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BLを読んでみた その2 -憂鬱な朝1-8巻 日高ショーコ-

前回かなり前に、BL漫画の感想文を投稿させていただいたのだが、また、感想を書いてみたいと強く思ったBL漫画に出会えたので、今回は「その2」として投稿する事にした。
さて、私がBL漫画にハマった経緯は前回長々と説明させていただいたので、今回はいきなり感想から入ろうと思う。
今回感想を書かせていただくのは、日高ショーコさんの「憂鬱な朝 1-8巻」。
あくまで個人的な感想は、前回と同じく、絵・内容・エロ度・その他、の4点でお伝えする。
ネタバレはほぼない、と思うのだが、カスる程度にはあるかと思うのでそのつもりで読んでいただけると、ありがたい。

★絵
ムチャクチャ好き。デッサン力、画力があり、非常に丁寧。同作者の他の作品を読むと、デザイン系や出版社系の仕事の話が多いようなので、美大出なのかと察するが、隅から隅まで、とにかく絵に違和感が全くなく、素直に入り込めるのがとても気持ち良い。最終巻の8巻が出るまで10年かかったとのことだが、画風が変わっていないのも好感度高し。

★内容
読み応えあり。表紙絵が暗い雰囲気なので、暗いドロドロ系の印象を受けるが、そうでもない。家督相続、血筋、などどいう重めのテーマだが、主要登場人物のほとんどが、個性強く、それぞれ思いや確執もあれど、基本的に心根に道徳のある人たちなのと、主人公のひとりである当主の久世暁人の人垂らしな性格もあって、ドロドロネチネチとはならない。
あらすじとしては、明治維新後の華族の家督相続と陞爵の画策を背景に、主人公ふたりの恋模様が展開されていく。
主人公ふたりというのが、若く有能、容姿端麗で頭脳明晰な執事(正しくは家令)と、やはり容姿端麗で頭脳明晰な学生のうら若き当主。
いやもうこれだけで、萌えの要素充分です、あざす。と言いたいくらいだが、加えて時代は明治維新後、華族の物語という萌え力満載な設定。
建物や街の雰囲気ももちろんのこと、登場人物の洋装あり礼装あり和装あり書生姿あり学ラン姿あり、そしてフンドシ姿まであり。ありあり充実し過ぎでしょ。コレにヤラレずにおられようか。美男子のフンドシ姿ですよ?もう萌えしかないでしょうよ。
私は歴史には全く詳しくないのだが、作者は事前に詳細に渡り下調べされたのではないだろうか。それか、もともと歴史好きですごくお詳しかったとか。時代的に今は使わない言葉遣いや今はなき慣習などが随所に出てくるのだが、時代的ロマン(時代萌え)を感じさせつつも過度でもなく、絵と同様に内容やセリフに違和感を全く感じさせない。
話は、前半1-4巻では、家督相続や陞爵の画策、お家同士や兄弟との確執、家令である桂木の出生の秘密などを背景に、過去から現在の時間軸で、主人公ふたりの関係が変わっていく様が描かれており、後半、5-8巻では、主人公のふたりがそれぞれ、新しい時代、未来を見すえた生き方を模索する話を中心に描かれている。全体的にとても濃い内容で、回想シーンや時間をさかのぼって場面が変わる事も多く、私はちゃんと理解するために何度かページを戻って読み直す必要があったが、煩わしいという事もなく、非常に面白く読んだ。
恋愛を通して、主人公のふたり、当主の久世暁人が精神的に成長し自立していく姿、そして、出生に翻弄され過去に縛られ、ひたすら頑なだった桂木智之が、過去の呪縛から解放され自らの生き方を歩み出していく姿が丁寧に描かれている。

★エロ度
適度。一巻につき、およそ2度くらいの頻度でそういう場面が出てくる。本の厚さから見ると少ないような気がするかもしれないが、話の内容の濃さからいくと適度と感じた。そして、何しろデッサン力と表現力が素晴らしいので、毎回、「眼福・あざます・合掌」 に尽きる。

★その他
話の最後あたり、主人公が、若く有能な書生10人と共に渡英する事になるのだが、この若く有能な書生たちに物語性を感じ、出来れば続編を、と切に願わずにいられないのは私だけだろうか。
ただ、もし万が一続編が出たとしても、私は基本的に完結している漫画しか読まないので、おそらく読むことが叶うのは10年後くらいになるかもしれないのだが・・・

最後に、今のところの私の「ザ・手放せないBL」は、今回感想を書かせていただいた同書を含めた下記の6点。ご参考までに。

「囀る鳥は羽ばたかない」ヨネダコウ
  ↑八代を好きすぎる自分がヤバい
「メロンの味」絵津鼓
  ↑絵・内容・空気感・ラスト、どストライク
「憂鬱な朝」日高ショーコ
  ↑明治維新後の華族
          頭脳明晰・容姿端麗な主人公2人
          もう萌えしかない
「花は咲く」日高ショーコ
  ↑人垂らしな桜井に、既視感
          この人、知ってる気がしてしょうがない
   そして
   蓉一のカワイさに、萌え百票
「高良くんと天城くん」はなげのまい
「兄貴の友達」はなげのまい
  ↑人生をやり直したいとは思わないが、
   (今からもう一回人生やり直すとか、
   勘弁してくれ。シンドすぎるわ。)
   でも、こんな学生生活なら
   もう一回経験してもいいかもね
   と思える青春フォーエバーテッテレ
   ー系(意味不明)





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