが楽しくなくなっていく。

一方で、「こんなに安いのにこんなに美味しいなんて!」と思えば、ワクワク感が溢れ、食事がどんどん楽しくなっていく。

そのように、価値と価格の間で感情がどう動くか、どういう気持ちになるかによって、「美味しさ」や「楽しさ」が左右されます。

なので、「商品の価値」を知ること、お客様ご自身のオーダーでさらに自分自身にとっての「商品の価値」を高めることは、美味しく楽しい食事にするための大切な要素になります。

では、商品の価値を創出する主な要素は何でしょうか。

味。

美しさ。

この2つの要素が基本となります。

もちろん、お魚さん自体のブランド力や希少性などの要素もあります。

しかし、それらは「美味しさ」という絶対基準に乗っかる付加価値にすぎません。

食事における絶対的な価値は「美味しさ」です。

なので、「美味しさ」こそ「商品価値」だと私は思います。

そういった「美味しさ」を判断する「好み」はお客様それぞれ。

色々と食べ方を工夫してみることで、より「好みに合う商品」に近づいたり、「苦手だったものが好きになる」こともあると思います。

すると、お寿司を食べている時間が、今までよりもワクワクして楽しくなってくると思います。

それに。

お寿司を食べられるお店は限られています。

そこでは、基本的な形(ワサビ・生姜と醤油)で商品を提供されることが多いでしょう。

より美味しく楽しい食事のためには、お客様ご自身のオーダーが鍵を握ります。

本エントリを通じて得た知識を元に、ぜひお近くの板前にオーダーしてみてください。

きっと、ひとつひとつの寿司ネタに対するイメージが変わると思います。


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さて、ここからは「食べ方」について紹介させていただきます。

本エントリの主題でございます。

たとえば、こんな調味料をご存知ですか?

ピンク岩塩(ピンクソルト・ヒマラヤ岩塩)。

白い岩塩に比べて「甘みを感じやすい」と言われています。

美味しさを追求する上で大切なことのひとつに、「食材の味を邪魔しないこと」があります。

塩には味としての「尖り」があり、「しょっぱさ」が強いと食材の味を感じにくくさせ、邪魔をしてしまいます。

それも、お寿司のように「風味が豊かな食材」が多い食事であれば、なおさらです。

それは、醤油も同じです。

ちなみにですが、高級なお寿司屋さんでは、「ネタによって醤油のブレンドを変える」こともしばしば。

それだけ「調味料が味に及ぼす影響が強い」ということです。

調味料は、寿司ネタの立役者。

より美味しく食べるために、なくてはならないものです。

余談ですが、塩は「甘み」が大きな価値になります。

たとえば、「世界で一番美味しい塩」と言われる、フランスのノルマンディー地方の塩を購入して食べたことがあるのですが、しっかりと甘みを感じられます。

具体的に言うと、塩に含まれるミネラルが「しょっぱい」以外の味を感じさせます。

「ミネラルが豊富な塩」

と耳にしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ミネラルが多ければいい、というわけではないのですが、ミネラルは味を感じる上で重要な役割を担っています。

ですので、調味料の成分に関心を持って食べ比べてみても、面白いと思います。


お寿司に加える基本的な要素は以下の3つ。

1.調味料
2.熱(炙り・湯霜など)
3.トッピング(紅葉おろしなど)

