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映画「yesterday」

バンド経験も弾ける楽器もないけど、少年時代にThe Beatlesに出会わなかった人生は考えられない。

初めて買ったのはlet it beのLP。レコードを買い揃えることはできなくて、友達に録音してもらったりラジオで聞いたりしながら、年代を遡るように聞いていった。
曲、英語、漠とした外国への憧れ。The Beatlesに因んだ喫茶店名を探して出かけてマッチ箱を集めた。
ポール・マッカートニーが好きでWINGSもよく口ずさんでいた中学生が、いつの間にかジョン・レノンの歌声や生き方へと関心が移っていった。「この曲もいいなあ」って言うだけの感じが、いつの間にか精神面に関わる存在へ変化していた。
記憶の光景。ある朝、高校に通う電車を降りた朝のホームの売店で見つけたジョンの死の大見出しのスポーツ新聞。
僕は、はじめて世界規模の悲報に身を置いた。

負けないぐらい聴いた、とかいうのでもないし、一般的(一般的ってなんだ?)な音楽ファンが持ち合わせていそうな、”源流”としてのThe Beatlesへの見識にもかなわない。
それでも、少年だった僕の身体に住み着いたThe Beatlesはお腹の奥にあって、何かの折にムムッって呼び起され、流して見聞きしているテレビやラジオ、街中から流れてきた音に涙腺が緩んだりもする。

ある日突然、The Beatlesが存在していなかった世界になって、The Beatlesを知っているのは世界の中で自分ひとり。
そんな設定のLOVEに溢れた映画だった。
悲しくてとか嬉しくてとか、震える感動とかとは違うのに、エンドロールは目を腫らして最後までスクリーンを見つめた。

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