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#7 いよいよ本番だ。

前回の記事より

 さぁ、いよいよ本番だ!

ご指名頂いた、大切なお客様の結婚式。

「一生に一度」「失敗は許されない」「重要なシーンは逃すな」

当たり前だが、この言葉が重く圧し掛かる。

『カメラマン』には沢山のジャンルがあるが、
多くの人はどのジャンルも撮れるだろうと考えている。

しかし、そうではない。
結婚式はどのジャンルよりも一番難しいんじゃないかと思っている。

ジャンル分け↓

料理撮影
物撮り撮影
ペット撮影
人物撮影
広告撮影
結婚式撮影
学校撮影
企業撮影
スポーツ撮影
報道撮影
建築撮影
車撮影
などなど…
様々なジャンルが存在する。

たとえば料理撮影が得意な人は、物撮りも得意なんでしょ?とか。
料理が撮れれば結婚式も撮れるよね?とか。

でも実はまったく違う。
人を撮影するにも、それが素人さんなのかモデルなのか、
女優なのか俳優なのか。
目的や対象が違うだけで、撮影方法は異なる。

特に結婚式撮影は様々な技術を身につけなければいけない。

まず、基本的に一番大事になってくるのは
接客業なので、接客サービス。
言葉遣いや結婚式の常識は大切だ。

次に大事になってくるのは
正確に残すための記録技術。
瞬間をおさえる報道的技術。
建物を残す建築撮影技術。
指輪などの小物を撮影する物撮り技術。
料理などを撮影する技術。
広角~望遠域までのレンズを変えながら構図をイメージして撮影する技術。
人を写すポートレート技術。
人と話すトーク技術。
動くものを捉えるスポーツ撮影技術。(余興とか早い!)
感動的なシーンをおさえるドキュメンタリー技術。

ざっとあげてみたけど、やっぱり大変だよね。笑
こんだけやることがあるんだって。

もちろん、他のジャンルも考えることはいっぱいあるけれど
ここまで沢山の要素が詰まっているジャンルは他に無いと思う。

だからこそ、この技術を身につけなければ
本番撮影を行うなんて出来ない。

毎日練習してきた成果が試される。
そしていよいよ、そのときがやってくる。


初めての一人デビュー!
メイクシーン。
二人のポートレート撮影。
挙式リハーサル。
受付周りの撮影や小物撮影。
挙式。
フラワーシャワー。
全員集合。
披露宴。

全てがあっという間に過ぎ去っていく!
もう、振り返っている余裕もない。

とにかく必死だった。
二人のためにイイ写真を残す!のは当たり前だけど
一瞬一瞬に躊躇い(ためらい)などない。
流れるまま進んでいく。

そして初めての全員集合写真。
脚立の上に立った僕は
足がプルプルと震えていた。

なぜならこの写真は
お客様が帰るときにお渡しする
サプライズギフトだったからだ。。

わけもわからずシャッターを押していた。
なんだろう、自分を客観視しているようなそんな自分もいる。
大丈夫!大丈夫!
心がそう言っているにも関わらず、足と手はいうことを聞かない。

ガタガタと震える。。
声も頭も真っ白だった。

蓋を開けてみれば、
納品できるカットはわずか1~2カットだった。
いや、それは勿論納品レベルとしてはOKなのだが
撮影自体は緊張してしまって、、大失敗だった。


優しいお客様に救われたデビューとなった。
と同時に自分の弱さも感じた一日だった。

結婚式撮影は
そう甘くない。
デビュー1日目の試練。

その当時、社長から言われた撮影方法とは?
次回に続く…

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