お寿司は、ひとくちでサッと食べられます。

ですので、「ひとくちで口の中のハーモニーを楽しめる食事」と言えます。

シャリもハーモニーを奏でる大切な要因ですので、「口の中でホロリと解れるシャリ」が美味しいと言われます。

お寿司を口に入れたときの、総合的な味わいに感動すること。

それはお寿司の大きな醍醐味です。

ですから、「醤油が不味い」、「シャリが不味い」、「海苔が不味い」ようではいけません。

ほとんどのネタの美味しさが損なわれてしまうからです。

お寿司屋さんはそれを十分に理解しているはずなので、頑張っているお寿司屋さんほど、そういった多くの商品に使う食品にこだわります。

ガリやワサビもそうです。

粉を水で溶かしたような辛いだけのワサビを使っていては、美味しくなるはずがありません。

ちなみにですが、ガリもワサビも「甘み」が重要です。辛いだけのものは「美味しくない」と評価していいと私は思います。

たとえば、ガリには「桃の果汁」をブレンドしたものもあり、甘みが豊富です。最近ではよく見かけるようになりました。

ワサビも、生ワサビを軽く舐めると「辛さ」以外の「ほんのりした甘み」を感じ取れると思います。

そういった、味わいに関わる細かなポイントにも目を向けてみると、楽しいと思います。

「どう食べたら、もっと美味しくなるかな?」という視点を意識してみてください。

すると、「食べる楽しさ」が増していくと思います。

そのためのヒントを得ていただくために、

ここからは寿司ネタひとつひとつの特徴や食べ方のポイントをご紹介させていただきます(60種)。


【赤身】


[鮪(マグロ)]
回転寿司では冷凍鮪が基本になるでしょうが、タイミングが良ければ生の鮪に出会えることもあります。
鮪本来の味を覚えるために、ぜひ生の(冷凍していない)鮪を食べてみてください。冷凍すると身の繊維が壊れ、水分(ドリップ)が出ます。それにより水っぽくなり、味を感じにくくなるためです。
鮪は、そのもの自体に味のある(食感以外の味を楽しめる)特別な寿司ネタです。なので、なるべく薄口の醤油を少量つけ(ネタの部分に塗るだけがベスト)、鮪の味を楽しんでください。
本鮪(クロマグロ)や南鮪(インドマグロ)は、特に絶品です。味の特徴としては、本鮪は酸味が強め、南鮪は酸味が少ないです。お魚さんは「食べたものの味」を引き継ぎます。鮪を食べて「鰯(イワシ)っぽい」と感じたことはありませんか? それは鰯を食べて、鰯の味を引き継いだためです。ブランド化した「みかん鰤(ブリ)」も、みかんの皮を食べて味を引き継いだ鰤です。
回転寿司の定番の鮪は、メバチマグロです。真っ赤な色と少々筋っぽい口当たりが特徴です。筋っぽいお魚さんは、熱を加えると気になりにくくなります。特にトロの部分は筋っぽさが強いので軽く炙ってみてください。脂が浮き出て、別次元の美味しさに変わります。
その他では、キハダマグロも一般的です。酸味が強いので好みが分かれるお魚さんです。時間の経過で色が濁りやすいので、赤ければ鮮度が良い証拠です。

[鰹(カツオ)]
鰹は酸味の強いお魚さんですので、生姜やポン酢で食べることが多いです。鰹出汁が一般的になっているように、旨味が豊かなお魚さんでもあります。
鰹は、春(初鰹)と秋(戻り鰹)が旬です。一般的に言えば「春はさっぱり感」、「秋は脂の旨味」が際立ちます。とはいえ、春であっても勝浦産(一本釣り日本一)の鰹などは脂がしっかりと乗ります。見分け方は、皮目近くの色味。ピンクに近く、脂の線が見えるような鰹は脂が乗っています。
鰹も鮪同様、本来の味を楽しむ食べ方がオススメです。特に新鮮な鰹は、薄口醤油で味の深みを感じ取ってください。美味い鰹は、突き抜けて美味しいです。酸っぱい鰹はタタキにしてネギなどの薬味とポン酢で食べてください。


【光り物】


[鰯(イワシ)]
脂の乗った鰯の見分け方は、皮目の部分の「白さ」です。旬のもので脂の乗った鰯は皮目に脂が白く浮き出るので一目でわかります。
光り物らしく薄口醤油と生姜でさっぱりと食べるのが一般的ですが、脂の乗った鰯は濃口醤油やポン酢もよく合います。炙っても美味しいです。ただ、鰯の最もオススメしたい食べ方は「梅」です。鰯は梅肉と大葉との相性が抜群にいいです。ぜひお試しください。

[鯵(アジ)]
「夏アジ」と呼ばれるように、旬は夏です。脂が乗っている指標は、血合いの部分と皮目の色。血合いが薄ピンク色に近く、皮目が白っぽく見えたら脂が乗っています。
鮮度の見分け方は、身と血合いの色。透明感がなくなるほど鮮度が落ちています。「究極の鮮度」を誇る活きた鯵は、身の色が透き通っていて透明感があります。活きた鯵は割高ですが、通常の鯵と別物として食べてみてください。コリコリとした噛みごたえのある食感を楽しめます。ただ身が動く可能性もあるので、抵抗のある方はお控えください。
良質な脂の乗ったアジは、ネタを触ればすぐにわかります。脂がねっとりと肌に張り付くからです。
鯵は生姜と薄口醤油で食べることが多いと思いますが、脂の乗っている鯵でしたらワサビも合います。鯵の脂がワサビの辛味を和らげ、鯵とワサビの風味が絶妙に絡み合います。
脂の乗った鯵でしたら炙っても美味しいです。岩塩を軽く振り、レモンでさっぱりと食べるのがおすすめです。

