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マイベストオブゴジラビーム(語彙力

 11/5追記しました。

 ネタバレ有ります!!







 まずは、とても面白かったです!

 内容は完全に大人向け…というかゴジラのテーマから不純物をできる限り削いでいったら確かにこうなると納得できるものでいて、また新たな“解釈”のゴジラだとも思いました。

 今回のゴジラは殺意に満ち溢れていましたね笑

 人間を憎んでいるような、動物的縄張り意識の塊のような。なんにせよ恐怖の象徴としてのゴジラで自分はシンよりこっちの方が好みな気がしました。

 どうも自分は表情のあるゴジラが好きなようです。

 自分のゴジラの原体験は恐らくVSメカゴジラかスペースゴジラあたりだと思うのですが、それがあってか水島(山田裕貴)がメカゴジラの“恐竜坊や”こと青木(高嶋政宏)と重なって見えて変なとこで感動してました。

 また途中でかかった恐らくVSモスラのBGMが鎮魂歌っぽく聞こえたことに感動というか驚きました。なんだかゴジラに殺されてしまった人々を送る曲のようだなぁと。モスラの優しい曲調がこんな風に活きるのかと。
 音楽で言えばシン・ゴジラはエンディングにVSシリーズの何曲か流してましたが、今回-1.0では本編で活かされていたことに感動しました。先のモスラの曲然り、VSシリーズのゴジラ主題歌がそのまま活きていてその感情というか場の空気が
 あの曲の迫力の入りからの物悲しい雰囲気が昔から本当に好きで、ただ所謂ゴジラのテーマを重ねるでない、VSで使われているあの途中からどこか悲しいような寂しいような雰囲気を重ねてくるあのテーマを劇中で挿入して感情も全て綺麗に移行されるあの瞬間、、、本当にありがとうございます。とてもいいものを見させてもらいましたと言える作品でした。

 この作品でいろいろな役者の方が脳に焼き付けられましたが、先の水島役の方は青木一馬を彷彿とさせられました。しかしこの作品のキャラクターで1番好きになったのは恐らく橘(青木崇高)だと思います。何だか自分には1番人間臭い役だったように思えて。
 そもそもこの作品にはとても人間臭い役が多く…というか時代背景もあってみんな人間臭いんですが、特に橘は印象に残りました。橘役の青木崇高という役者の方自体、龍馬伝で度肝を抜かされて以来とても良いなと思っているというのも大きく影響しているとは思いますが。やっぱりすごいですねこの役者さん。
 感情の動きの見せ方…というべきか、動きそのものの持っていき方が本当に素晴らしくてなんと言うか、この人ほど「頑固者や大きな感情を抱えて動けなくなっている人の感情が動く瞬間、僅かに僅かにずれるように動いていく。ある時、ふと軽くなるような、そうじゃ無くとも決意を固めて重い一歩を動き出すようなその一瞬」を魅せられる人ってなかなか居ないんじゃないだろうかと思える人。
 震電のコクピットに触れる瞬間が忘れられません。橘は脱出装置を取ることもできた。でもしなかった。恐らく殺してもいいほどの憎しみが敷島にあったこともあっただろうに。そしてその憎しみを全身で受け止めた敷島自身が特攻することを死ぬことを望んでいたにも関わらず。

 自分はこの作戦で誰1人犠牲者を出さないと野田(吉岡秀隆)が言った時からクライマックスまで、もしかして“-1.0”って敷島だけがここから犠牲者になって他のメンバーが助かるって意味かと思ってました笑

 「自分が生きていていい存在なのか」という問いは今の自分も少なからず持ち合わせている感情で、この頃の戦争を経験している人たちと比べるのは流石に恐れ多いものがありますが、それでも多少なり重ねずにはいられませんでした。
 見えないものに何かを握られているような感覚。前を向こうとするとそれを許さないかのように足を引っ張られるような出来事。決して繋がってなどいないハズの出来事が繋がって見えてきてしまう。全ては自分のせいなのか。側から見ていればそんなことはないとわかるのに。
 秋津(佐々木蔵之介)の存在が敷島を照らしているようで影を濃くしているバランスもとても良かった。ああいう人の元で働きたいなーなんて笑

