齋藤友亨 Tomoyuki Saito

元ロシア国立ブリヤート歌劇場トランペット奏者/独ヴュルツブルク音大卒/逗子市出身/海外…

齋藤友亨 Tomoyuki Saito

元ロシア国立ブリヤート歌劇場トランペット奏者/独ヴュルツブルク音大卒/逗子市出身/海外生活について。音楽家のエッセイをまとめた共同マガジン「音楽と言葉」もやってます。blog 「しべりあげきじょう」 #ドイツ #留学 #ロシア#シベリア  #音楽家#海外生活#音楽と言葉

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    クラシックの音楽家たちによるエッセイ集。#音楽と言葉 ライター: 齋藤友亨(トランペット奏者) 副田真之介(オーボエ奏者) 馬場武蔵(指揮者) 出口大地(指揮者) 山口奏(チェロ奏者) 大田原瑶(声楽)

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日本人の子どもにクラシック音楽を学ばせると良いこと

ドイツやロシアにいた頃良く思ったのは なぜ西洋の伝統音楽をアジア人の自分達がある意味当然のように小学校で学んだり、多くの人がピアノを習ったりするんだろう ということだった。 日本の伝統芸術で外国で当然のように教育されるようなものはないし、なんなんだろう。 ドイツで聞かれた 「なんでトランペットは吹けるのに日本の楽器は一個もできないの?」ということ 確かにそもそも日本人なのになぜ西洋の伝統的な音楽をありがたがって自分の国の文化を蔑ろにしているのだろうと思った 学校でリコー

    • 音楽以外にやった仕事

      日本に帰ってくるまでの人生は、ほとんど音楽以外の仕事をしたことがなかった。 楽器を演奏してお金をもらう以外の仕事を今は色々としていて充実している。その例 ブロガー ブロガー留学時代にどうにかお金を稼ぎたくてブログをがんばっていた。月に数万PVいっていたし、結果的には100万以上は稼げたから、ブロガーだったとも言える。 海外にいると常に刺激的な生活で、どんどん色んなことを書きたくなった。毎日投稿100日以上したり、あくまで実名で自分の記事の中でのアフェリエイトだった。 ただ帰

      • バレエと日本舞踊と即興でつくる舞台「金閣寺」の解説

        金閣寺日々の忙しさにおおわれた心にふと晴れ間がさしたとき、子どもの頃にもっていたあの気持ちを思いだすことがある。それは、一枚の紙にただ耽るように描いた線、ことばにならない他愛もない思いつき・・・。  はっきりとは思い出せないけれど、そんなものがあったという感触だけはかすかに感じられる。あれから今日へと、そこには同じ時が流れているはずだが・・・、そう思った瞬間にその感触は手のひらからすり落ちる砂のように消えて幻になる。  金閣寺―活けられる花ー。  それは一つの苦悩する魂のト

        • 新作舞台「金閣寺」リハーサルを終えて

          5/6に逗子で バレエ×日本舞踊×即興室内楽で 「金閣寺」の舞台をやるために 長崎、鳥取から逗子まで来てもらいリハーサルをしていました。 金閣寺放火事件の犯人の心理を通して 「その人を生きる」がどういうことなのかを相反する身体操作であるバレエと日本舞踊で表現します。 放火犯は 「こういうものが美しい、これが正しい道、こうあるべき」という 世間や他人が創り出した虚構の価値観に縛られ、 その中で自分が優れた人間になりたいと願うものの、決してそれが叶わないことに絶望している とい

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          バレエと日本舞踊と即興で舞台をつくること、現代芸術の空白

          19歳の頃にベルリンに留学した時以来の友人である、ギタリスト作曲家の山下光鶴とともに、一から舞台作品を創作しそれを逗子で上演します。 彼は最も尊敬する同世代の音楽家で、ギターの超人的なテクニックはもちろんのこと 熟達した芸術的価値観、想像性を持っています。 今回は金閣寺放火事件を元に、完全にオリジナルの新たな作品をつくります。 ドイツに留学していた頃 「自分が東洋人として西洋音楽を学び、生業にする」ということに関してどこか疑問持つようになったことがあり 光鶴と議論を交わし

          バレエと日本舞踊と即興で舞台をつくること、現代芸術の空白

          自主公演を終えて 0歳からのバレエ

          気がつくともう年が明けてから1週間経っている。noteも知らない間にロゴが変わっていた。 今は古い日本家屋に住んでいるから毎朝凍えてストーブの前に立っていて、寒くてなかなか布団から出られない。 夏には完成する新しい家は断熱性も高いから、凍えてストーブの前に立つことはないだろう。それを心から望んではいるのだが、どこか寂しいような気がする。寒い寒いと言っていたことを懐かしく思う日がくる。 自分たちの主催公演が終わった。 Ensemble Classica Zushi 0歳から

          自主公演を終えて 0歳からのバレエ

          アナログな広報と葉山

          年末にコンサートをする。 ずっと自分達でやってみたかった「バレエの1つの作品を一からつくる」という壮大な企画だ。 バレエはオペラと同じように舞台装置、衣装、音楽家を必要とする総合芸術で、とても個人で作品を作るなんて不可能。 しかし今回ありがたいことにARTS for the Futere!という文化庁の支援に採択されこれらを製作することのできる予算を得られたことで遂に実現できる。 ロシアでは子どもも楽しめるような、短く明快なストーリーのバレエが頻繁に上演される。 それは

