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福岡滞在日記②

1月24日(月)

午後イチで、劇団競泳水着の宣伝ビジュアル(イラスト)のリモート打合せがあったのだが、肝心のタイトルやストーリーが固まらないまま、昨夜から悶々とし、目が覚めてもベッドの中でずっとグズグズしていて、ギリギリになって薄〜いプロットを送信。
打合せでは、俺のグダグダした説明から本質?を的確に汲み取って下さり、非常に有り難いやら申し訳ないやら。
ストーリーというものは、頭の中である時フッとクリアになることもあれば、考えても考えても何も掴めない時もあり。ということを延々繰り返していくのだろうか。

夜は20代チームの全体顔合わせ。コロナ禍の諸々の影響で、急遽リモートに切替。
リモートでの稽古、特に顔合わせはやりづらい、というのはわかっていたけど、出演者から「リモートだからこそ、マスクを外した皆さんの顔が見れて良かったです」というご意見もあり、仰る通りだと感じる。
2020年版の「IN HER TWENTIES」の本読みをして頂く。
なかなか良い感じなのではないかと思う。

夕食は、初日に行った焼鳥屋。もう人がいる店で飲むのは避けるべく、テイクアウトにして貰った。

東京でも、知り合いの知り合い、ではなく、直接の知人が感染していく。去年の夏以上の感じ。
公演ができますように。

Netflixで「真夜中のミサ」見始めた。

1月25日(火)

滞在が長いので宿も変えてみようと思い(自分で手配させて貰ってる)、今日から新しいホテル。元のホテルから徒歩4分。なんだけど、荷物を段ボールに詰めて持って移動したら朝からまあまあキツかった。
元のホテルは窓が壁に閉ざされて日光が入らず、それも寝坊の一因だったと思うのだが、新しいホテルはバッチリ陽光が入ってくる。
部屋も広く綺麗でベッドも大きく(ダブル)、テンションが上がる。
住環境は大切だ。

感染が増えているので抗原検査を行い、無事に陰性。一安心。

夜は40代チームの女優さんと面談+プレ稽古。
今日のインタビューも濃厚だった。
舞台監督さんとも打ち合わせ、公演やるんだ感が増してくる。

劇団競泳水着のキャスティングもダダっと固める。
まだ内容が見えない中、有り難い限りです。

「真夜中のミサ」見てたら途中で寝てしまう。

1月26日(水)

昨日の予告通り、快適な部屋の中、窓から差し込む爽やかな朝の光のおかげで、7時起床……しかし心地良すぎて二度寝、結局寝坊。
日光も住環境も関係ないだろ!

昼はこれまた教えて頂いたごまさば屋。
ごまさばはもちろん、刺身も非常に美味でした。

T・ジョイ博多にて『クライ・マッチョ』鑑賞。
傑作『運び屋』に比べると、同じロードムービーとしてもだいぶ緩いが、もはやイーストウッド御大が映像の中で動き話すのを観ているだけでも充分に価値がある境地。

ただ、現在91歳のイーストウッドの新作を観ると、どうしても現在86歳のウディ・アレンのことを考えてしまう。
ウディ・アレン問題は非常にデリケートで、本を読んでも最終的には「まるでギリシア悲劇のような家族問題。真相は本人たちにしか、もしかすると本人たちですらわからない」としか言いようが無い。

ただ自分は現時点では、「ウディ・アレンはそもそも1994年の裁判で無罪判決を受け、その後20年以上、アメリカや世界の映画界と映画ファンはウディ・アレンを持ち上げ続けてきた。それを、MeToo文脈でキャンセルするのはおかしいのではないか」という立場。
少なくとも、現場でのハラスメントがハッキリしているワインスタイン、或いはキム・ギドクとは全く違う。寧ろ、現場の特に俳優サイドからの信頼(絶賛に近い)は顕著だった。

そしてミア・ファローも、子供や養子たちへの態度だけをとっても、色々と問題がある方であるのは事実。

一方で、子供への性的虐待という罪自体は、真実だとすればハラスメントよりもずっと深刻で重いとも思う。
いずれにせよ、養父(ウディ)から虐待を受けたにせよ、母(ミア・ファロー)から虚偽の告発を指示されたにしろ、娘ディランは引き裂かれており、悲劇としか言いようがない。

