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ラグビーワールドカップの「盛り上がり」をマーケティング・コミュニケーション視点から分析してみた。

この記事は、「データから見えるラグビーW杯の『盛り上がり』」と「ラグビーW杯『盛り上がり』の定性的分析」の二章からなります。W杯の感想ではなく、いちおうマーケター視点からの分析です。

第一章はデータや数値中心なので、そっち系にあんまり興味のない方は、第二章だけをお読みいただいてもよいかもしれません。お好きなようにお読みください。

この記事を書こうと思った動機は単純で、「一生に一度」の体験をした自分の記憶かつ記録として残しておきたくなったからです。言い換えれば、単なる個人的趣味です。結果として結構なボリュームになりました。個人的趣味なので長くてすいません(書きたいことや残しておきたいことを全部つめこんでしまいました)。

なお、僕は広告業界で働いているのですが、仕事ではラグビーW杯と全く関わっていません。ですから、これから書くことはあくまでも外部の一個人としての考察や分析です。また、文中のデータ類はすべて何らかの形で公表されているものです。

序・大会の目的の確認

今回のラグビーW杯、感覚的には「大成功」と言って良い盛り上がりを見せました。とはいえ何をもって「成功」と言いえるのかは、本来は大会の「目的」を踏まえて言わなければなりません。

大会の目的は、その実施主体である「公益財団法人 ラグビーワールドカップ2019組織委員会」の定款が、「日本・アジア並びに世界のラグビー競技の発展に寄与するとともに、この大会を通じて国際交流の促進を図り、大会の成功を期すること」となっていることからすると、ざっくり言えば「世界のラグビー競技の発展と国際交流の促進」という事なんだと思います。

もちろん、公益財団法人とはいえ損失を出さずに事業を完遂することも重要ですから、損益もイベントの「成功/失敗」を語る際の重要な要素です。

報道によれば、大会の実施においては、日本ラグビー協会が世界の統括団体であるワールドラグビーに9,600万ポンド(現在のレートで約134億円)を一種の“上納金”として支払う取り決めがあったとのことです。

最終的に組織委員会としての損益がどうなるのかは現時点で分かりません。原則的には日本側の収入はほぼチケット収入のみだという話もあり、仮に「全試合ほぼ完売」だったとしても、結果として“黒字”なのかについては組織委員会の発表を待ちたいと思います。

*11/11追記:以下の記事によると、組織委の募ったローカルスポンサー費については組織委の収入になるようですね。

*12/5追記:以下の日経新聞の記事(12/3-4掲載)によると、今大会のトータルの収支は“黒字”になりそうな状況のようですね。ざっくりでは総収入が650億円(チケット収入が350億円、協賛宝くじの売上100億円を含む各種公的資金が200億円超)。総支出は、会場整備費の180億円を含む大会運営費の約310億円やワールドラグビーへ支払う大会保証料の134億円などを合わせても、総収入を下回る模様。記事によると「10億円強を何らかの事業に投資できそう」とのことでした。


■第一章:データから見えるラグビーW杯の「盛り上がり」

テレビの視聴率、視聴者数と番組への露出

さて、ここからが本題です。

「競技の発展」が大会の目的であるならば、それにつながる競技の人気や普及が分かりやすく表れる現象が、大会の「盛り上がり感」だと思います。その「盛り上がり感」について、検証できる数字を見ていきます。

まずは地上波テレビ中継の視聴率です。ここでは、同じ自国開催で時差による放映時間の影響が少ない2002年のサッカーW杯(日韓大会)の視聴率と比較してみます。(データはすべてビデオリサーチ調べ、関東地区の世帯視聴率。数表は筆者作成)

2002年当時、すでにサッカーは人気競技でしたし、メディア環境も今とはだいぶ異なりますので(当然スマホはまだありません)、単純比較できない面も大きいのですが、それでも「国民的な盛り上がりの熱量」を比較する指標の一つにはなると思います。

まずは初戦。2019年のラグビー「日本×ロシア」は18.3%。2002年のサッカー「日本×ベルギー」は58.8%。マイナー競技であったラグビーとしては健闘している数字とも言えるものの、両者には非常に大きな差があります。ちなみに、この時のサッカー日本代表は、既に「海外組」であった中田英寿、稲本潤一、小野伸二らの「視聴率を稼げるタレント」が揃っていました。

ラグビー2戦目のアイルランド戦、この時点ではまだ19.4%と初戦と大きな差はありません。サッカー2戦目のロシア戦はなんと66.1%。単純計算で「3台に2台」のテレビにこの試合が映っていたことになります。wikipediaによればこの数字は「国内サッカー中継歴代1位、スポーツ全体でも1964年東京オリンピック女子バレー決勝日本対ソビエト連邦戦の66.8%に次ぐ歴代2位」とのことで、もの凄い数字です。

話は戻って、ラグビー3戦目のサモア戦。ここで数字が跳ね上がり、大台を超え32.8%を記録します。後述しますが、2戦目のアイルランド戦での勝利が大きく報道され、視聴者の関心を大きく高めたことが想像されます。