[小肌(コハダ)]
江戸前寿司では不動の人気を誇る小肌は、シンコ→コハダ→コノシロとその大きさによって名前が変わります(小さい順)。
〆ものですので薄口醤油や岩塩、レモンでさっぱりと食べるのが合っていますが、小肌は脂が乗っていて噛みごたえもあるので濃口醤油で重厚な味わいを楽しむのもオススメです。本当に美味しい小肌(しっかりとお店で仕込みをした小肌)は、手が止まらなくなるほど美味いです。

[さより]
透き通った細長い魚体をしているさよりは、様々な握り方ができ、フォトジェニックな美しさがあります。
ほんのり苦味があるので生姜や岩塩でバランスを整え、薄口醤油とともに食感を楽しむように食べるのがオススメです。

[鯖(サバ)]
〆ものが一般的ですが、完全養殖により寄生虫のリスクをなくしたブランド鯖(長崎・五島列島の五島鯖や大分と愛媛が挟む豊後水道の豊後鯖など)の普及により、生で食べる鯖も増えて来ています。
〆鯖も美味しいですが、脂の豊富な鯖は生で食べても絶品です。生鯖は〆鯖に比べ値が張りますが、その差以上の価値があります。ぜひ食べてみてください。口の中でとろけます。
〆鯖でしたら薄口醤油で、生鯖は薄口醤油も濃口醤油も合います。お子様でしたら〆鯖に濃口醤油とマヨネーズをかけ、炙ったものがお気に入りになると思います。

[秋刀魚(サンマ)]
秋刀魚は寄生虫のリスクが高いため、生で食べられる機会が減ってきています。焼いて美味い秋刀魚ですが、上質な脂と上品な食感は生で食べてこそ。非常に美味しい寿司ネタです。
醤油に脂が浮くほど、旬の秋刀魚には豊富な甘みのある脂が乗っています。生姜で食べるのが一般的ですが、ワサビと薄口醤油で秋刀魚の味わいを堪能するのも良いです。
秋刀魚は炙っても非常に美味しいです。岩塩を軽く振り、炙ってレモンやポン酢でさっぱりと食べてみてください。

[鰊(ニシン)]
鯵よりも骨っぽく、噛みごたえのあるお魚さんです。生のまま生姜と薄口醤油で食べても美味しいですが、炙って脂を浮き上がらせ、骨っぽさを目立たなくした上で薄口醤油やポン酢で食べるとより美味しくいただけます。鰊の食感は非常に素晴らしいです。

[飛魚(トビウオ)]
柔らかくて粘り気のある食感が特徴です。生姜と薄口醤油の組み合わせがベストだと思います。


【白身】


[サーモン]
「オーロラサーモン」や「アトランティックサーモン」が美味しいサーモンの代表格です。ともにノルウェーのサーモンで、アトランティックは南の方、オーロラは北の方で取れたサーモンの呼び名です。
サーモンを味わうポイントは、脂の甘みです。なので、薄口醤油だけでなく濃口醤油もよく合います(脂っぽいお魚さんには濃口醤油が合うものが多いです)。また、サーモンはイタリアン系のドレッシングもよく合います。さらに、脂が強いので炙っても美味しいです。
サーモンは、寿司ネタの中で有数の「色んな食べ方で楽しめるお魚さん」です。色々な食べ方を試してみてください。ピンク岩塩も非常によく合います。

[縁側(エンガワ)]
回転寿司で見かける一般的な白い縁側は、カラスガレイの特大縁側を加工したものだと思われます。生の縁側には透明感があり、さっぱりしています。
鮮魚として鰈(カレイ)や平目(ヒラメ)が納品されているお店では、生の縁側を提供していることもあります。ブラックボードなどにオススメ商品として鰈や平目が書かれているときには、「生の縁側ありますか?」と板前に訊いてみてください。
食べ方としては、身と縁側を組み合わせてひとくちで食べるのが理想的です。淡白な身と脂の乗った縁側のバランスが絶妙な味わいを作り出します。薄口醤油で美味しいですが、ポン酢もよく合います。