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          夜の鎌倉を散歩する

          鎌倉は散歩するにはとても良い町だ。家を出ればすぐに古い道があって鎌倉時代からの寺がいくらでもある。 駅まで行く時に何気なく通る本覚寺もとても整備されて美しい庭と門。ここは通路のようにみんなが当然のように通ってよく拝観料もない。 日常の中に長い歴史が溶け込んでおり、ここで生まれ育っていても、一度ドイツやロシアに行って帰ってきてみるとやはり良いところだと感じる。 朝に材木座海岸まで散歩をするのも良いが、鎌倉は夜に歩いても気持ちが良い。 いつものように山門を通ると、家族が記念写真

          夜の鎌倉を散歩する

          【逗子でバレエ】バレエの作品を一から作ること

          【逗子で本物のバレエを】 みなさんは生でプロが踊るバレエを観たことがありますか? 日本は世界で1番バレエ教室の数が多いと言われていますが、実際にプロの舞台を観る機会は多くありません。 バレエを習っていなかったらまず観に行くこともないでしょう。 バレエはクラシック音楽やオペラと同様に、とても敷居が高いイメージがあり チケットも高価なので興味はあってもなかなか足を運びづらいところがあります。 しかしバレエは「経済力のある大人が楽しむもの」であるべきではありません。もっと子どもた

          【逗子でバレエ】バレエの作品を一から作ること

          即興することと音楽 山下光鶴に学ぶ

          先日、ベルリンにいた頃20歳からの友人であるギタリストで作曲家の山下光鶴が長崎から鹿島に来てくれ、3泊4日を共に過ごした。 彼は本当に素晴らしいアーティストで、初めて出会った頃から既に成熟した考えを持っており最も尊敬する同世代の音楽家の1人だ。 ベルリンに住んでいた頃、sophie charlotte platzというU2沿いのところに住んでいて、彼も最寄りが同じだった。 当日19,20歳でドイツに来ていた同世代はほぼいなかったのもあり、よく一緒にコンサートを聴きにいったり

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          雨の日ほどきれいな花

          紫陽花を見ると日本を感じる。桜はヨーロッパでも人気でよく植えられているが、紫陽花を見たことはない。紫陽花は梅雨だからこそ育つという花なのだろうか。 ヨーロッパの6月には梅雨は来ず、そのまま夏になるため晴天率も高い。ジューンブライドと言われるのは1番気候がいいからだ(それだけで日本で6月に結婚式をあげるのは大変なこと) 鎌倉には庭や玄関先に紫陽花を植えている家が多いのだなと、花が咲き始めて初めて気がつく。葉だけをみて紫陽花だなと思うほど良く見て歩いているわけではないらしい。

          雨の日ほどきれいな花

          妻籠宿。高度経済成長の時代にこの街並みを保存した方々を本当に尊敬します。歴史ある木造建築は西洋の古い街並みとは別格の感動がある #写真好きな人と繋がりたい #fujifilm

          妻籠宿。高度経済成長の時代にこの街並みを保存した方々を本当に尊敬します。歴史ある木造建築は西洋の古い街並みとは別格の感動がある #写真好きな人と繋がりたい #fujifilm

          アルパカとのツーショット #八ヶ岳アルパカ牧場

          アルパカとのツーショット #八ヶ岳アルパカ牧場

          ビルを撮るおもしろさ

          高層ビルのような人工物の写真を撮って何が楽しいのだろう と思っていた。しかし実際にカメラを持って歩いてみると、ビルには、特に東京のビル群には独特なオーラがある。 特に日が暮れる頃になると色んなビルに陰影がついて、華やかだがどこか寂しげな雰囲気を放ってくる。 以前銀座で撮った時 高いところで夕陽が当たるとより立体感がでる。全くの人工物なのに自然にはない直線や立体が非現実的な雰囲気を出す 先日渋谷に行った時にすれ違った人が 「今日は全然人がいないねえ」と言った。東京には住め

          ビルを撮るおもしろさ

          ウクライナ人がシベリア送りにされてかわいそうと言う時、その土地を見下しているように感じる。 そこを故郷として愛して、誇りを持っている人たちがいるのに。強制移住は卑劣な行為だけど、だからといって誰かの故郷を侮辱して良いわけじゃない #ロシア

          ウクライナ人がシベリア送りにされてかわいそうと言う時、その土地を見下しているように感じる。 そこを故郷として愛して、誇りを持っている人たちがいるのに。強制移住は卑劣な行為だけど、だからといって誰かの故郷を侮辱して良いわけじゃない #ロシア

          朝の鎌倉を散歩する

          ドイツ人はよく散歩をする。散歩をすると思考が整理され精神に良いとのことだ。運動して痩せるということよりも、心の健康のために歩く。 ヘルマンヘッセの車輪の下のハンスもよく散歩をするし、大人に散歩をすすめられている。 最近読んだ本だと偉人達のルーティンには必ずと言っていいほど毎日決まった時間の散歩があったようだ。ベートーヴェンやチャイコフスキーも毎日散歩していたらしい。 何か考え事をしたりひらめきが必要な時、じっとして考えるより歩きながら考えた方がより新しい発想が生まれやすいとい

          朝の鎌倉を散歩する