そして決勝トーナメント進出をかけた4戦目のスコットランド戦。台風19号の被害が大きく「ラグビーどころではなかった」方々も多かったと思いますが、ここで39.2%とほぼ40%まで達します。時間帯が異なるので単純比較はできませんが、グループリーグ突破を賭けたサッカーの3戦目チュニジア戦の45.5%に近いところまで来ています。

そして、決勝トーナメントの1回戦。ベスト4を賭けたラグビーの南アフリカ戦は日曜夜の放映で41.6%。ベスト8を賭けたサッカーのトルコ戦は平日夕方の放映で48.5%。まだまだ差があるとはいえ、元々の競技の人気度や選手の知名度などを考えれば、本大会におけるラグビーの大躍進ぶりが数字に表れていると思います。

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*11/5追記:発表された決勝戦の視聴率を数表に追記しました。2019年のラグビー決勝戦は20.5%、2002年のサッカー決勝戦は58.0%。ラグビーも健闘しているとは言え、やはり差が大きいですね。2002年の決勝戦は「ドイツのGKオリバー・カーン対ブラジルの3R(ロナウド、リバウド、ロナウジーニョ)といった分かりやすい構図もあって、視聴率的にもこの数字をたたき出していたのだと思います。

なお、テレビの視聴率については、下のリンクの記事にも詳しいのでご参考まで。

以下はビデオリサーチの2002年の視聴率データです。

過去のサッカーW杯の視聴率の経年推移については、以下のブログ記事に詳しいのでご参考まで(2010年頃までの分ですが)。

*11/29追記:以下の記事のリンクを追加しました。


また、視聴率ではなく視聴者数という数字も、ビデオリサーチ社が推計して発表しています。これは「日本テレビ系、NHK総合、NHK BS1で生中継が放送された1次リーグの日本戦4試合について」の機械式調査からの推計で、それによると7,903万人が中継を見たことになるそうです。念のために付記すると、これは「4才以上における1分以上の番組視聴を"見た"」人のカウントで「のべ人数」ではなく「ユニーク視聴数」とのこと。まさに日本全体の4人に3人くらいが中継を見たことになるようですね。

なお、2018年のサッカーW杯ロシア大会についても同様の発表があったので比較のために見てみると、「日本代表戦テレビ生中継4試合日本全国で推計約8,014万人が見た」とのこと。時差のために24時台や午前3時台などの放映だったので単純比較はできませんが、そこに目をつぶって数字だけを比べると、2018年のサッカーW杯とほぼ同数の人がリアルタイムで「試合中継を見た」ことになるようです。


続いて、視聴率とは別の面で、ラグビー日本代表チームのテレビへの露出(番組への登場)の状況についてデータを見てみます。

エム・データという会社が、テレビで放映された「内容」をメタデータ化して集計分析しており、それをもとに「ラグビーワールドカップ!TV で話題になった日本代表選手ランキング」として発表しています(開幕から南ア戦後までの期間にテレビの報道番組やワイドショーで放映された時間の集計です)。

そのデータによると、もっとも長い時間露出(放映)されたのは、5トライを決めた松島幸太朗選手で20時間32分

2位は、スタンドオフとしてチームを牽引した田村優選手で18時間 44分

3位は、今大会で4トライを決めた福岡堅樹選手で15時間46分

これと比較できる対象は無いかなと探したら、2年前のリオ五輪での「話題になった選手ランキング」というのがありました。

それをみると、1位は体操の内村選手で32時間10分。2位は同じく体操の白井選手で25時間31分、3位は卓球の福原選手で24時間46分

もちろん、競技数も選手数も多くかつ実施期間がラグビーW杯より短いオリンピックとの単純比較はできませんが、1位の松島選手の20時間32分をリオ大会のランキングにそのまま入れると第5位に位置付けられる長さです。テレビでの露出時間の点でも、今大会出場の選手たちの大躍進ぶりが分かると思います。


リアルで感じるファンゾーンの盛り上がり

今大会においては、「ファンゾーン」がその盛り上がりに大きく貢献したように思えます。その具体的な考察は後述しますが、ここではその数値を整理しておきます。

ラグビーW杯のファンゾーンとは、統括団体(ワールドラグビー)が、ゲーム開催地の地方自治体に設置を義務付ける「パブリック・ビューイング、飲食、物販、各種アトラクション等が実施される入場無料のイベント・スペース」のことです(詳細まで調べてはいませんがサッカーのW杯でも同様の施策が実施されています)。

このファンゾーンの入場者数について、大会の準決勝を終えた時点で「2015年の前大会を超えた」との報道がありました。

準決勝・イングランド―ニュージーランド戦により、全国16カ所に設けられたファンゾーンの累計入場者数が102万4000人に達したと発表した。これは過去最多だった15年イングランド大会を2万人更新する新記録で、27日の準決勝・ウェールズ―南アフリカ戦など3試合を残しての記録更新となった。

