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年中休業うつらうつら日記(2024年4月13日~4月18日)

今夜から5泊6日の車中泊旅行で、北関東を回ってきます。そのためいつもより1日早い更新になりました。GWも車中泊の予定で、まわりからはいささか「どうかなっちゃってる」と思われているらしい我々夫婦です。まあ、車と身体が動くうちにやっておきたいことなのと、始めたばかりで夢中ってことで、気にせずいてください。

24年4月13日

前夜の定例ZOOM飲み会によると、今日は隅田川のあたりで花見が行われるらしい。
主催者のYちゃんに急に夫の親戚の葬儀が勃発し、不参加を余儀なくされたため、細かい打ち合わせを確定メンツのSくんとかに引き継いでいた。
流石は秋田の嫁と豪語するだけある。
うちはどっちみち遠いから行かないし、メンツから想像するに日本酒vs.ワインの「いいお酒」がたくさん消費されそうで、飲めない私では申し訳ないようなラインナップに違いない。
最近自分としてはイベントが多すぎて疲れを回復するヒマもないので、少しゆっくりしよう。
と言っても今日の夜は息子のインプロコントライブなんだけどね。

PCをノートとデスクトップ両方買い替えた、と言うと「何買ったんだ」と聞かれる。
「うちはずっと富士通だね」とせいうちくんが答えると、まずMac信者があれこれ言うし、「なんで新しいメーカーのにトライしないんだ!」とまあお小言の多いこと。
私たちはキミらのようなPCオタクじゃないから、5年ぐらいたって動作が不穏になってくると買い替えてるだけで、品質に不満もないうえ、特に新しい機能や知らない便利さにあまり興味がないのだ。
「それはPCの買い方として間違っている」とお説教が始まったところでさっさと逃げ出す。
知らない機械へのトライアル&エラーなんて、私たちには荷が重すぎるんだよ。
オタクの集団の話は、よほど聞きたいことでない限りあまり役に立たないことが多い。
彼らのせいではなく、こちらに能力が足りないせいなのは身に染みてわかってはいるのだが。

2人して朝寝して、15時ごろ出かけて下北沢に向かう。
確か3週間前にも観に来て、その時は観るだけではすまさずなんと一般公募の中から4人、演者さんたちとインプロコントに参加できる贅沢なイベントを味わってきた。
今日は息子のコントグループのライブなので、一般参加は募集してない。
なんかあれ、癖になりそうなんだ。

下北詣でとなれば、まずは珉亭だ。
先日少し並んだので早めに行ってみたらすぐ座れた。
時間帯は重要であろう。
しかし、そのベストな時間はちょうど炊いたごはんがなくなってしまって、「すみません、ご飯もの、今はできないんですよ」と衝撃の告白を受ける時間でもある。
ご飯ものってことは、チャーハン無理だね。自動的にラーチャンも無理か。

こだわらないせいうちくんは、
「たまにはラーメンだけでも良くない?」と言って、気にせず江戸っ子ラーメンの大盛りを頼んでいた。私は普通でいいや。
確かに最初に惹かれたのはラーメンだったもんね。
澄んだスープに細麺、厚めのチャーシューとほうれん草とノリとネギと特製キムチが入っている。
あっさりしているようでなかなか食べ応えのあるひと品だ。
うん、久しぶりにラーメンだけ食べた。満足。

続いてはこれまた3週間前と同じく喫茶店「トロワ・シャンブル」。
前回はこれに「私が昔住んでたアパートを見に行く」のと「昔よく行った喫茶店パルファン」を訪ねるを入れるため、街の北の方をうろうろしていて、結論として私が住んでたアパートはもう木造70年は軽くたってる物件になってなおちゃんと建ってた。
そしてパルファンの方ではすっかり忘れていた。
自宅を3階に、店を2階に、1階はテナントに貸し出している悠々自適のマスターは、近年の人が溢れすぎている下北がイヤになったのか、繁華街の喫茶店なのに土日と水曜を休業にするという思い切った経営戦略に替わってもう久しい。
週末にしか機会がないので、もう3年ぐらい顔を見てないな。
今度ぜひ平日に出かけてみよう。

相変わらずトロシャンは行列のできる喫茶店だ。
店の前の踊り場から階段まで、4組ほどの2人連れが待っていた。
列で待つ場所にも灰皿が置いてあるのはとてもいいと思う。

