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なぜ農園をつくるのか、5つの理由

こんにちは。
灯す屋の佐々木です。

灯す屋ではいま農園をオープンさせるべく、コミュニティリーダーの石橋くんを中心に、せっせと頑張っています。

農園(準備中)

農園の名称は、『白川 みんなの農園』になりました。

どうして私たちがいまあくせくと農園をつくっているのかどこにも説明していなかったので、こちらにまとめてみたいと思います。

やり始めると新たに気づいたこともあって、おもしろいです。

農園をはじめる理由①多世代交流

1つめの理由は、この白川エリア(あるいは有田小学校区)に暮らす皆さんと子どもたち、そして多拠点暮らしをする灯すラボ滞在者が交流できる場所を増やしたかったから。

農園の目の前の古民家「灯すラボ実験室B」では、アフタースクールやポップアップなどを行なっていて、すでに交流拠点の1つとして動いていますが、より日常的交流をつくり出すために誰でもいつでも入れる「農園」という機能を追加することにしました。

みんなで野菜を育てたり、一緒に収穫して喜び合ったり。料理して食べて笑顔になる。かつては日本中にありふれていたであろうそんな交流を、ここに取り戻してみたいと思います。

農園をはじめる理由②空き地活用

「白川 みんなの農園」は、ちいさな空き地を活用した農園です。そこまで日当たりが良いわけでも、アクセスがよいわけでもありません。

少し、このエリアの紹介をします。
農園のある白川地区を含む伝統的建造物群保存地区(内山地区)は、町内でも特に空き家が多く、ひとつ路地を入るとボロボロになったちょっと危険な空き家が多数見受けられます。

今年から法律が変わり、危険空き家を放置した場合の罰則が設けられました。これにより、危険空き家の解体が進んでいくものと期待されます。

しかし、建築基準法により一度建て壊すと再建築ができない土地というものがあります。主に路地など車が入れないような土地がそれに当たるケースが多いです。すなわち、有田町の内山地区にはそんな土地が今後増えていくだろうということが推測されます。

ただの空き地なのに、固定資産税だけ支払わなければいけない。遠方に住んでいると、管理できずに雑草だらけとなって近隣の迷惑に。これだと結局、空き家であるときとほとんど状況が変わりません。

そんなわけで、空き地の有効活用のモデルをつくるべく、あえてこの狭小地を選ぶことにしました。ガレキが多くてなかなか準備は大変なところがありましたが、雑草だらけの場所がスッキリしただけでも既にQOLは爆上がりしております。

農園をはじめる理由③農教育

内山地区は約400年以上昔から焼き物をつくってきた歴史あるエリアで、かつて多くの職人や商人が所狭しと暮らしていました。そのせいもあるのか広い土地がすくなく、家庭菜園を含めて農地利用している場所がほとんどありません。

私たちはここに農園をつくることによって、普段食卓に並ぶ野菜は一体どうやって育つのか(育たないのか)、その喜びや大変さを日々感じられる場所をつくりたいと思いました。

有田焼に用いられる文様やモチーフは自然の中から生まれたものも多く、農体験によってここに暮らす人々のクリエイティビティを刺激することも期待しています。

農園をはじめる理由④買い物難民支援

全国の過疎地域で大きな課題となっている「買い物難民」。ここ白川地区は町内でも高齢化が特に進んでおり、さらに周辺に日用品や食料を買うお店もほとんどないため、この難民問題は年々大きくなっています。

車を運転しない多くの高齢者は、バスやタクシーを利用した週に1〜2回の買い物によって食材などをたくさん買い込みます。そのため、いつでも新鮮な野菜を食べることが難しいのが現状です。

ちいさな農園なのでいつでもたくさんの提供はできませんが、獲れたて野菜を1つでも地域の皆さんの食卓に届けられたら嬉しいです。

農園をはじめる理由⑤半農半X

円安による物価高騰は、食材の多くを輸入に頼る日本にとっては非常に大きな問題です。今後ますます食べ物の値段は上がり、色とりどりの食卓を維持するのは難しくなっていくでしょう。

有田町のような地方の田舎町は、都会ほどの収入を得ることは難しく、日常の買い物のハードルは上がり続けます。だからこそ、地方で暮らす人たちにはちいさな農園を始めてみることをオススメしたいです。買うよりも安価で美味しい野菜を手に入れることができます。

私自身はまだ始めていませんが、実家の父が家庭菜園を数年前に始めてから日々の食事の質が大きく向上しました。食卓で畑の話を孫たちに嬉しそうに話す父を見て、私もいずれ自分の農園をつくろうと思うようになりました。お金の面だけではなく、農業には人を幸せにする何かがありそうです。


この農園をつくることを決めてから、色んな人たちから「畑ばすっとやろ?」とちょっと嬉しそうに声をかけられることが増えました。
やってみたいけど1人では大変そう。みんなとだったらやってみたい。農家ではない皆さんにとって、そんな共通の想いがあるのかもしれません。

非農家がゼロからはじめる農園は果たしてうまくいくのか不安もいっぱいありますが、野菜に負けないくらいたくさんの笑顔をつくっていきたいと願っています。

たくさん読んでいただきありがとうございました。よかったら、農園まで遊びに来てくださいね。

そうだ、今月おひろめ会をやりますのでぜひ。美味しいおにぎりやお野菜を準備して、お待ちしております。