前回のイングランド大会のファンゾーンは、総務省地域力創造グループ地域振興室の資料によれば「試合開催のあった11都市に加え、ファン・ゾーンのみ開催したラグビー市を含め、計12都市で15会場のファン・ゾーンが開催された」とのことです。同資料によれば、総収容人数は108,000人。

対して、以下にリンクした大会公式サイトの記事によれば、今回の日本大会で実施されたファンゾーンは12都市16会場で、全会場合計の総収容人数は約7万人とのこと。

会場によって開催日数も異なるのでこれも単純比較はできないのですが、もともとラグビーの母国でありラグビー人気の高いイングランドと比較し、会場の総収容人数が少ないにも関わらず、決勝戦を残してイングランド大会の入場者数を超えたというのは、やはり凄い数字だと思います。

*11/4追記:ファンゾーンへの入場者数については「大会中の入場者数は約113万7千人(速報値)」との発表がありました。


総入場者数にみる盛り上がり

続いて、総入場者数に関する数字を見てみましょう。ここでも自国開催の2002年サッカーW杯と比較してみます。

最初に確認しておくと、2002年のサッカーも今年のラグビーも、基本的には「全試合のチケットがほぼ完売」とアナウンスされています。ですから、この点での両者の比較はあまり意味がありません。(wikipediaによると2002年の大会では「チケット・空席問題」というのもあったようですが、本稿の趣旨とは無関係なのでここでは触れません)

基本的な数字を整理しておくと、2002年サッカーW杯は、日本国内では10会場32試合、総入場者数143万8,637人1試合平均約4.5万人)。(Source: https://www.jtb.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/report2004_4-2.pdf )

2019年ラグビーW杯は、日本国内では12会場で48試合。総入場者数については、プール戦37試合(台風19号によって中止となった3試合を除く)終了の時点で総入場者数128万人を超え、1試合の平均は34,596人を記録したとのこと。

なお、決勝戦終了後の公式ツイッターによれば、「最多来場者数の新記録70,103人。横浜国際総合競技場におけるスポーツイベントの記録は、2002 FIFAワールドカップ決勝戦の69,029人。ラグビーワールドカップ2019決勝戦が本日更新しました。」とのことでした。

ただし、入場者数についてはもちろんインバウンドの数字も含まれますし、いわゆる「コアファン」による複数試合観戦も多いでしょうから「国民全体での盛り上がり」と必ずしも直接リンクはしないかもしれません。

とはいえ、2009年の大会招致決定時点では「スタジアムが空席だらけだったらどうしよう」という悲観論もけっこうありましたので、それを考えるとまさにアメージングな結果だといっても良いように思います。

*11/4追記:入場者数については「今大会期間を通じての観客動員数は延べ170万4443人、1試合の平均観客数は3万7877人」、「チケットの販売数は、最終的に約185万3000枚を販売可能席とし、約184万枚(販売率は約99.3%:中止の3試合を含む)」との発表がありました。

ジャージーからビールまで、関連消費の盛り上がり

また、各国のジャージーやオフィシャルグッズ等の物販、飲食に関しても大きな伸びを見せているようです。

日本代表の「桜のジャージー」については、販売価格で10,000円を超えるにもかかわらず20万着が完売状態とのこと。オフィシャルグッズもアイルランド戦以降は棚がスカスカになるほど売れまくっているようです。ただし、サッカー日本代表のユニフォームは、2002年の販売枚数が60万枚とも100万枚とも言われているようで、それと比べるとまだまだ小さい数字です。

次に、少し変わり種の記事ではビールの消費について。「英国式パブを全国展開するハブは、9月の全店舗の売上高は前年同月比126.6%、客数同121.3%」、「ハイネケンの9月の販売量は前年比3.4倍、(イングランドやアイルランドのスポンサーの)ギネスは5割増だった」との記事がありました。W杯開幕は9月20日ですから、短期間で凄い効果です。

ネット&SNSでの盛り上がり

さて、これまた「盛り上がり感」を日常的に感じられるネットやSNS。まずは、最もベーシックな数字としてGoogleトレンドでの「ラグビー」の検索数を見てみます。

下は、9/1~10/31までの「ラグビー」の検索数です。小さくて見え難いですが、それぞれ大きな山になっている箇所が日本代表の試合のあった日で、左からロシア戦、アイルランド戦、サモア戦、スコットランド戦、南アフリカ戦です。Googleトレンドのグラフに表示される指数としては「 52 → 68 → 73 → 99 → 100 」となっています。

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ちなみに、上の折れ線グラフが始まってすぐにちょっとだけ数値が上がっている箇所はW杯開会2週間前の9月6日、熊谷ラグビー場でウォームアップマッチとして行われた日本×南アフリカ戦の日です。Googleトレンドの指数は「9」。

