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【写真を綴る】#05 Zeiss loxia2/35

最近、Leicaとフイルムばかり使っていて、Sony機を久しぶりに使ったら。あらためて最近のミラーレス一眼、デジタルの便利さに圧倒された。とともに、ZEISSのレンズ「loxia2/35」の写りに惚れなおしたので、その想いを綴ろうと思う。

まず、重さは340g。小さいレンズなのでずっしりとくる重さだ。単焦点、マニュアルフォーカス、開放F2.0のレンズにしてはやや重い。Leicaレンズであれば同じ重さでももう一段明るいレンズになる重さだ。私がよく使うスナップ用の組み合わせは、Sony α7S + ZEISS loxia2/35。あわせて800g、撮影するのにちょうどいい重さ。個人差はあるだろうけど、あまり軽すぎても手振れするし、重すぎれば当然疲れる。「ちょうどいい」重さなのだ。(なお、α7Sにもそこはかとない愛を抱いているのだが、それはまた次の機会に。)

次に、焦点距離。
まず、「35mm」。距離は愛すべき"35mm"。50mmや28mmは微妙にフレーミングが難しくて、だいたいが35mmに落ち着いてしまう。35mmは風景もポートレートもとれてしまう。このレンズはBiogonというレンズ構成で、歪曲もほとんどなく、周辺の歪みもそこまで気にならない。開放でとったときのこの柔らかさが肌の質感にあうと思う。ボケの独特な柔らかさ(ざわつきもある)が、オールドレンズまではいかないが現代のレンズでは絶妙な「ゆるさ」を出してくれている。

そして「単焦点」。SonyにはGMレンズやGレンズと呼ばれる、写りがよくとても便利なズームレンズ群が(ようやく)出揃い、そちらも現場によってはよく使うのだけど、スナップには単焦点を使う。比べてしまうと、単焦点の写りは素晴らしい。下の写真の日没後のこの色。階調表現が素晴らしい。また、このレンズの「水」の描写、すごいと感じるのは私だけだろうか。開放はf3.2。少し絞ってこの解像感。開放f2.0.とは描写が異なるが、f2.8まで絞れば、十分な解像感になる。二度美味しい。

なお、下の写真はf8.0。綱町三井倶楽部前で撮影。

コントラストもZEISSらしくはっきりしている。個人的には、露出アンダー気味で撮ることをおすすめ。そのほうがこのレンズの特徴であるコントラストと階調表現が引き出せる気がするのだ。

本エントリを書きながら、loxia2/35で撮影したものを見直していて、ますます惚れなおしてしまった。愛は募るばかり、、、安定しているし、たまにゾッとするほどの描写。これはやめられない、笑。

ということで、フィルムでも同じ快楽を味わいたい。そう思って、M6用に「ZM Biogon 2/35」(loxiaとレンズ構成がほぼ同等のもの)を試したくなってきた。「summicron 2/35」も選択肢であるし、MマウントはLeica、ZEISS、voightlandarと、贅沢なラインナップだな、とあらためて考えさせられる。そして、Leicaはやっぱり高い、笑。

話がフィルムレンズの話になってしまったけど、昨今の悩みは、フィルムで撮りたいのに「α7S + loxia2/35」が邪魔をすることだ。オートフォーカスができない不便さなんて吹っ飛んでしまうほどの悪魔的、魔性の写り。と勝手に思いつつ、悩めることはなんて幸せなんだと思うのであった、、、

あまり過度な期待をしてもしょうがない(くらい良い写りをするレンズな)ので、日々撮り続けていくのだろうな、と思う。

photo : tomohiro sato



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