さて、3週間前に来た時、コーヒー(お代わりは少し値引きあり)とアイスコーヒーを2杯ずつ飲んで、「3100円です」と言われて払い、数日後に家計簿をつけている時、「ちょっと高すぎ?」と思ったので計算してみたら2100円のはずだった。
領収書ももらっていたのでとりあえず店に電話をして事の次第を伝えたら、少し調べたらしく「すみません、こちらの間違いです。差額をお返しします」と言われた。
「4月半ばにまた行くので、その時にいただきます」と伝え、今日、行ったわけだ。

うっかり領収書を忘れていったんだが、電話した内容と伝えた名前が壁に貼ってあったようで、「あっ、承っております」とのこと。
「お会計の時の清算でいいですか?」と聞いたら「そうさせてください」と言うので、今日も同じくコーヒーとアイスコーヒーを2杯ずつ飲んで、お会計をお願いしたら、アイスコーヒーもお代わり値引きがあるようで、「1900円」だった。
なんだ、この間も1900円でよかったのか。

レジのお姉さんは、ていねいに謝りながら、「あってはならないことですし、これまでほとんどありませんでした。お詫びの気持ちとして全額お返しさせてください」と3100円入った封筒を手渡してくれた。
よくよくお礼を言って、今日の分を支払い、息子のライブに行った。
お店の中でよくよく話し合いがもたれたんだろうなぁと思ったよ。

パフォーマンス・パブでは窓口ですました顔して「お2人様ですね。3千円でございます」と言う息子を相手に木戸銭を払い、それとは別にバーカウンターでワンドリンクを買う。
せいうちくんはジムビームソーダ割、私はウーロン茶。
なぜかこないだの私の舞台出演を観た、と言ってくれる人数人から声を掛けられた。
フレンドリーな雰囲気なんだな。
同じように一般参加で出てた息子の高校の同期という女性にもまたご挨拶ができた。

息子が前説を張り切って、しばらくして開幕。
メンバー全員プラコップ持ってるけど、中身は酒3人対ソフトドリンク3人らしい。
息子は酒組だった。
いつもはインプロのお題をお客さんからいただいて、たとえば「ラーメン」と言われれば「ラーメンが出てくる即興コントをその場で作る」のが彼らのやり方だ。
今日は新しい試みとして、お客さんと対話をして、その中からインプロのお題に使える単語やシチュエーションをいただいていく、というスタイルだった。
毎回毎回、なにかしらメタらしいことを仕掛けてくるね。わくわくするよ。

隣に座ったせいうちくんに、
「私はこないだ出演しちゃったから、もうこれ以上はちょっと。あなた、何か発言してよ」とお願いしたら、「絶対やだ」とすげない答え。
「どうしてもダメ?」
「うーん、考えておくよ」
「それじゃハラハラするから、やるならやって!」
「わかったよ。やります」で、2人目の募集がかかったところで手を挙げて当ててもらえた。

常連さんが多いので、立った時点でもう「林賢くんのお父さんだ」とくすくす笑い声が起こる。すまん、せいうちくん。
息子にインタビューされる父親。
息子「ご参加ありがとうございます。まずはお名前、本名でもハンドルネームでもなんでも結構ですので、教えていただけますか?」
せいうちくん「林賢の父親です」
わっと沸いた。
さらに息子「ありがとうございます。さて、下北沢も変わってしまったと思われるでしょうが、今はどんな印象ですか?」
せいうち「変わらないところばかり巡ってますが、人通りは増えましたね。今日はいつものように『珉亭』でラーチャン食べようと思ったら、ご飯が切れていたのでラーメンだけ食べました。それからやはり同じコースで喫茶トロワ・シャンブルに行きました。どちらも妻と知り合った頃からよく通っています。40年変わらない人と、息子を育てた思い出を語ったあとで本人たちのインプロ観に来られて、とても嬉しいです」
息子「おおお~、感動的なお話ですね」
メンバー「お前はラーチャンの赤いチャーハンでできてるんだな」
そんな軽いボケとツッコみで、いよいよ始まるインプロコント。