さらに言うと、この試合のテレビの視聴率は6.5%でした。日曜日の19時という時間帯の割にはあまり良い数字とは言えませんが、この6.5%が「ラグビーの固定ファン」層による最大値だったのでしょう。

なお、ちょっと遊び半分ですが、9月6日のウォームアップマッチからW杯決勝トーナメントの南ア戦までのGoogle検索の動きとテレビの視聴率の推移を折れ線グラフで比較してみました。それが下のグラフで、青がGoogle検索、赤がテレビの視聴率です。

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テレビの視聴率が第3戦のサモア戦で急激に伸びたのと比べると、Google検索数は、テレビの視聴率よりも早いタイミングでW杯初戦のロシア戦から上昇を開始し、アイルランド戦、サモア戦と順調に上昇を続け、スコットランド戦と南アフリカ戦の2試合でピークを迎えています。こうした動きの違いは、テレビ視聴者とネットユーザーの情報感度の差かもしれません。

さて、次はSNSでの投稿や拡散の状況についてです。既にまとめてくれている方々がいらして、以下にリンクした記事にいくつかの数字が出ています。各記事から引用すると、

●国内公式ツイッターのフォロワー数は大会直前と比較して増加率231%約10万人から23万人に増加)

●カナダ代表が釜石市でボランティア活動をした写真は13万リツイートを記録し1,300万人に閲覧された。

●期間中に「ラグビー」というキーワードが入ったツイートは280万回を超えた。

等といったことが言えるようです(詳しくは以下の引用文またはリンク先記事を参照ください)。

なお、本稿執筆時点で、ラグビーW杯の公式ツイッターのフォロワー数は27.4万人まで伸びていました。この数字を他のスポーツと比較すると、サッカーJリーグ公式が53.6万人、NPB(プロ野球)が40万人、近年のスポーツビジネスにおいてデジタルマーケティングの成功例として取り上げられることの多いバスケットボールのBリーグが24.7万人でした。

期間限定のW杯の公式ツイッターと他競技のリーグのそれとは、そもそもの役割や立ち位置が違いますから単純比較にあまり意味がないとはいえ、やはり大した数字だと思います。

ちなみに、それぞれの大会の時期が異なるのであくまで参考ですが、高視聴率を毎年たたき出す箱根駅伝の「番組公式ツイッター」は9.3万人、「Tokyo 2020」公式は33万人でした。ついでに言うと、ラグビーのトップリーグ公式は3.8万人なのでここから頑張ってほしいところですね。(数値はいずれも2019年11月3日時点)

以下は、各記事からの引用・抜粋です。

組織委が15日に公表した資料によると、国内の公式SNSのフォロワー数は、大会開幕直前と比較して、ツイッターで増加率231%(9万9769フォロワーから23万406フォロワー)に急増。日本語のツイッターアカウントだけで、開幕からの期間中の投稿を合計すると、3億4000万以上のインプレッション(表示回数)を記録した。
主だった投稿としては、釜石の試合が中止発表された数時間後にカナダ代表チームがボランティア活動をしている様子の写真について、同アカウントとして過去最高の13万リツイートを記録し、1300万人の閲覧につながった。また、9月28日に行われた日本ーアイルランド戦の試合後に投稿した動画は410万回再生をマークした。
組織委が委託する外部調査会社の調べによると、一般のツイッター投稿を含めると、期間中に「ラグビー」というキーワードが入った投稿は、280万回を超えたというデータがある。
また、大会公式ユーチューブで配信している大会映像は、開幕からの10日間(9月20日~29日)だけで、前回大会の期間合計(2015年9月18日~10月31日)再生時間を上回った。
開幕から最初の2週間で、ラグビーワールドカップのソーシャルチャンネルの視聴数が6億4500万回を記録した。これは2015年の前回大会と比べると、9倍を超える。
施策に対するファンとの「つながり」「関与度」を表すエンゲージメントの数値も、前回大会の2.6%から4.6%にアップした。例えば、指標の一つであるラグビーワールドカップ公式アプリの最初の2週間の画面表示回数は9600万回で、前回大会のほぼ2倍だった。
プール戦の期間中だけでも、「ラグビー」というキーワードが入った投稿が、280万回以上され、延べで82億以上の表示がされていたというデータがあるそうです。

*11/15追記:こちらの記事にはツイッターに関する動向が掲載されていましたので追記します。9/1~10/17までのラグビーに関するツイート数の推移グラフもアップされていました。以下に一部引用します。

9月20日の日本vsロシア戦でツイート数が急上昇。日本が史上初の決勝トーナメント進出を決めた10月13日のスコットランド戦では、その日だけで100万件近い関連ツイートがあった。
今回特徴的だったのが、ラグビーに詳しいと思われる人から、ちょっとしたルール解説や楽しみ方を提示してあげるようなツイートが数多く見られたこと。コアファンがにわかファンを軽視するのではなく、『みんなで一緒に一大イベントを楽しもう』というように、Twitter上で自発的にコミュニケーションをとっていたこともTwitter上でラグビーの話題が盛り上がった要因の1つと考えられます

