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『マッシュル-MASHLE-』 近未来人像!?

 Creepy Nutsさんがリリースした新曲、『Bling-Bang-Bang-Born』が世界的に注目されていますね。こちらは、現在オンエア中のTVアニメ『マッシュル-MASHLE-』第2期のオープニングテーマとして書き下ろされた楽曲です。中毒性のあるリズムと「#BBBBダンス」チャレンジが流行していますが、主人公を彷彿とさせる歌詞もまた魅力的。

ということで、今回は『マッシュル-MASHLE-』(原作:甲本一氏)の主人公であるマッシュ・バーンデッドの魅力について自分なりに語りたいと思います。
(※この先、物語の背景などの説明が若干ありますので、苦手な方はご注意ください。)

 主人公のマッシュは、魔法があたり前に使える世界に生まれながら、自身は魔法が全く使えません。そんな世界でも生き抜いていけるように、育ての父親(レグロ)は、トレーニングメニューを与え、マッシュは日々身体の鍛錬を欠かしませんでした。レグロの愛ある育て方のおかげで、マッシュはとても素直で家族思いの優しい子に育ちましたが、人との関わりが少なかったせいか、若干世間に疎いところがありました。

 マッシュの性格で特筆すべきは、魔法が使えないことへの劣等感を全く持ち合わせておらず、自己肯定感が格別に高いところです。また、日々の筋トレに裏打ちされた確固たる自信も強さの秘訣。「家族と平和に暮らすため」に入学した魔法学校でマッシュが出会うのは、ライバル心を燃やしてどちらの能力が上かを常に競っているような人たちばかりです。マッシュは、そのような環境の中でも決して他者と比べず、ひたすら自分の筋肉と向き合い、他人を意に介しません。そして、究極の自分軸と自分の信念をブレずに貫く精神面の強さも持っています。魔法が使えないのに魔法学校に入るのは前例のない出来事ですが、マッシュは、規則や固定観念などに縛られない自由な思考を持ち合わせているので、自分の目標だけを見据え、ただひたすら高みを目指していきます。「ただ平和に暮らせればそれだけでいい」と願っているマッシュの頭の中は大好きなシュークリームのことばかり。たとえ権力者や強者相手でもマイペースな態度は変えず、誰に対しても平等であり、出世欲や承認欲求などは感じません(なお、将来の夢はパティシエの模様)。

 そんな出過ぎた杭のマッシュですが、自然体ありのままの自分でいるだけで、人が集まってくる不思議な魅力があります。魔法無しで無双していく破天荒な強さを持っているのに、謙虚で仲間思いな優しい人柄と無二のシュークリーム好きというチャーミングな一面に周囲がどんどん惹きつけられていきます。登場人物はみなクセが強い個性派揃い。最初は衝突しつつも、最終的にはお互いの能力、個性や価値観を尊重し合える良き仲間(ライバル)たちに恵まれます。
 
 『マッシュル-MASHLE-』は、みなが多種多様な能力を持っており、それぞれの個性が光る世界。「自由」「型にはまらない」「自分らしさ」「多様性」などのキーワードが注目されている昨今、これからの近未来人像は、マッシュ・バーンデッドのような人物なのかもしれませんね。


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