「お客さんが並んでいるのにご飯を炊き忘れたラーメン屋が、『伝説のスタ丼』屋さんにごはんを借りに行って、受け取ってきたものは「鉛玉(弾丸?)」で、「珉亭さんは長く流行り過ぎた、ここらでいなくなってもらわないと」とスタ丼の店主が珉亭をハメたのだった。
ほどなく警察がガサ入れに来て大騒ぎ、というひと幕だった。
面白かったよ。

4本ほどそんなインプロコントを繰り広げて、今日の公演はおしまいだ。
まだ飲んだり話したりして行ってもいい時間だったので、せいうちくんと私のお代わりを買いに行こうとしたら、後ろの方の席に息子息子妻のMちゃんがきていた。
Mちゃんの分もお代わりを買い、席に戻って飲んでみたら私のはジンジャーエールだった。カウンターで言えば取り替えてくれたかもだけど、無駄になるのがもったいないので好みではないけど飲んでおいた。

この間うちとGくんの共有物であるキャラバンを借りて息子夫妻と一緒に山形に演劇を観に行ったというOさんと4人で話し込んでいた。
その間にも、せいうちくんに声を掛ける若い女性の2人組あり。
「素敵なお話をありがとうございました。とっても感動しました。ハッピーです」とかなり宗教的とも言えるテンションで、ああ、いい場なんだな、と胸が熱くなった。

皆さんにさよならを言って家に帰ってから、トロシャンの返金の話とバーカウンターで注文を間違えられた件を同時に息子に伝えようと思ったのだが、Messengerで伝えるとなんだかパフォーマンス・パブの間違いをとがめているようなニュアンスになると思い、息子と電話で話してみた。
「まったく別件なんだけど」と両方の話をする。
息子は、パブの間違いに関しては「それは申し訳ない」と謝り、トロシャンの計らいについては「すごい!飲食店の矜持だね!」と感銘を受けていたようなので、それでよかったと思う。

40年以上前から通っているトロシャンだが、すっかり人出の増えた激戦区、下北沢で40年以上変わらない人気を集めている理由が心から納得できたよ。
讃えるためにXで呟こうかとも思ったが、真似して詐欺る人が出て、お店に迷惑をかけてもいけないので、こちらに書いておく。
読者の客筋がいいのでそれほど問題は起こるまい。
真摯な、真心のこもったお店ですよ。また行って、今度はチーズケーキも食べよう。

しかし息子よ、「帰ったら電話して」と情緒不安定になってる私に、「どういう用件かな?今日が楽しかったって話?それとも何かつらいことがあった?」とかメッセージで事前調査するのやめてくれ。
せいうちくんとのもめごとも含めて、いわく言い難い気分なんだ。
察したらしく、「文章で書くのが辛かったら、後で話してくれればいいからね」と結んで、終電で自宅に帰る、駅からの歩きの間に電話をくれた。

ホントに言いたかったのはトロシャンの粋な計らいについてだったんだが、口に出たのは、
「父さんが思ったよりヒマにならない。仕事のやり方で毎日もめている」が真っ先になってしまった。
「それはお父さんとよく相談してね。お母さんファーストなのは見てて間違いないと思うんだけど」
「母さんは『母さんオンリー』ぐらいの勢いでやってほしいんだよね。ドクターもそれを期待してるし。ちなみに私が夜中にマンションの上の方から飛び降りたら、すぐ近くの大病院に搬送されるだろけど、区が同じなので医師会でよくそこの院長と顔を合わせるらしくて、ドクターは『僕が叱られちゃいますから、やめといてくださいね』って言うんだよ」と話したら、
「相手に負担をかけずにきちんと止めている、いい先生だねぇ」と感心していた。

「お父さんお母さんに、この歳になって車中泊っていう冒険が加わったのはとてもいいことだと思うよ。気をつけて行ってきてね」
「いやいや、冒険はいつも読書やドラマを観ながらしているよ。車中泊は面白そうだからしてるだけ。あなたとMちゃんもそのうち車使っていいから、行っておいでよ」
「うん、Mちゃんはものすごく興味があるようだった」
確かにMちゃんと話してる時、そう言ってたな。
山形に行った時は誰も「車内で寝よう」とは考えなかったらしいけど。

