#67 家電は値引きしない時代に!購入時に注意すべき絶対ポイント
先日、読売新聞に、このような記事が出ました。
この記事を見るまでパナソニックがそういった戦略をとっていることを、恥ずかしながら知りませんでした。なんと2020年から徐々に拡大を続けているそうです。主力の製品、例えばナノケアのドライヤー。使ってる方、多いと思うのですが、こういった主力製品に対して適用していき、ラインナップを増やしているそうです。
毎年”新商品”を出すのは値崩れ防止のためだった
こうした商品は、大体1年ぐらいのサイクルでどんどん新しいものが出てくるんですよね。
ドライヤーもそうですし、AV機器もそうですし、皆さんがおそらく日常使っているものほとんどが、1年サイクルです。なぜ1年ごとに出てくるのかというと、値崩れを防ぐためだったわけです。
つまり商品が出ますよね、どんどん値段が落ちていきますよね、時間を経るに従って。で、価格を再びリセットするためには新商品を出すしかない。ということで、以前出した商品に少し新しい機能をつけて、ちょっとしたバージョンアップ版として出す。するとまた再び新品の高い価格で出せる。これを繰り返しているわけです。
でも、こうすることでメーカー側にとって何が負担かというと、抜本的な、ものすごくドラスティックな新商品を出すための研究期間が設けられない。1年ごとに常に何かちっちゃなアップデートをちょこっとするにとどまる。これだと“いわゆる新商品”が出しづらいと。
確かに、これを言われるまで気がつきませんでした。
日本の家電は、こういうサイクルなんだと思って僕は受け入れていました。僕はいつも、この程度の機能のアップデートだったら、値崩れ起こした前の製品の最高機種がいいな、と思い買っていました。
しかし、もう値引きはしない。
買う側の労力も省けると言う主張
パナソニック側の主張は、値引きをしないことで、消費者、つまり私達買う側の人はいちいち価格を調べないで済む、つまり手間が省ける。そして、お店側もしっかり利益を確保することができる。売れなかったものは、パナソニック側に返すわけですから、きちんと利益が取れる。こういったメリットを主張してます。
ただ一方で、私達は値引きに慣れてますよね。
価格.comでもそうですし、一番安いのはどこで売っているか、探すのが日常になっています。また店側からすると「セール」で集客をしていたのにそれができなくなる。だから、値引きできないのはちょっと困る、そういった意見もあるとのこと。
いまから四半世紀前、当時高校生だったのですが、SONY製のCDを再生する携帯プレーヤー「Diskman」というのがあり、ほしくて仕方なくて、一番安いお店はどこか、秋葉原で自分の足で各店舗を周り、値引き交渉して回りました。
当時はインターネットもありませんし、こんな価格.comなんて便利なサイトもありませんでした。自分の足で稼ぐしかない。
すると、お店から「値引きはできないけれどこのCDケースつけるよ」よ、とか「このキャリーバックつけるよ」など、さまざまなサービスが提案されました。あれが楽しかったのかどうかと問われると、確かに「終わりなき時間との戦い」でしんどかったような気がします。
当時はさらに、ビックカメラとかヨドバシカメラがポイントサービスも始めちゃったもんだから、ポイントをつけたとしたらどっちの方がお得なのか、という計算もしなくていけなくなり、さらに面倒になりました。こうして思い出すと、確かに労力がかかっていたなと思う反面、でも何でしょうね、こういう時代の転換期ならではの一抹の寂しさを感じてしまうのも、正直あります。
パナソニック側が価格を決めます。値引きはしません。そうやって決めて販売した方がいいんですかね、そういう時代になっていくんでしょうか
でも他社が追従してこないと、これはこれで難しいですよね。だって、他社は毎年、毎年、新しいドライヤーを出します。それによって価格が下がっていきます。でもパナソニックは2年前に出したドライバーが同じ値段のままで売られてます。どっちを買いたいか。
よほどの新商品、新機能。抜本的な、何かこう生活を変えてくれるようなもの、すごく目新しい商品を、それこそ、こういう理由で価格を下げない、としているのだから、頑張って出さないといけない。まさに試練のときを迎えているのではないかとも思います。
大手企業だからできる技でもあります。パナソニックだからできる技。だから、皆さん、今後家電を買うときに、ぜひそのあたりを注目して見ていただきたいと思います。
(voicy 2022年8月17日配信)
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