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おいしかった店2019

今年もおいしいご飯をたくさん食べたので、その中でも特によかったお店をまとめました。エンゲル係数と幸福指数、比例させてこ! 渋谷近辺が多めです。

グリルエフのオムライス(五反田)

定時ダッシュして向かった真冬の五反田で食べた。ちょっと煤けたガラス張りのキッチンで、あれよあれよと言うまにオムライスができあがる様子を見ている時間は至福。トロトロでもかた焼きでもない、絶妙な火加減のたまごとデミグラスソースがスプーンの上で溶け合うのって官能的。たしかソースはケチャップも選べたはず。オムライスは夜限定のメニューで、もう一つの看板メニュー、ハヤシライスも意外な見た目で死ぬほどおいしい。

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サンドイッチストアのサーモンサンド(中目黒)

日差しがあまりに春で出かけたくなる3月。笑っちゃうくらいサーモンが分厚い、そして多い。バゲットにタイマン張ってくる存在感。添えられてるソースの酸味とか、付け合わせの炒り卵の塩加減とか、ちょっとした部分が丁寧でおいしくて、そんなところが信頼できるお店。お向かいのビストロの店主がサンドイッチだけのお店をやりたくて始めたらしい。マグカップになみなみ入ってくるコーヒーも密かにおいしくて好き。

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九十九ラーメンのチーズラーメン(恵比寿)

会社の健康診断で昼過ぎまで絶食したあとはドロッドロのラーメンを食べるのが私のルーティン。白いエアーズロックみたいなやつは全部粉チーズ。全部まぜてとろとろに溶かして食べるもよし、粉チーズの食感を残しつつ麺と絡めるもよし。粉チーズの食べ方に性格がでそう。「チーズのっけときゃうまいだろ!」みたいな思考停止した味では全くなく、チーズを邪魔せずうまみを倍増させるスープ、チーズによく絡む麺まできちんと計算されてる。不健康な食べ物を健康診断のあとに食べるの、中学の頭髪検査の翌日に髪染めるみたいな背徳感あるよね(経験したことないけど)。

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こがねのとんかつ(目黒)

目黒のとんかつといえば池波正太郎先生も大好きな「とんき」が有名だけど、その近くにある小さなとんかつ屋さん「こがね」もおいしい。友達の家の猫を撫でにいった帰りに食べた。薄めでサクサクとした衣が私のなかの「とんかつオブとんかつ」。ちなみに豚汁も、豚の脂がしっかりついたお肉が入っていて絶品。豚汁、キャベツ、とんかつ、たまにご飯。自然とお盆の上を箸が飛び回ってしまう。

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パークサイドダイナーのパンケーキ(日比谷)

流行りのスフレ系パンケーキが行列で入れなかった腹いせに食べた。帝国ホテル1階にある「パークサイドダイナー」のパンケーキは、どっしり密度のある昔ながらのパンケーキ。観劇後のマダムたちがナイフとフォークで綺麗に切り分けて食べているのを真似して、いつもより丁寧にカトラリーを握って食べる。バニラアイスのように滑らかなバターと、シロップのかかったいちごが、シンプルイズベストとは隅々まで手を抜かないことだと教えてくれる。

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ゆうじのタンしゃぶ(渋谷)

ゆうじの常連の先輩に誘われたら全てを差し置いてゆうじに行く。こういう裏メニューが食べられるから。淡い金色のお出汁に、弾むような牛タンをくぐらせる。ポン酢を少しだけつけると、淡白なタンの中の肉肉しさが現れる。わかめが肉厚で無性においしかった。いつもゆうじに行くときは、先輩の別の知り合いもいたりして初対面の人とも一緒だったりするのだけど、煙でもくもくの狭い店で、みんなでギュウギュウになりながら食べると、普段よりも少しだけ早く、仲良くなれる気がする。

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koe lobbyのモーニング (渋谷)**

「ちょっと早起きでもしちゃいますか」と思える、4月の晴れた朝に行ったモーニング。500円で焼きたてのパンが食べ放題、プラス1000円くらいでオムレツやソーセージなど料理がつく。嬉しいのはパンが小さめで、色々な種類が食べられるところ(しかもバルミューダのトースターで焼ける)。ぽってりとした器に注いだコーヒーと、ホイップクリームやジャムも添えてテーブルに並べると「俺は今早起きした上に最高の朝食を食べている」という自己肯定感マックスな気分になるので良い。

