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黄色い白鳥

2020年東京オリンピックの種目であるマラソンが
札幌で開催されることに決まった。

ここ、皇居周辺を走っている”皇居ランナー”たちは
その結果をどう思っているのだろう。

東京都内の有名観光スポットをめぐるコースになる。
当初は、そのような話を聞いていた。

各国の代表ランナーの中にも、東京でのマラソン開催を楽しみにしていた選手もいるはず。

結果としては残念だが、急な札幌への変更にもかかわらず、札幌市が受け入れてくれることに、感謝。

そんなことを考えつつ、風を切りながら私の前を走り抜けていく彼らを、私は見ていた。

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皇居ランナーの中には、多くの外国人ランナーが。
マンハッタンのセントラルパークを走るランナーと同じ気分なのだろう。

ひっきりなしに前からやってくるランナーの列が、あるとき途絶えた。
この瞬間だけは、よそ見が許される。

皇居ランナーが走っている歩道は、そう広くない。
歩行者とランナー、自転車に乗る人が前から後ろからやってくる。

そのため歩行者は歩行者で
しっかり前を見ながら歩かないと危ない。

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よそ見をした私は、足元にあるものを見つけた。

綺麗な黄色い花。
この場所にだけ生えていた。

「こんな所に、こんな綺麗な花が」

走り去っていくランナーたちは
この花には気づかずに行ってしまうのだろう。

なんだか自分だけ、得をした気分だ。

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皇居正面から東京駅の方を眺めると、行幸通りのイチョウが色づき始めていることに気付く。

まだ緑色の部分もあるが、季節の移ろいを感じることができる。

それに日比谷通り沿いのイチョウ並木も忘れてはいけない。

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”馬場先濠”には1羽のハクチョウが。
水面に反射するイチョウとの共演がうつくしい。

「よく水を泳いでて寒くないよなぁ」

おしりをフリフリしながら羽づくろいしている姿を
ただボーっと眺めていた。

地上を歩くサラリーマンたちは
少し寒そうにしながら出社していた。

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