 このゴジラ-1.0の後に初代ゴジラがあるとしたら面白いなーなんて思ったけど、パンフレットを見て実際時代背景として初代より前の時代設定だというので驚いた。
 じゃあやっぱりラストといい、この後に芹沢博士のオキシジェン・デストロイヤー開発があって…を意識してるんじゃと思うと“-1.0”というのはそういうことなのか?と思ったり。初代が0だとすれば。

 やっぱり軍事力で敵わないゴジラ相手に知恵を絞って生物学的に攻めにいく展開はどのゴジラでも好きなパターンでいいですね。逆に軍事的に攻めると効かないのではなく逆効果となるパターンも自分のゴジラに対する解釈と一致していて見ていてすんなり入ってきます。
 自分のイメージするゴジラは軍事力や兵器による破壊行為を鏡写しにした存在というか、人間の永遠の破壊行為の象徴。人が恐れから力を行使し、その力を恐れた人がまた力を行使する終わらない争いの象徴であり、それを全て集約して人間に還す事で争いを終わらせる神としての存在。しかし確かに生物であり、圧倒的恐怖の対象ながら対話する知性も持っているがその心を開けるかどうかは人間次第でもある。
 恐怖から引き金を引けばその怒りに滅ぼされるが、恐怖に惑わされる事なく目を合わせることができれば心を通わす存在にもなり得る。(“なる”ワケではない所が大事)
 自分には“人対人”を鏡写ししたような存在にしか思えません。だからこそそんなゴジラが好きなのかもしれません。

 まあ今回のゴジラには対話できそうな知性は見られませんでしたが笑

 ゴジラといえば青い放射熱線ですが、-1.0ゴジラ過去一好きです。間違いなく。背鰭が光りながら徐々に持ち上がって頭に達する演出といい、その後の吐かれる一瞬の熱線と爆発。はっきりと言えます。今まで見たどの作品のゴジラよりも好き。最高です。素晴らしい。ガコンガコン言うのめっちゃカッコいい。熱い。マイベストオブゴジラビーム。

 最後に典子が生きていたのはご都合感を感じてしまいましたが、敷島が生きていた事を考えればそれもまあいいかと思ったり。彼が生きる事を決意して周囲の力を借りつつ明るい未来を象徴する幼い子供である明子を1人で育てていくというのもバッドではないと思いましたけども。ちょっと、ほんのちょっとだけ感動が薄れた感じがあったのは秘密。


 そこそこ書けたかな?総じて満足でした。
 真摯にゴジラと向き合ったのだろうなぁとあちこちから感じられる作りで結果として子供向けとは言えない雰囲気になっているのも“結果として”というのが良く感じられたので何も文句にはならなかったです。ゴジラで人間ドラマに感動できる日が来るとは思ってもみませんでした。もう何度目?という感じですが、本当に素晴らしかったです。
 シン・ゴジラの時にやっていたと思うのですが、今回こそ初代ゴジラを期間限定上映すればいいのになどと思ったり。

 今回はパンフレットとメガネケースを購入しました。という報告で締めさせてもらいます。ここまで読んでくださった方、どうもありがとうございました。

ケースの裏の柄だと思ってたら眼鏡拭きだった笑


 11/5追記
 早くも二度目を観に行きました笑

 やっぱりクライマックスに水島が増援連れてくるところVSメカゴジラの青木がメカゴジラのピンチにガルーダで援護しに来るシーンと重なって見える…。なんか特に目が似てるんですよ。

 そしてアキコちゃんお利口過ぎる。お利口過ぎるよ…。演じてるという意味でもそうだけど役そのもののアキコちゃんの動きがその年でそこまで…!!ってとこがホント。特にクライマックスの枕元の封筒そのまま持っていくのとか「いやいや普通の子なかなかそんな動きできんて…」って心の中でツッコミが。

 2回目もちゃんと涙しました笑

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