「糖質制限×脂肪燃焼」で長距離レースを戦うということ
講師 : 小谷修平さん (プロフィール : http://holosrc.com/coach/ )
◆2012年24時間走競技 世界ランキング6位
◆2013年24時間走競技 世界選手権日本代表(団体戦準優勝、個人7位)
◆2016年さくら道国際ネイチャーラン250km3位
◆2017年24時間走競技 世界選手権日本代表
当日スライドなどはなく、終始質疑応答のカタチで進められました。私のメモの取り忘れ聞き逃しもおそらくあります。予めご了承お願いいたします。
【質問①】糖質制限をすることによって、筋肉量はどうなの?
論文によると、下がる。感覚的には下がらない。実施している人の筋肉量が減っている印象はないです。
【質問②】糖質制限によるスピードへの影響はどうなの?
解糖系の代謝が悪くなる→糖代謝が悪くなる→落ちる。個人的な感覚としては特にないです。
【質問③】トライアスリートの運動強度だと、どれくらいの糖質摂取量が目安になりますか?
36グラムで初めて、今は40グラム程度に落ち着いている。
【質問④】高脂質優位になっているかどうかチェックポイントはありますか?
18時間程度絶食して空腹の状態で20~30km程度走る。帰ってきた時に空腹を感じなければできている。ペースは24時間走のレースペース(6'程度/km?)、おしゃべりできるペース。
【質問⑤】低糖質生活を続けるコツは?
一気に始めたほうがいいと思う。キツめに始めて、身体が変わったほうが楽だと思う。体の変化が緩やかよりも、一気にきたほうが楽しくないですか?笑。記録は写真を撮るだけ。低糖質の食事はバリエーションが少ないため、1週間でパターンができる。後はそれをひたすらなぞる。
【質問⑥】日常的にどう糖質を摂っていますか?
カロリー3000kcal / タンパク質 142g (目安の2倍) / 糖質量46g / 脂肪250g
タンパク質由来 19% / 脂肪由来 75% / 糖質由来 6%
1日2食 <お昼> ナッツ70g、サラダ(マヨネーズ,醤油)、もずく、肉200gにスライスチーズに醤油、納豆卵、(ヨーグルト)<夜>、トマトプチトマト2個、肉200gにきのこ醤油 <外食>低糖質パン、ナッツ
サプリメント 高脂質優位系→カルニチン、高ジンジャー、コエンザイムQ10、微量元素補う系→ビタミン・ミネラル。
【質問⑦】継続期間は?
1年1ヶ月。3週間で挫折経験あり。この先も続ける予定。
【質問⑧】脂質優位への適応の期間は?
3週間で糖質制限に慣れる。2ヶ月までは運動がかなりしんどい。2ヶ月目は運動可能に。しかし、普通の食事摂取している状態よりは弱い。3ヶ月で普通に練習できるようになる。
当時のメモ。2週間目で炭水化物への欲求が消える。頭が冴えている感覚。8週間目に、朝食無しで50km無補給で行う。「成長の喜びが食欲を超える」感覚を覚える。3ヶ月目 500km程度の練習を積める。無補給練習も70km程度まで伸びる。
【質問⑨】チートデイや息抜きはしていますか?
低糖質系のスイーツを摂ったりはするが、食で息抜きはしない。1度低糖質体質になったら、1週間に1度糖質をとってもなかなかもとに戻らない。カーボローディングしても体質は戻らないのではないか。ちなみに、カーボローディングは不要論。そもそも低糖質体質になると、糖質は足りている。
【質問⑩】やってよかったと感じたことは?
レース中食べないと楽。競技中は食べることがつらくないですか?24時間マラソンの80%のキツさは内蔵由来のもの。そういったトラブルが無くなったことがメリット。
【質問⑪】レース中の補給は?
糖質。水分。電解質。枯渇するとリスクが高いものだけとる。なので、アミノ酸クエン酸は摂っていない。それでも255kmは走れている。1時間辺り糖質30~35g(ちなみにshotzは炭水化物29.8g)。固形物は食べず、水分とジェルだけ。アスリチューン。飽きたらオレンジジュースやココアなどの高糖質。
【質問⑫】ちなみに糖質ゼロではだめなの?
24時間レースで試したことがある。しかし130km地点で低血糖になり棄権。それ以来「糖質は脂肪を燃焼させるために必要」だと考えるようになる。低糖質生活を実施すると、糖質への依存度は下がる(糖質の依存度は普通の食事だと55%。しかし、15%まで下げられるという)。
【質問⑬】低血糖がおきた場合の対処方
体に糖が蓄えられている場所。(筋肉:大、血:極小5%、肝臓:中)血液の糖は少ない。なので低血糖は復活することが儘ある。低血糖になると叫ぶ。すると交感神経が優位になり、肝臓から糖が送られる。
【質問⑭】高脂質代謝へ変化させるコツは?
無補給で運動することが効果が高いと感じている。
以上です。
個人的には、レース中栄養を食べないことがものすごく楽だというのが響きました。IRONMANも6割以上の出場者が内臓系のトラブルを訴えているという話を以前聞きましたが、これの問題から開放されるとするとワクワクします。
#トライアスロン #ウルトラマラソン #低糖質 #脂質代謝 #エンデュランス
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