しかし一ファンとしては、新作が観たい、というのが正直な所。

夜は20代チーム、今日は対面で本読み。
じっくり丁寧にやっていきたい所ですが、残り稽古回数を考えると程々に進めていかねば。

1月27日(木)

今日も今日とて遅く起きて、40代チームの試し台本を数ページ書き送信。
夕方から40代チーム面談+顔合せ。
これで両チームの稽古が正式にスタート。
よろしくお願いします。

稽古では以前も聞いた「福岡は男女の人口比率が1:3」という俄には信じ難い言説が再び展開された。
20代でそれを知っていたら間違いなく福岡に移住してたのに……という、どこに行っても駄目な奴の発想を抱いて帰路に着く。

ホテルにコインランドリーが無いので、元CAが教えてくれるこの手洗いを試してみる。
ただ洗剤が無く、ボディソープで代用。良いのだろうか。
風呂掃除は、人間から出た汚れを洗うことだから、シャンプーやボディソープが良い、というのを聞いた気がするのだが。
途中から面倒くさくなって、適当に終わらせる。
料理のレシピとかも守れないタイプ。

1月28日(金)

所用があり一泊で東京へ。0754博多発の新幹線。早起きはやればできる。早起きはすれば気持ち良い。そんなことはずっと前から知っている。
自由席は、博多→小倉区間だけ混んでいて後はずっと空いていた。福岡→北九州の通勤客が多いのですね。
爆睡しつつ、広島〜京都が意外と遠いことに「そりゃ秀吉でも10日かかるわ」と思い、京都〜名古屋がすぐなことに、「信長たち尾張近辺の大名は東海道を上ればすぐ京都でアドバンテージ有るよな」と思う、いつもの阿呆な感想。

昨夜から少し目が腫れていて、ものもらいかと思い眼科に行ったら、病院で鏡を見た時点でほとんど腫れは治まってたけど一応薬を頂く。
二週間分の郵便を確認したり図書館に行ったり打ち合わせしたりして、夜は芸劇でモダンスイマーズ「だからビリーは東京で」観劇。
これほど大評判の舞台も暫く記憶に無いというか、帰京を今週にしたのも、モダンを観る為、というところもあるくらい。噂に違わず、小劇場で演劇をやっている人間にはとても他人事と思えず。見逃さなくて良かった作品であることは間違いない。

1月29日(土)

再び福岡へ。
結論として、二日で東京ー福岡往復10時間の新幹線はなかなかキツいとわかりました。身体バキバキ。
参勤交代で苦労してた九州の大名に言ったらめちゃくちゃ怒られそう。

20代チームは台詞合わせなどしてて貰って、合流して、20歳役の德岡さんと、どうしようか的な話。

夜は40代チーム。30代の時もやった、自分以外の誰かの40代を想像して演じる、というワークをやって頂く。

ぽんプラザで稽古だったので、帰りはホテルまで歩いてみる。
天神の辺りは少しずつ土地勘もついてきた。
福岡市、街のサイズが本当に心地よいなあと思う。
暖かい時期にも滞在してみたい。住んでみたい。何より、人と飲み食いできる時にまた来たい。

先日の『クライ・マッチョ』繋がりで、『サンダーボルト』をU-NEXTで観た。イーストウッドが40代で若い(とは言え既にだいぶ渋い)のは当然として、相手役のジェフ・ブリッジスがまだ20代!
いかにも勢いのある若手俳優という感じの、前のめりな演技と佇まいで、この頃から活躍してたんだなあ。ジェフ・ブリッジスという人も、なんとも替えがきかない俳優だと思うのです。
ラストのあの終わり方、以降のドラマや映画に散々影響を与えてそうだ。

1月30日(日)

珍しく7時起床に成功。
色々と考えないと、書かないと、決めないといけないことが多い。
昼は元祖 赤のれん節ちゃんラーメン。
美味しくて替玉も注文したが、食べ終える直前で、麺は硬めにすべきだったと気づく。

40代チームは40歳と49歳の抜き稽古。どんな十年間にするか、ああだこうだと相談。

20代チームは頭からシーン稽古。

皆はじめましてだから、共通言語を作っていかないといけないですね。

帰路は雨。

今週もお疲れ様でした。






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