[鰤(ブリ)・はまち]
産地や養殖・天然等で呼び方が違ってややこしいですが、鰤とハマチは同じ魚です。小さいものをワラサ・イナダと呼びます。
白っぽい身の色をしていたら養殖、濁った色をしていたら天然物です。有名な富山の氷見の鰤は高級天然鰤です。
養殖ではみかんやゆずなどのフルーティーな味わいを楽しめるブリが商品化されて話題を呼びました。非常に面白いです(味わい深さは別として)。
食べ方としては、薄口醤油や濃口醤油が合いますが、大根おろしとポン酢でさっぱりと食べても美味しいです。

[勘八(カンパチ)]
見た目が鰤やヒラマサに似ている勘八は、非常に馴染みのある寿司ネタだと思います。
鰤よりもコリコリとした食感が強く、上品な脂が持ち味です。
勘八は非常に完成度の高い寿司ネタですが、岩塩か昆布塩で、勘八の味わいを引き出してあげるとより美味しくなります。
薄口醤油で普通に食べてももちろん美味しいですが、ポン酢はイマイチだと思います。大事な味わいをかき消してしまうので。鰤にある脂臭さが勘八にはありません。素材の味を引き立てるレモンやカボスはよく合います(かけ過ぎないようにお願いします)。

[真鯛(マダイ)]
皮付きのまま湯霜をしたり昆布〆にしたりと、素材を活かした様々な食べ方をされるお魚さんです。
生のままでしたら鯛醤油や薄口醤油、濃口醤油、梅との組み合わせ、炙りでしたら岩塩、昆布塩、レモンなど、多種多様な食べ方を楽しめます。
お魚さんの中で有数の「いろんな食べ方を楽しめる魚」なので、色々と試してみてください。
天然物よりも養殖の真鯛のほうが脂が乗っているので、より美味しいと思います。白身には舌触りや食感を楽しむ寿司ネタが多いですが、真鯛はそういった味わいが完成されています。

[金目鯛(キンメダイ)]
「キンメは高い」と思う方も多いと思いますが、実際に金目鯛はキロ2000円前後の高級魚です。真鯛の1.5倍ほどですから、回転寿司の金目鯛はむしろお買い物商品です。
特に高知の金目鯛が絶品だと思います。脂の乗りが素晴らしいです。
金目鯛は脂の旨味を楽しみたいお魚さんなので、薄口醤油や鯛醤油で食べるのをオススメします。岩塩(特にピンク岩塩)も合います。金目鯛そのものの味わいを楽しんでください。

[赤むつ(アカムツ)]
喉(口の中)が黒いので「のどぐろ」とも呼ばれます。脂の旨味が魚の中でも最高レベルの超高級魚です。
食べ方としては濃い口醤油がオススメです。脂と醤油が上品に溶け合います。薄口醤油や岩塩もよく合います。炙っても美味しいです。

[吉次(キンキ)]
見た目も味わいも赤むつに似ています。キンキには赤むつ以上に細やかな旨味があり、食感もさらに良いと思います。キンキは超高級品ですので、赤むつ以上になかなか出会えない寿司ネタです。
食べ方は薄口醤油、濃口醤油、岩塩がオススメです。キンキ本来の旨味を邪魔しないような食べ方をするのが理想的です。

[黒むつ(クロムツ)]
黒むつも赤むつほどではありませんが高級魚です。白身らしい淡白な味わいと、赤みがかった美しい身の色が大きな特徴です。
白身の中では歯ごたえの強いほうなので、薄口醤油や岩塩で、素材に近い形で食感を楽しむことをオススメします。

[縞鯵(シマアジ)]
エメラルドグリーンに光る皮目と黄色味がかった身が非常に美しく、勘八以上に脂の旨味が素晴らしいお魚さんです。
キロ2000円程度の高級魚です。
食べ方は、素材の旨味をそのまま味わえる薄口醤油か岩塩がオススメです。