*補足

①ラグビーについてのアンケート調査

大会期間中のラグビーに関する意識の変化などを調べたアンケートが複数社から公表されていましたので、参考までリンクを貼っておきます。

下のカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の調査によると、「ラグビーに興味がある人は全体の4割、男性50~60代では6割に」「W杯開催で『興味を持った人』は3割。4割がテレビでW杯を観戦した」等の結果が出ているようです。

*12/4追記:産業能率大学スポーツマネジメント研究所から「ラグビーW 杯日本大会に関する意識調査」が発表されていましたのでリンクを追加します。

②日経の「2019年ヒット商品」4位に選出

11/5付けの報道によると、日経トレンディと日経クロストレンドが発表した「2019年ヒット商品ベスト30」の第4位に「ラグビーW杯2019日本大会」が選ばれました。

*12/4追記:SMBCコンサルティングの2019年ヒット商品番付で「西の横綱にラグビー日本代表」が、日経グループの日経MJヒット商品番付で「東の横綱にラグビーワールドW杯」が、それぞれ選出されていましたので以下のリンクを追加しました。


■第二章:ラグビーW杯「盛り上がり」の定性的分

さて、ここから第二章です。ラグビーW杯が、なぜこれだけ盛り上がったのかについて、僕なりに定性的な分析を試みます。

はじめに結論をざっくりと言うと、「盛り上がった要因」は概ね次の3点だと考えています。まずは当たり前ですが「競技本来の本質的な魅力」。そして「期せずして生まれたW杯のストーリー」。次に「精緻にデザインされたマーケティング・コミュニケーション」。それぞれについて説明します。 

① 競技本来の本質的魅力

まずは、ラグビーという「競技」が、本来的に有している魅力です。いろいろあると思いますが、今回のW杯の状況を観察していて、特に「盛り上がりに貢献した」と思われる魅力を3つ挙げてみます。

ボールゲームの面白さと、肉体のぶつかり合う迫力のハイブリッド性

得点を奪い合うボールゲームの面白さと、生身の肉体同士が激しくぶつかり合う迫力による興奮。この2つの掛け合わせがラグビーの独自の魅力。特に「複数-対-複数」のぶつかり合いはラグビー以外の競技ではあまり見られない特徴だと思います。

マーケティング・コミュニケーションの視点から言えば、「ぶつかり合い(コンタクト)」のシーンは動画でも静止画でも「画(え)になる」シーンとなりやすく、競技の魅力をビジュアルで訴求するのに適した特徴だと言えると思います。

応援の熱狂度を増幅する、「得点機」の長さ(秒数)

ボールゲーム(球技)のほとんどは「得点」を競い合うゲームです。そして、その応援の際に最も興奮し盛り上がるのは「得点機=得点の入りそうな場面」でしょう。

 ラグビーは、この「得点機」の長さ(秒数)が、他のボールゲームよりも長い点が特徴の一つだと思います。

 映像を見ながらストップウオッチで測ってみたところ、アイルランド戦の最後に福岡選手が50~60mくらい疾走した(結果的にはトライまでいかなかった)シーンは約7.5秒。サモア戦でラインアウトからモールを形成して姫野選手がトライしたシーンでは、モール形成からトライまでが約8秒。

 その間、多くの観衆は「行け ー ー ー ー ー ー ー ー ー !!!」と叫び続けていたことと思います。

単なる「観戦」ではなく、チームへの思い入れを伴う「応援」の熱量が多ければ多いほど、この「得点機の絶叫」のテンションは上がり、興奮は増幅されます。ナショナルチーム同士の戦いであるW杯において、この得点機の「8秒の絶叫」が、「ラグビー応援体験」のコアの魅力として多くの人に伝わったような気がしています。

そして、これをマーケティングの言葉でいえば、この「8秒の絶叫」がラグビーの「ブランド・エクスペリエンス」のコアであり、「Moment Of Truth(決定的瞬間)」なんじゃないかなと思っています。

そして、ここまで書いて思ったのですが、そういえばNHKのラグビー中継のキーコピーは「絶叫の準備は、いいか。」でした。このコピーも、ラグビー観戦の魅力のエッセンスをうまく表現した良いコピーだったと思います。

なお、この点については別途以下のnoteでもまとめていますのでよろしければご参照ください。

「精神性」(Rugby Spirit)

日本でよく言われる「ノーサイド精神」「紳士のスポーツ」に加え、「リスペクト」「献身性」「自己犠牲」など、ラグビーに内在する高潔な精神性。ラグビー・スピリット。

こうした「精神性」は他競技にも無いわけではないのですが、ラグビーにおいて特に色濃くカルチャーとして根付いていることもまた事実であり、競技自体や選手個人への共感や好意の形成に大いに役立ったと思います。

