夏休みお悩み相談室

 八月二十一日(日)大沢

 隣の砂原少年がベッドに座り込み、昼間から深刻な表情で唸っていた。「どうした、少年」と尋ねると、しばらくの沈黙の後、「もし友達が学生時代にいじめられていて、何年も経ってから復讐すると言い出したら、どうするか」と質問された。

 「助けるね」

 「助けるって、その復讐をですか」

 「場合によっては」

 「時と場合って、下手したら傷害罪とかで捕まるかも知れないんですよ。やめさせるのが友達じゃないんですか」

 「その復讐を手伝った方がいいと思うなら、捕まる覚悟で一緒にやるし、殴ってでも止めた方がいいなら止めるし。思いを遂げさせることがいいのか、留めさせるのがいいのか。友達だったらそこを見極めて、助けるだろ」

 少し考えるような表情の後に、少年がうなずいた。

 「そうですよね、それが友達ですよね」

 「大丈夫だよ、まだ未成年だろ」

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