[石鯛(イシダイ)]
グレーと黒のボーダーラインが特徴的な魚体をしています。
石鯛はコリッとした噛みごたえとねっとりとした上質な脂のバランスの良さが素晴らしく、見かけたら絶対に食べておくべきお魚さんです。非常に美味しいです。
濃い口醤油か鯛醤油で脂の旨味を引き出すと、魚の風味が口の中で広がります。凄まじく美味しいです。

[甘鯛(アマダイ)]
名前の通り、甘みの際立つお魚さんです。真鯛より甘みが強く、薄口醤油や岩塩で素材の甘みを引き出す食べ方がオススメです。

[的鯛(マトウダイ)]
的のような見た目が特徴的なお魚さんです。淡白なので薄口醤油や岩塩でさっぱりと食感を楽しむ食べ方がオススメです。

[鯒(コチ)]
夏が旬。身の形や味わいは、方々(ホウボウ・歩く深海魚)によく似ており、こちのほうが身が引き締まっています。
薄口醤油や岩塩がよく合います。

[青そい(アオソイ)]
クロメヌケを青そいと呼びます。
淡白な白身の中では最も美味しいと私は思っています。滑らかで噛みごたえもある食感と味わいのバランスが非常に良いです。
食感を引き立たせるために薄口醤油やポン酢で食べるのをオススメします。
青そいの他に黄そいや黒そいもありますが、青そいがダントツで美味しいと思います。黄そいと黒そいも美味しいですが、それらは青そいに比べてより淡白な味わいをしています。

[赤矢柄(アカヤガラ)]
口が非常に長く、魚体の3分の1程度が口です。身の味わいはこちに似ています。
薄口醤油やポン酢でさっぱりと食べるのが合っています。

[目抜(メヌケ)]
上品な味わいが特徴的な高級魚です。アコウダイもメヌケの一種ですが、区別されることが多いです。
メヌケもアコウダイも白身の中では特別に美味しいお魚さんです。
薄口醤油や岩塩が合っています。

[鰈(カレイ)]
鰈は様々ですが、真子鰈(マコガレイ)が有名でしょうか。真子鰈はギュッと引き締まった身が特徴的で、高級なお寿司屋さんでも重宝されています。
特にオススメしたいのは鮫鰈。鮫肌が特徴的な鰈です。縁側が極めて美味しく、身と合わせて食べると絶品です。
薄口醤油やポン酢でさっぱりと食べるのがオススメです。身自体は淡白なので、岩塩よりも水分のある醤油やポン酢がよく合います。

[平目(ヒラメ)]
言わずと知れた平目には、鰈よりも高級なイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。平目は高級魚です。
上品な味わいが特徴なので、薄口醤油でさっぱりと食べるのがオススメです。


【烏賊(イカ)・蛸(タコ)】


[障泥烏賊(アオリイカ)]
名実ともに烏賊界を代表する、烏賊の王様です。総合的なバランスがよく、すべて高得点。非常に美味しいです。
食べ方は薄口醤油で。

[真烏賊(マイカ)]
別名スルメイカ。噛みごたえがあり、噛めば噛むほど味が出ます。くんせいにしたものと同様です。
鮮度のよいものは黄色みがかっているので、判断材料にしてください。
生姜もワサビもよく合います。醤油は薄口醤油。濃口醤油も少量でしたらよく合います。

[赤烏賊(アカイカ)]
別名ソデイカ。特大の烏賊で非常に安価なため回転寿司で使われることの多い烏賊です。
烏賊の中で飛び抜けた甘みがあり、ねっとりとした食感が持ち味。安価ですが、非常に美味しい烏賊です。
オススメは薄口醤油か濃口醤油。味わい深いので濃口醤油もよく合います。

[槍烏賊(ヤリイカ)]
別名ケンサキイカ。つるつるとした舌触りとコリコリ食感が特徴です。
槍烏賊は岩塩との相性が抜群に良く、それだけで食べても美味しいです。生姜と薄口醤油の組み合わせもGood。ワサビが多いと辛味がダイレクトに来るのでお気をつけください。

[紋甲烏賊(モンゴウイカ)]
コウイカの一種です。
噛みごたえがあり、さっぱりとした食べ方が良く合います。岩塩とレモンや、生姜、薄口醤油で。

[蛍烏賊(ホタルイカ)]
富山の神秘、蛍烏賊。新鮮なものはしゃしゃぶで食べることもあります。
酢味噌がよく合うので、つまみにすることも多いです。
生姜と薄口醤油がよく合います。