今大会でもっとも象徴的だったのは、岩手県釜石での試合が台風19号で中止になった後の、カナダ代表チームやナミビア代表チームの振舞いでしょう。特にカナダ代表チームの台風被害後のボランティア活動はツイッターでも多くの人に拡散され、マスメディアでも大きく報道されました。その中で選手自身が「これもラグビー・スピリットです」と当たり前のように語っているシーンがあり、非常に印象的なシーンでした。

こちらについてもマーケティング・コミュニケーションの視点から言えば、(上述のボランティアのシーンは相当にイレギュラーな状況下での特殊なシーンですが)通常の試合中継などにおいても、ノーサイド後のスタジアムでの選手同士の抱擁や花道、ロッカールームでの握手や謝罪など「画(え)になる」シーンが多く、かつテキストとして仕立てやすい(ストーリー化がしやすい)ことからも、SNSや報道で取り上げやすかったという一面があると思います。

*11/7追記:上記の「ラグビー・スピリットです」と語っているシーンを公式映像の中に見つけましたので、以下にリンクします。動画の最後の部分、1分34秒あたりからです。たぶんジョシュ・ラーセン選手だと思います。テキストに起こすとだいたいこんな感じでした。
“This tournament showcased the values of rugby and stuff alike, I’m sure every team would be out here if they were here in our position helping, so no different to everyone else, it’s part of the rugby spirit – just get on…help out and get on on things”
「今回の大会も変わらずラグビーで大事にしているものとかを皆にみせられた大会になった。他のどのチームも、我々と同じような状況でここにいたら、みんな同じように手助けしてたとおもうから、他のチームと変わらないよ(自分たちだけが偉いとかではないよ)。みんなで助け合って次に進んでいくのもラグビースピリットの一部だから。」(文字おこしと翻訳は筆者の知人に頼みましたが文責は筆者自身にあります)


それから、やや蛇足気味に説明するならば、競技中の「献身性」についてもラグビーは他のチームスポーツと比べて「目に見えて分かりやすい」構造があります。それは「我が身を投げだして相手にぶつかる」というシーンです。上述した「ぶつかり合いの迫力」と、目に見える「シーン」は同じでも、そこの文脈(意味)が異なってきます。

例えば相撲やボクシングなどの個人競技である格闘技においては、「迫力」は感じても、この「献身性」を感じることは基本的にはありません。

少しわかりにくいかもしれませんが、プロ野球のジャイアンツの原監督がW杯前にリーチマイケル選手に向けて、「ラグビーは人を泣かせるスポーツだよね」との言葉を伝えています。これは、ラグビーの魅力の本質をシンプルながら見事に表現した言葉だと思います。なぜラグビーが「泣ける」かというと、僕の解釈では、それこそがこの「目に見える献身性」だと思っています。僕たち観客は、選手たちが身体を激しくぶつけ合う姿に「チームへの、仲間への献身性」を見ているということです。

さらに屋上屋を重ねることになってしまいますが、別項でリンクを貼った「ほぼ日」の記事中で、糸井重里さんがこんなエピソードを語っていました。(後述リンク記事の「第6回」より)

糸井さんが五郎丸選手に「ラグビーって恐くないですか?」と聞いた時のこと。五郎丸選手の答えが「恐いです。チームの一員だからやっているけれど、ひとりで格闘技の試合をするとしたら絶対に出られない」とのことだったそうです。これも、あの激しいぶつかり合いの根底に「チームへの献身性」があることを感じさせる、プレイヤー視点ならではの素晴らしい表現だと思います。

② 期せずして生まれたW杯の「ストーリー」

ここでいう「ストーリー」とは、「登場人物がいて、その人物に何らかの背景があって、時間の流れの中で物事が進んでいくこと」くらいの意味です。

W杯の1試合の中で、あるいは大会期間中に、あるいは4年前から今大会まで。様々な登場人物による様々な「ストーリー」が期せずして生まれ、メディアやSNSを通して伝わっていったのが、今回のW杯だったと思います。

 その中で、特に盛り上がりに貢献したと思われる「ストーリー」をあげてみます。

「日本代表チームが、世界ランキング2位に大金星」というストーリー

前章で「第2戦のアイルランド戦の勝利報道から、サモア戦の視聴率が跳ね上がった」と書きました。この事からも明らかなように、やはりこの「金星」が大きな分岐点だったと思います。

単に「決勝トーナメント進出に向けて2戦目に勝った」という事以上に、「世界ランキング2位に勝った」というストーリーが、それまでにラグビーW杯にあまり興味のなかった層を振り向かせるポイントだったんだと思います。

もしもアイルランドがあの時点で「7~8位」くらいだったら、あの時の盛り上がりの温度はもうちょっと低かったような気がします。「世界2位」という事実が、ストーリーを際立たせる分かりやすい「記号」として、タイミングよく作用したように思います。

「外国出身選手と日本出身選手がワンチームで戦う」というストーリー

これは、スポーツ界だけの話を超えて、「分断化」が懸念されている日本社会全体にとって非常に重要なメッセージを含んでいました。それ故に強いストーリーとして受け入れられたんだと思います。実際に、そうした論調の記事やコラムも大会期間中に多くみられました。

