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テント生活の幕開け

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こんにちは!とむです。


はじめてテントで寝たのは、三重県四日市にある、とある公園でした。

その日は、私が高校生だったときに、同じテニス部に所属していた友人を尋ねていました。故郷である岐阜県多治見市から三重県四日市までは、大体80キロメートル。法定速度が30キロの原付では、5時間かかる道のりでした。


彼と出会ったのは、日が沈みかけ、空に赤みがかかるころ。あごひげを生やし、ちょっと大人びた風貌になっていた彼は、無一文の私にラーメンをご馳走してくれました。

本当に、正義感にあふれた徳のある男です。


彼とは、お互いの今のことや、昔のことを話しました。

私は思い出話がとても好き。「お互いああだったよなと」か、「実はこんな風に思ってたんだよな」とか、すべて時間の効力で笑い飛ばすことができる。

多分私たちは、思い出話をするとき、過去から勇気を取り寄せているのだと思う。

「あのとき、お前生きてたよな!」

「俺はお前が生きたことを知ってるぞ!」

「だから、今を生きよう!」

って。


そういう意味で、ちょっと寂しいけれど、思い出話は1回きりの使い切りにしたいって思う。過去に陶酔して、今から逃げてしまっては、誠実じゃないし、何よりも今の自分が可哀そうだから。

思い出話が使い切りだなんて、ちょっと寂しい考え方かもしれませんね。けれど、ずっと同じ思い出話ばかり繰り返していることのほうが、もっと寂しいって私は思う。

今を精一杯生きていけば、また笑い飛ばせる日がくる。そしてさらに、さらに生きれば、また笑い飛ばせる日がくる。そんな繰り返しなんじゃないかな。


彼の家の庭で「どこかでテント張るわ!」と伝えたら、彼は「カンパしてやるからどこかのビジホいけ!」と言ってくれた。実家に泊めてやれないことに後ろめたさを感じていたのだと思う。

私は彼の優しさだけを受け取って、近場の公園を目指しました。そして、夜の11時頃、床に就いた。

こうして、私のテント生活は幕を開けたのでした。


それじゃ今日はこのくらいで。

またね!

とむ

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