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パティスリー?

ぶれずに好きと言い続けているものにショートケーキがある。

20年も前、今はもう店を閉めてしまった地元で人気の洋菓子店の機関紙の編集を担当したことがあって、フランス仕込みのお店の人に初めて食べさせてもらったオペラやカヌレ。あのときは、いい気になって周囲に蘊蓄を語ったりした。
もしかしたら普通のケーキ屋にも、手の込んだ色鮮やかだったりかわいらしい作りのが並ぶようになったのはその頃からなのかな。
主役のショートケーキの周りをモンブラン、プリン、シュークリームが取り囲んでいれば良かった時代は過ぎ去ったのだった。

ぶれない僕は、今も変わらずショートケーキが一番好きだ。いわずもがなイチゴの。中間に挟まっているのが缶詰フルーツみたいのは、これはこれで昭和感を思い起こさせてくれるのだけどやはり真ん中もイチゴが王道。
今やカットケーキが700円以上もするやつがあったり、500円ぐらいはふつうなんだろうけど、可愛らしくたってあんな小さくては”本来”のケーキの醍醐味が変わってしまって残念だ。

大きめのショートケーキをがぶり、生クリームが付いてしまった鼻の下を手で拭く。これが醍醐味。
子供の頃のワクワクはもう叶わない。
ワクワクといえば気づいたことがある。
どんな良いことあったのかわからないけど、たまあに父親が「ただいま!お土産だよ!」って差し出してくれたケーキ屋さんの箱。
その包装をせっかちに開けた時の、ケーキの箱は間違いなく紐で括ってあった。
紐を解き、箱を覆った包装紙を取る、この動作。
段ボールの型の進化によって失われてしまった。

なんてつまらないことを考えていたら、テレビに出てきた一般の女性が、「パティスリーで働きたい」と言っていた。
うむ?パティシエが洋菓子職人のことだから、洋菓子屋のことをそう呼ぶのか。
なんだか味気ないというか、デジタルなというか、腑に落ちない響きだ。

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