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イージーライダー

ワイアット(ピ-ター・フォンダ)とビリー(デニス・ホッパー)は、ドラッグの密輸で大金を得て旅に出る。
ハーレー・ダビットソンに跨ると腕時計を投げ捨てて走り出すワイアット。
西海岸の町から赤土の大地にまっすぐ伸びる道に2台のバイクが遠ざかっていく。
乾いた荒野を走り、集落を抜ける。
前後しなから疾走するハーレーと「Born to Be Wild」が見事にハマる。しびれる。
違和感は、ワイアットの表情から自由への羨望が読み取れないこと。

一応の目的地は謝肉祭があるルイジアナ州南部のニューオリンズ。ふたりがそこをゴールだと思っているかどうかはわからない。
ヒッチハイクで乗せた男のコミューンに立ち寄ったり、ある町の留置所で知り合った若い弁護士(ジャック・ニコルソン)をタンデムに乗せ、旅は続く。

全編セリフの少ない、説明不十分の映画だ。
衝撃の結末も解釈もいろいろだと思う。

「…(誰もが)個人の自由についてはいくらでも喋るが、自由な奴を見るのが怖いんだ。怖がらせたら非常に危険だ」
これは、ジャック・ニコルソンのセリフ。
自由なる美辞麗句を並べても、その別の顔は実は他者の排除。
アメリカという国が抱え続けている闇でもあるけど、世界中のどの世代、いつの時代にもある個々人の葛藤かもしれない。
バイクの2人にすり寄る若い女性と、彼らの存在が疎ましい大人。
ワイアットとビリーにしても謳歌できずにドラッグに溺れる。

20歳代の時に製作主演したピーター・フォンダが先週亡くなった。
監督はデニス・ホッパー。
ジャック・ニコルソンにしてもそう、当時ハリウッドから締め出されていた若手たちによって生み出されたニューシネマ。

1970年日本公開

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