ピーン、
と 咲き誇ったあと、

くしゃっ、
と 枯れていくんだなぁと思った。

なんだか撮りたくなった。

ほんとは、思ったんだ。

なんで
みんなきれいに、
完璧に咲いている花を撮ろうとするんだろうって

ついつい撮りたくなる
きれいな花たち。

小さいものでも 「あ、なんかすきだ」
っていう花にもカメラを向けたりするんだけど

圧倒的に

撮られていたのは

ピーンと咲き誇っていた
チューリップで、

枯れていっている、

というよりは

一番ピカピカに光ってるような時期を

越えたチューリップには

カメラも目線も向けられていなくて。

素通り。

ああ、って。

なんか切なさがあって。

なんでだろうって
どういう心理なのかなとかって

思いながら

シュッとなった、

ポトっと落ちてる

花びらや茎だけのチューリップたちを
こっそり見てた。

「うわぁ、きれい」って

ぴーんって伸びてるチューリップは

見た瞬間から元気がもらえるからなのかな、

なんか、心が躍るからなのかな。

そんな気もするし、
事実でもあるんだけど。

ただ正直、

くしゃっとなったもう一つの顔も、

もっと花びらがシワシワになって

ボトボトって
土の上に落ちていた チューリップたちも

目を離せなかったんだ、ほんとうは。

むしろ、
とても気になったんだ。

ああ、
こうして咲いていくんだなぁって。

これもチューリップなんだなぁって。

このみんなに知られている
「チューリップ」
として咲いた後、

枯れた、っていう表現なんかも違う感じさえしちゃって。

「あなたもチューリップだよね、」って。

なんか、惹かれるんだよなぁ

#チューリップ #人生ではなく花生