[蛸(タコ)]
食べ方は生なら薄口醤油と紅葉おろし、ボイルなら薄口醤油で。
生蛸が硬くて苦手な方は、軽く炙れば気持ち柔らかくなります。
活生蛸はストッキングを脱がせるように表面側の脂肪を取り除き、中の筋肉だけを食べるのが一般的です。


【貝類】


[つぶ貝]
コリコリとした食感をしており、臭みが少ないのが特徴。貝類が苦手な方にも食べやすいです。
活のものは硬く、人によっては食べにくいと感じることもあります。
つぶ貝は炙っても美味しいです。岩塩をさっと振って炙ると非常に美味しいです。薄口醤油やレモンとの相性も良いです。

[赤貝(アカガイ)]
赤貝はコリコリとした食感が持ち味。生のまま薄口醤油や岩塩、レモンなどでさっぱりと食べるのをオススメします。

[帆立(ホタテ)]
ホタテ(貝柱)の最大の持ち味は甘みです。食感も良いですが、貝類有数の甘みがあります。
薄口醤油や岩塩、レモンでさっぱりと食べるのがオススメですが、味わい深いので少量の濃口醤油でも。

[鮑(アワビ)]
鮑は口の部分が毒なので注意してください。ピンク色をしているのですぐわかります。
食感と風味が持ち味なので、邪魔をせず薄口醤油や岩塩で食べるのをオススメします。


【甲殻類】


[甘海老(アマエビ)]
甘みが際立っているので甘海老と呼びます。特に生の甘海老は本来の甘みを堪能でき、絶品です。
薄口醤油が合いますが、濃口醤油で甘みを引き立たせる食べ方もオススメです。

[牡丹海老(ボタンエビ)]
ねっとりとした食感、上品な甘みと香りが持ち味です。
薄口醤油や岩塩とレモンでさらっと食べるのがオススメですが、重厚な味わいがあるので濃口醤油もよく合います。

[赤海老(アカエビ)]
噛みごたえがあり、僅かですが甘みもあります。牡丹海老よりも比較的安価でコストパフォーマンスも良いので回転寿司では重宝されています。
薄口醤油、濃口醤油ともに合います。岩塩やレモンも美味しいです。

[車海老(クルマエビ)]
赤海老よりもさらに噛みごたえがあり、淡白な味わいが特徴です。
淡白なので薄口醤油で、食感を楽しむのをオススメします。

[伊勢海老(イセエビ)]
盆と正月のような特別な日に出会える可能性があるのでご紹介します。
伊勢海老は当日の納品段階まで活きていたものしか使用しないはずです。生のまま食べるなら鮮度抜群。塩とレモンや薄口醤油で高級品の味わいを堪能してください。

[ずわい蟹(ズワイガニ)]
ボイルしたものが主流ですが、生のまま食べるずわい蟹を回転寿司で見かけることもあると思います。非常に美味しいので食べてみてください。
甘みがあるので濃口醤油や岩塩との相性が良いですが、薄口醤油でも美味しくいただけます。
「紅ずわい蟹」と呼ばれる小さなずわい蟹も美味しいです。


【軍艦】


[雲丹(ウニ)]
雲丹の持ち味は、豊かな甘みと香りです。ガリで口の中をリセットし、薄口醤油でさらっと食べるのがオススメです。
高級品ですので、素材の味を堪能してください。鮮度の高いものほど甘みが強いです。保存料を使用していなければミョウバン臭さがなく、より美味しいです。

[イクラ]
生のイクラも中にはありますが、一般的に使用されているものは醤油漬けのいくらです。喧嘩させないよう、薄口醤油を少量つけて食べるのがベスト。筋子(スジコ)も同様です。
生のイクラは「生いくら」などと明記されていると思います。

[ネギトロ]
薄口醤油だけでなく、濃口醤油も合います。本鮪や南鮪の中落ちでしたら脂が強いので濃口醤油をオススメします。

「白子(シラス)」
独特の苦味と舌触りが持ち味なので、臭みを緩和する生姜と薄口醤油がよく合います。ポン酢でも美味しいです。

[のれそれ]
穴子の稚魚です。泳いでいる姿がそう見えたことが名前の由来です。つるつるとした喉越しと食感が持ち味です。
生姜と薄口醤油の組み合わせがベストだと思います。