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ボラーチョのブイヤベース(神泉)

シスターフッドな後輩と行ってみた昔ながらのお店。実家っぽい謎の楽器や民族アートが置いてる内装にビビりながら入店。もろもろ注文したときにバゲットが10切れつくと聞いて食べきれるか不安だったのだけど、結果『孤独のグルメ』で紹介されていたマッシュルームのアヒージョを皮切りに、前菜の時点でバゲットが尽きた。そんなバゲット泥棒のメニューの中でも逸品だったのがブイヤベース。江國香織の短編で「フィッシュ・スープは冬の海の底にいる生き物の力をもらえる」というくだりがあるのだけど、まさにボラーチョのスープもそんな海の生き物のパワーを感じる滋味だった。

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ちんやのすき焼き(浅草) 

これまでのお店をみてもわかるように、私は老舗のお店が好き。おいしさが保証されてるのももちろんだけど、100年前の人たちも、ここで同じものを味わったというタイムトリップ感が何より楽しい。そんな老舗の中でも、特に好きなのが、クリスマスに行った浅草のちんや。ほどよいサシの大きなお肉を、丁寧に畳んで卵につける。師走の雑多な考え事をぜんぶ吹っ飛ばして、舌に集中する時間、つかの間ただの動物にもどる。ああ私は生きていているのだなあと再確認する。

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松之助ニューヨークのチェリーパイ(代官山)

晴れた日の代官山のヒルサイドテラス、日差しの透明度が都内一高い気がする。そんな「上質な生活」の権化みたいな空間にある松之助ニューヨークはチーズケーキやアップルパイが有名だけど、チェリーパイも食べてほしい。酸味のあるアメリカンチェリーがぎっしり詰まっていて、コーヒーも紅茶もいらない、私はこの酸味とパイの香ばしさだけを味わいんたいんだ!と思いながら食べてしまう。ケーキより質素、パンより主張激しめなパイという食べ物は日本ではあんまり身近ではないけれど、なんていうか取り繕わない、普段着で食べられる良い甘味な気がする。

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ストリーマーコーヒーカンパニーのラテ(中目黒)

大きなカップになみなみ注がれたラテを、両手で持ってそっと口に運ぶ瞬間、いま最高に豊かな暮らししてるんじゃない?と謎の高揚感が湧き上がる。1杯600円とちょっとお高いけれど、この陽だまりも料金に含まれていると思えば良し。くたっとした普段着で、お気に入りの本をもって、このソファ席でもくもくと本を読む時間が発作的に欲しくなるので、有給をとった日の午前中は高確率でここに行く。

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吉野のうな重(神山町)

仕事納めの夜、なにかいいものを食べようと思って夫と駆け込んだ穴場のうなぎ屋さん。みっしり並んだうなぎは、たっぷりと身が厚くて飲み込むのがもったいないくらい。うな重って、うなぎばっかり食べてお米を消化試合的な感じにしてしまいがちなのだけど、下のお米もしっかり脂とタレを吸っていてこっちも完全に主役。お新香も2人前かと思うくらい大きめの小鉢に盛られてくるのだけど、合間にかじっているとあっと間に消えていく。小さなお店のカウンターで、背中を丸めてうな重をつつく。おいしいものはこっそり食べると余計うまいな、なんて思いながら今年のおいしいもの納めをしてきた。

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番外編:ローストホースの伊勢海老(住所非公開)

IT界隈では知ってる人も多い会員制の馬肉店ローストホース。ラッキーなことに貸切することができたので、少人数の結婚パーティーを開いてみた。メニューも結婚式仕様にしてくれるとのことでワクワクしていたら、めちゃくちゃデカいが伊勢海老が出てきたのは贅沢すぎて笑った。「贅沢は味方」と歌う椎名林檎のキラーチューンは個人的にはウェディングソングだと思っている。


来年もいっぱい食べるぞ!


人の金で食う焼き肉の味ってものを知りたいので何卒施しのほどよろしくお願いします!