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世のなか、イイ男だらけだと思うんだけどな

パートナーを探す女子がいつも言う「まわりにイイ男がいない。」ってどういう意味なんだろう。これはモテない女子を煽っているわけではない。「イイ男」の定義ってナニ?

自慢じゃないが、いや、やっぱり自慢するが、私の周りにはイイ男が多い。夫はまごうことなきイイ男だし、夫の友人一同もイイ男だ。私の学生時代からの友人たちもイイ男だし、会社員時代の仲良し同僚もイイ男が多い(ちょっとここだけ表記が揺らいじゃった)。

そんなにたくさんイイ男がいるわけない。マリナさん、ちょっとイイ男判定がおかしいんじゃない?突如浮上する、私の「イイ男」定義がゆるい疑惑。でも実際ゆるいかも。

私が思うイイ男の条件に、顔の良さ、は含まれていない。だって、顔面って言ってしまえば頭蓋骨の前面を覆うただの肉と皮だぜ。実際のところ、私の周りのイイ男たちの容姿は様々である。女子に一目惚れされることが日常茶飯事のイケメンもいるし、ちょっと猿っぽい感じの人もいる。でもみんなイイ男なんだ、これが。

年収?それも様々だ。年収1000万プレイヤーの大企業勤めもいるし、アルバイトを収入の足しにする俳優もいる。でもみんなイイ男なんだよ。

私が思うイイ男、条件はひとつ……と言いたいところだけれど、私の周りのイイ男がイイ男たる理由を、バシッと一言で断言できない。断言できなくて申し訳ないので、実例をあげる。イイ男っぷり満載のエピソードだから聞いて。

イイ男代表、夫の友人たち。
ある月末の29日、油森家に集った彼らは、独身、独身、子なし既婚の男3人。29日、それは油森家の最寄りのスーパーの肉類がことごとく激安になる日。100g150円の分厚いステーキを中心に肉という肉を買い込み、我々はお肉パーティーを開いたのだ。

当時、長男2歳、次男0歳。私は次男の夜泣きでヘロヘロ。
精神的にも体力的にもスカスカだった私が、なぜ我が家でのパーティー開催を快諾したのか。夫と夫の友人たちが、自立した大人の男だから。具体的に言うと、彼らは自分で料理ができ、自分で片付けができる。(私は本来ゲストには絶対に家事をさせない。遊びに来ておいて「お皿洗うよ〜。」とか言う子は男女問わずイスに縛り付ける派だが、産後すぐはさすがにキツイ。)

私たち夫婦に子どもがいないときから、私は彼らの集まりに混ぜてもらっていた。彼らは変に私を女扱いしない。最近面白かったことについて話し、仕事の愚痴を話し、これからやりたい楽しい企画について一緒に話した。

産後もそれは変わらない。
私は彼らと話をすることで育児疲れが吹き飛ぶことを期待し、パーティーを心待ちにしていた。しかし彼らは私の予想の上を行った。

美味しく肉を焼くのにはめちゃくちゃ自信がある私がステーキ肉を焼き、友人Aがスーパーで買った野菜でおつまみを作り、友人Bがスーパーで買った出来合いのものを盛り付ける。みんな食卓に揃って肉祭りを開始し、近況報告をする。

夜泣きのキツさを、うぇ〜と言いながら聞いていた彼らは唐突に言った。
「マリナちゃん、寝てきぃや。ほんまに。ぼくら子ども見とくし。」
いいんですかー!やったー!
人見知りしない長男はもちろん、ママっ子の次男も友人たちになついていた。私はお言葉に甘えて寝室の扉をくぐり、ベッドにダイブした。私のいない間、男同士の会話を楽しみたまえ。

2時間は寝たと思う。子どもを気にすることなく寝られたのは久しぶりだった。日頃から夫もちょこちょこ私を昼寝させようと頑張っていたが、乳幼児2人を私に近づかせぬよう、夫ひとりで制御するのは難しい。

リビングに戻ると、ソファで友人Aが、椅子で友人Bが、酔っ払って寝ていた。長男と夫はちまちまポテトチップスを食べ、友人Cはズリバイ(お腹がついたまま前進するハイハイの前段階)の次男と追いかけっこをしていた。2時間ずっとこのテンションで子どもの相手をしてくれていたのだろうか。
友人Cは言った。
「マリナさん、もう起きてきていいんですか。もっと寝てきていいですよ。ジナンくん、めっちゃかわいいですわー。」
私は言った。
「ありがとう!交代しよ。Cくんも寝たほうがいいって。」

友人たちも日々の仕事で疲れているのだ。友人Cは深夜残業が常態化しているし、友人Aは仕事の付き合いで毎晩飲みに行っている。友人Bも顧客対応でストレスを抱えていると言っていた。そして夫は仕事をしながら、家ではボロボロの私を支えてくれている。

友人Cは、あざーっす!と言って床に転がって寝た。夫は、いつの間にか寝ていた。子どもたちも昼寝をし、入れ替わりに起きてきた友人Bと私でゆっくり話して、日が暮れた。

泥酔状態で、ちょっと外行ってくるわ、と家を出て行った友人Aはそのまま戻らず(彼はよくそうやっていつの間にか帰宅する)、残りのメンバーでさっとテーブルを片付けてお開きとした。友人Bはニコニコと破顔しっぱなしで、友人Cは私たち夫婦に丁重にお礼を言って長男と次男を抱きしめてから帰った。お気づきだろうが、友人Cはものすごくモテる。長身で顔立ちが甘い上に、振る舞いがスマートだからそりゃあモテる。

昼寝をして元気になった私は楽しい一日の余韻にひたりながら食器を洗い、夫は酒の飲みすぎで目がすわったままゴミを集めてテーブルと床を拭いた。長男は「また来るかな。」と早くも友人たちの再訪を心待ちにし、次男はアヒャアヒャ歓声をあげてご機嫌だった。


以上、私の周りのイイ男エピソードでした。
イイ男たちでしょ。夫が一番イイ男なんですけどね。

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