ついついいつもの愚痴を口にしてしまう。
「母さんは、自尊心を叩き潰されるような育て方をされてきたから、人が怒るのは凄く苦手なんだよ。実家の恐怖がよみがえっちゃう。あなたが長い長い反抗期の間にとった態度や言葉は、今でもフラッシュバックが起こるほどのトラウマになってる。カナダに行く前に、一度ゆっくりその辺を解きほぐしてもらえるだろうか」
「うん、もちろんだよ。それが僕の罪滅ぼしだもの」
「いや、罪滅ぼしとまでは言わない。親孝行なんだよ。ただ、『お母さんを嫌いじゃない』って当たり前のところから始めないといけないから、面倒くさい作業になると思う」
「わかった。行く前にゆっくり時間とるね」
「うん、じゃあ、今日はもう大丈夫。父さんもついててくれるし、あなたはMちゃんを大事にして、2人でカナダに行く準備を進めて」
「わかったー」
で、電話は終わり。

しかし、息子の前ではけっこう「いい顔」して見せてた。
電話が終わったら、涙が止まらなくなっておいおい泣き続けていた。
せいうちくんもある程度は責任を持って働かなきゃいけない。
でも、聞いていたのと随分違って長い休暇とかは難しそうだし、日々一生懸命働き過ぎてる気がする。
「相談が来てから考えるんじゃダメなの?」と聞くと、
「本来、それでいいのかもしれないけど、どうしても抜けているところや足りないところは指摘して、後で困らないようにしてあげたくなる」
「それって、『俺がいないと仕事が回らないだろう』って思いこむおじさんの病じゃないの?今後、居なくなっていく前のステップとして顧問やってるんだから、フェードアウトしていけばいいんじゃないの?」
「確かにその病に侵されてる危険はある。でも、何十年もやってきたことは急に止まらないんだよ。ああ、自分でもなりたくなかった『会社人間』になってるのかもなぁ」
と2人で嘆いて、その晩はくたびれたので寝ましたとさ。

24年4月14日

絶不調。
悪夢をみては泣いて起きる。
私の夢はたいがいいわゆる「明晰夢」で、「ああ、これは夢だなぁ。しんどくなってきたから、起きよう」と夢の世界から逃げ出せるのだが、せいうちくんがどこにいるかも自分が何者かもわからなくなっていて、ただ大切な人に二度と会えない哀しみだけが強く迫ってくる夢だった。
何の客観性もなく、完全に夢にとらわれていた。

なので、起きて「夢だったんだ」と得心が行くにも時間がかかり、なかなか戻ってこられなかった。
せいうちくんが「ここにいるよ。いなくなってないよ」と慰めてくれる首っ玉にしがみついて、おいおい泣いていた。
ここんとこガマンして泣かないようにしていたのもあってか、獣のように「おーんおーん」と大声をあげて泣いてしまった。

せいうちくんの処方箋として、まずお風呂に入ろう、それからまたベッドでぎゅうぎゅうと存在を確かめよう、となり、入浴。
うん、お湯の中でたゆたってるとだんだん正気に戻ってくるね。
上がったらおなかがすいた気がしたのでそう言ったら、すぐにピザを買いに行ってくれた。(自分で取りに行くと半額なんだ。それでも2200円ぐらいするんだから、家にデリバリーしてもらう人の気が知れない)

ピザを食べながら韓国ドラマの「ハイクラス」を観てみる。
去年観た「SKYキャッスル」も韓国上流階級の子弟の教育問題だったが、「ハイクラス」は済州島というリゾート地にできた小学校からの上流学校で乗馬やバレエを含む高級な教育を受ける子供たちとその母親たちの生活。
ドラマの中で「SKYキャッスルとかいうドラマが流行りましたが、現実はあんなものではありません。医者も弁護士も、しょせんサラリーマンです」と言ってのけるのは挑戦的な他局なのか、自分とこのドラマだから悪口行っても宣伝になる同じチャンネルなのか。

急速に貧富の差が激しくなり、日本以上に教育事情が炸裂していると言われる韓国社会について話していたらずいぶん気持ちが普通に戻った。
「私たちは、子供たちに幸福になってほしいとは思ったし今でも思ってるけど、幸福とは何なのか、決めることはしなかったね」
「うん、だって僕らが教えられる幸福は、大好きな人と暮らして、その人との子供を育て、その子供がまた大好きな人と暮らす、ってパタンしかないんだもの」と話し合いながら。