[白魚(シラウオ)]
稚魚系の寿司ネタの中で、特に食感を楽しめるお魚さんです。生姜で食べるのが一般的ですが、苦味がそれほどないので薄口醤油やポン酢だけで食べても美味しいです。

[白子(シラコ)]
一般的なものは鱈の白子です。海のミルクと言われる濃厚な味わいが持ち味です。
鮭の白子もありますが、少々臭みがあり、ねっとり食感をしています。白子なら、鱈が最高です。
薄口醤油が合いますが、ポン酢もよく合います。紅葉おろしでどうぞ。

[鮟肝(アンキモ)]
「鮟肝ポン酢」という言葉が定着しているほど、ポン酢がよく合います。薄口醤油でもOKです。
まろやかで臭みのない鮟肝は、お店で仕込みをしたものだと思われます。鮟肝の美味しいお店は、良いお店ですね。

[飛子(トビコ)]
飛魚の魚卵です。「とびっこ」とも呼びます。
プチプラとした食感が持ち味です。薄口醤油でさらっと食べるのがオススメです。


【巻物】

[鉄火巻]
鉄火場が名前の由来です。贅沢に本鮪で鉄火巻を作ると絶品ですので、板前にお願いしてみてください。薄口醤油で、豊かな風味が広がります。

[かんぴょう巻]
ワサビを塗って巻いたものを「鉄砲(テッポウ)」と言います。
薄口醤油が合いますが、胡麻(ゴマ)もよく合います。

「かっぱ巻」
かっぱ巻は大葉と胡麻を入れるとより美味しくなります。板前にオーダーすれば快く応じると思いますので、ぜひ試してみてください。
薄口醤油がよく合います。

[穴きゅう巻]
穴子と胡瓜(キュウリ)の巻物です。薄口醤油が合いますが、穴子と烏賊の出汁で作った煮詰(ニツメ)もよく合います。鉄砲同様、胡麻も入れるとさらに美味しいです。


【その他】


[穴子]
穴子専門店の穴子は鰻に匹敵する、またはそれ以上に美味しいお魚さんです。
しかし一般的な回転寿司の穴子ではそれほどのクオリティを出せていないのが現状です。とはいえ回転寿司の穴子も美味しいので、お好きな方は煮詰で。
ちなみにですが、穴子本来の食感は「コリコリ」です。ぜひ穴子専門店で食べてみてください。イメージがガラッと変わると思います。



***



お寿司のネタに関する新たな発見を得られましたでしょうか。

お魚にはそれぞれ個性があり、その引き出し方は様々です。

お寿司の定番的な調味料やトッピングを列挙すると、こんなところでしょうか。

1.醤油
2.ワサビ
3.生姜
4.紅葉おろし
5.ポン酢
6.岩塩
7.レモン
8.ネギ
9.山椒
10.煮詰
11.胡椒

それらの調味料やトッピングを活用して、お寿司をもっと美味しくすることは十分に可能です。

基本的にはお店に常備されているはずなので、板前にお気軽にオーダーしてみてください。

ただ、もっと色々な、もっと美味しくて面白いお寿司の食べ方があってもいいと、私は思っています。

たとえば、私はこのようなお寿司をお客様にご提供させていただいたことがあります。



マグロを例に取ると、ふりかけの「ゆかり」と胡麻を混ぜ込んだシャリで握り、ネタの上からキャロットドレッシングをかけてパセリを乗せました。

その試みは私にとってひとつの挑戦だったのですが、

「こんなの食べたことない!」と仰りながら5回もおかわりしてくださったお客様もいらっしゃるほど好評をいただき、お寿司の食べ方をさらに意識するきっかけになりました。

お寿司の食べ方は、お寿司屋さんの枠を超えてさらに広がる可能性を秘めていると感じます。

お寿司の食べ方を見直していくことの可能性に気付けたことを大変嬉しく思っています。

お寿司に関わるエントリをお読みいただいた皆様のおかげです。

有難う御座います。

皆様にとって、お寿司がより美味しく、より楽しいものになりましたら私は嬉しいです。

長くなりました。

最後までお読みいただき有難う御座います。

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