そして、そのストーリーの象徴(あるいは主役)は、もちろんキャプテンのリーチマイケル選手。

「外国籍の選手が日本代表なんて変」という声は、今大会を通じてだいぶ少なくなり、むしろ「国籍や民族、出身国の違いを超えて一つの目的のためにまとまること」のポジティブな意義が多くの人たちから言われるようになりました。

このことも、今回のW杯の注目や関心の高まり、あるいは日本代表チームへの共感や好意に、大きく影響していたように思います。

「どん底の歴史から、必死の努力で8強に這い上がる」というストーリー

3つ目は日本のラグビー史をベースにした20年以上に及ぶ「ストーリー」です。1995年、第3回W杯で日本代表はオールブラックスに145対17で大敗しました。

W杯の歴史の中で、前大会の2015年に南アフリカから歴史に残る勝利をあげるまで、日本はW杯で1勝しかしていませんでした。そこにはもちろん体格的なハンディも大きく影響していました。そんな日本がとうとうベスト8に手が届きそうだ、というストーリーです。

「どん底から必死の努力で這い上がる」というと、フィクションの世界では定番的な立志伝中のストーリーかもしれませんが、それがいま自分の目の前でリアルに起こっていて、しかも世界的なスポーツイベントであるということ。

こんなことは、なかなかありません。この事実(歴史)を知ることで、多くの人は日本代表チームへの共感や自己投影の感情が強まっただろうと思います。

③ 精緻にデザインされた
マーケティング・コミュニケーション

最後は、マーケティング・コミュニケーション(ここでは広義の広告や広報の意)の方法や技術についてです。僕が個人的に「これは凄いな、上手だな」と感じたことをいくつか厳選して挙げてみます。

見事な大会キャッチコピー、「4年に一度じゃない。一生に一度だ。」

これは掛け値なしに名コピーだと思います。ラグビーW杯を知らない人にも、ストレートにその価値(ポジショニング)を伝えます。

つまり、「オリンピックやサッカーのW杯と同列に並ぶ位置づけの大会だ」ということ、「少しでも興味があるなら、体験しておくべきイベントだ」ということ(こっちは専門的にはプロポジションと言います)を、誰にでもわかるシンプルな言葉でコピーにしているという事です。しかも見事に韻まで踏んでいます。

さらに言えば、よい意味で消費者の「財布のひも」を緩める力をもっています。「一生に一度だ」ということが、普段以上にお金を払う事に対する「自分への言い訳」として強く機能します。

もちろん、このコピーがラグビーという競技やW杯の「魅力のすべてを」を伝えているわけではありませんが(もちろんそんな必要はまったくないので)、大会を象徴する一本のキャッチコピーとして、ほんとに見事だと思います。

ちなみに、考案者のコピーライターの方についての記事はこちら。日本代表の山中選手の早稲田ラグビー部の同期だそうです。

新参ファンの爆増に一役買った、「にわかファン」というネーミング

 盛り上がりに最も大きく作用したのは、ひょっとしたら上のキャッチコピーよりもこちらかもしれません。新参者のファンを表す「にわかファン」という呼び名。このネーミングによって「にわかファン」というクラスターが世の中に認知され、広く浸透しました。

ご存知の方も多いと思いますが、そもそもの「言い出しっぺ」は糸井重里さんです。ご自身が4年前のW杯からラグビーの「NIWAKA=にわかファン」だと自称されていました。

この「にわかファン」については、解説の必要もないかもしれませんね。このネーミングが、今大会を機にラグビーに興味を持った方々がそれを気楽に表明できる環境を作ってくれました。多くの著名な方々が、ラグビーへの興味や好意を「にわかですが」と前置きしたうえで口に出してくれていて、このムーブメントがより増幅されたと思います。

そして、今大会でラグビーに興味を持った方が、この分かりやすい名称があることで、自分自身を「にわかファン」だと自己認識(アイデンティファイ)出来るようになったことも、「にわかファン」の増加につながったと思います。

一般論になりますが、クラスターに良いネーミングがあることはとても大事なことで、それによってそのクラスターは増加しやすくなります。「仲間に入りやすくなる」と言い換えてもいいかもしれません。古くは「オタク」や「鉄っちゃん」、最近だと「カープ女子」などは好例です。

ついでに言うと、少し論点が変わりますが、日本サッカー協会が「草の根からトップまでのサッカーに関わる人々全て」を以前から「サッカー・ファミリー」と名前をつけて呼んでいました。僕はこれも、「サッカー界全体の一体感を強める、とても上手なコミュニケーション手法だな」と思っていたのですが、この「にわかファン」も、それと同レベルのとても優れたコミュニケーション手法だったと思います。

糸井さんとラグビーの関わりについては、こちらのサンドウィッチマンさんとの対談記事が面白いです。

盛り上がりの視覚的な象徴、ファンゾーン

3つ目は全国16会場、のべ113万人以上を集めた「ファンゾーン」の展開です。その設置は試合を開催する自治体の義務ではあったのですが、非常にうまくマーケティング・コミュニケーションに活用されていたと思います。

まずは、スタジアムまでは行けない多くのファン(前述のにわかファンを多く含む)が、ここでラグビーW杯の「盛り上がり」を周囲の人々と一体となって体感し、SNSや口コミで情報を拡散する拠点になっていました。

そして、マスメディアでの「盛り上がり感」の拡散においてもファンゾーンは大きな役割を果たしました。「広報・PR」の基本なのですが、「画(え)になりやすい、具体的な場所」があることは、特にテレビの報道や情報番組で取り上げてもらうための必須の条件になります。その役割を、各地のファンゾーンがしっかり果たしていたと思います。

放送されたのは横浜のファンゾーンが多かったと思いますが、リアルな「盛り上がりの現場」が繰り返し中継映像で伝えられ、「自分も行ってみよう、このムーブメントに参加してみよう」という気持ちを刺激された方も多かったと思います。

複数のラグビーの魅力を、的確かつ迅速に届けた公式SNS。

さて、マーケティング・コミュニケーションの最後はSNSです。これも既に多くの方が称賛されていますが、ほんとに素晴らしかったですね。

特に「盛り上がり」に貢献したのは、公式ツイッターだと思います。ツイート内容やリツイートの選球眼、その反応スピードは、台風被害への対応なども含めて、今大会のマーケティング・コミュニケーション施策の中でもMVP級だったと言えると思います。

役割としては、基本的には「ラグビーをあまり知らないエントリー層(にわか含む)」にも分かる内容の情報発信に徹し、たとえば、次のような項目を意識していたんじゃないかなと推測します。

・ベースになるゲーム結果やハイライト動画
・観衆や街中の人々の「盛り上がり」の臨場感を伝えるシーンやエピソード
・ラグビーの「精神性」を象徴するシーンやエピソード
・ホスト国(日本)への海外(選手やツーリスト、メディア)からの称賛
・影響力のある著名人のラグビー関連ツイートのリツイート

定量的な分析はしていないので単なる感覚的なものですが、上に挙げた中では「ラグビーの精神性」と「ホスト国(日本)への海外からの称賛」が、リツイートやエンゲージメントの数値が良かったんじゃないかなと推測します。

本稿では直接触れていませんが、各国の国家を歌って出場国の人々をおもてなししようという「スクラムユニゾン」についても、それが「ラグビー精神」の表れであり、(結果として)「ホスト国への称賛」が得られる活動であった点が、その広がりの根底にあったような気がします。

とまあ、このあたりを分析していくと社会学的にもとても興味深いテーマになりそうですが、本稿の守備範囲ではないのでこの辺までにしておきます。

ツイッターの話に戻りますが、おそらくは、基本方針として上に並べたような重視項目が10項目くらいあって、それに基づいて日々ツイッターを運用していたんだろうと思います。

こうやって後付けで分析するのは簡単ですが、これを(大会期間だけだとしても)40日以上クオリティを維持して継続するのは、なかなかできることではありません。ほんとに素晴らしいパフォーマンスだったと感服します。

以下、SNSについて。下のリンク記事からの引用です。

投稿にも仕掛けや工夫がみえる。日本の勝利に関するものはもちろんだが、日本の試合だけでなく各国の情報なども逐一伝えてくれているため、様々な角度からラグビーW杯を知ることが出来る。様々な切り口や情報を投稿していくことで更なる拡散が期待できるというわけだ。
また投稿のテンポも早く、著名人などのツイートも迅速にリツイートすることでより多くの人の目に留まる機会づくりを行っていることが分かる。大会開幕から約1か月で(10月20日まで)で合計1,978もの投稿をしており、リアルタイムでの投稿は人の行動に直接訴えかけるものがあると感じた。

*11/7追記:以下のnoteにラグビーW杯公式SNSのご担当者の方に取材をした記事がありましたのでリンクしておきます。「日本語の公式アカウントの運用担当は4人」だったなど、驚くような事実が語られています。


結びに変えて

ということで、やっと終わりです。もしも最初から最後まで読んでいただいた方がいらっしゃったら、お疲れさまでした。僕の「個人的趣味」にお付き合いいただき、ありがとうございました。

そして、最後になりましたが、W杯2019の組織委員会の皆さん、日本代表チーム関係者の皆さん、「一生に一度」のほんとうに素敵な44日間の体験を、ありがとうございました。この場を借りてお礼申しあげます。

(了)

*この記事は初回公開後も新たなリンクや内容の追記及び誤記の修正などを行う場合があります。現在の記事は2019年12月5日時点の最新版です。

** 以下に2020年6月24日付けの記事を追記します。大会の経済効果や成果についての多様な数字が掲載されている集大成的な記事です。(2020.6.30)


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