薬をかなり多めにのんでやっと落ち着いたのと、突然襲ってきた感情の爆発があまりに激しかったので、とても疲れた。
せいうちくんも「これでひと山乗り越えた、なんて全然思ってない。これからの生活で、もっともっと注意深く見て、そばにいるようにするよ」と言ってくれた。
自分でも持て余すこの内側の空虚さや急に起こるフラッシュバックのような感情は、いったいどうしたらいいのだろう。

24年4月15日

なんだかめそめそして1日過ごした。
マンガを読むに限る、と手を付けてなかった新作をいくつかスキャンして、読んでみる。
幸い3巻とか4巻で完結するものが多かったので、短期勝負がたくさんできた。

マンガ評論家のMくんが「美術マンガとしておススメ」してくれ梅サトの「人生最大の嘘ついた」既刊2巻は、名作になりつつある山口つばさの「ブルーピリオド」既刊14巻にも勝るとも劣らないと感じる「芸術する心」が描かれていた。
吾妻ユキの「血を這う亡国の王女」既刊2巻もすさまじい。
力があって、先が楽しみだ。
「灰吹ジジ×中西淳」の「王の病室」は「ブラックジャックによろしく」をうんと圧縮したような全3巻。
日本の医療の問題があっさりと露呈され、それでもこのシステムが失われたら困る感じが庶民の我々には痛いほど伝わってくる。
高城玲の「アナトミア~解剖してみてわかったことだが、人間は必ず死ぬようにできている~」全4巻では、市井の床屋外科医を中心に、おなじみレオナルド・だ・ヴィンチが躍起になって解剖しては絵を描いているし、作中で出会った愛想のない子供はのちの「ミケランジェロ」だった。

これぐらいマンガ読んでれば不安も不穏も吹っ飛ぶだろうと思っていたんだが、やはり不調は去らない。
せいうちくんが思いついたいいキャッチフレーズは「これからどんどんヒマになって楽しくなるよ!」というもの。
あの人はわりと誇大宣伝を嫌うというか、ついつい控えめ過ぎに物事の推移を予想して語るので、「もう瓶に4分の3ぐらいしか残ってない」ってタイプのペシミストである私とは相性が悪いのだ。
そこを吹っ切って、楽観路線で行くことにしたらしい。
「できなかったらその時に謝った方が、キミは怒らないし」という感想は正しい。

散歩に誘われても、やはり外には出たくならなかった。
何にもしたくなくてベッドに横たわっていることが多い。
身体を少し動かさないと、老化が激しくなるばっかりなんだけどね。

24年4月16日

今日もバリバリ自炊した。
今はとりあえず「ゴールデンカムイ」の読み返しに入っているが、佐々大河の「ふしぎの国のバード」が11巻目にしてようやく蝦夷地に入るらしいので、楽しみだ。
しかしこれはマンガ友達のミセスAに貸し出して、会えた時に感想をきゃいきゃい言いあうのが楽しみなので、本の形のまま読まなくては。
まずは10巻までの読み返しだな。かなり忘れているから。

角川が出している雑誌「ハルタ」は分厚いことと月刊誌かと思いきや年に10冊しか出てないこと、そしてこだわりの作者たちがなかなか原稿を描かないせいなのか、コミックスが出るのが遅いので有名だ。
森薫の「乙嫁語り」なんて年に1冊出ればいい方である。
そんな中に吹いている新しい風として山本和音の「生き残った6人によると」を待って待って待ち続けていたら、やっと6巻が出た。
絵柄も新しく個性があるし、いわゆるゾンビものだが突き抜けた明るさがある。
出荷リストを写メで送ったら、ミセスAはこれと浅見理都の「クジャクのダンス、誰が見た?」の5巻は読んでないから不要です、と言って「ふしぎの国のバード」だけを所望してきた。

うーん、もう何を継続的にお貸ししていて何を出荷してないか全然把握できなくなって、本人にいちいち聞かないと分からない体たらくではあるが、これほど面白い「生き残った6人によると」と「クジャクのダンス、誰が見た?」を薦め損なってきたとは自分のふがいなさが情けないし、もったいない。
いつか彼女が自分で買う時に選んでくれたらいいな、と思う。
それにしても数か月に1度最新巻を読んで話について行けるって、私から見たら化け物だ。
ほぼあらゆる長編を、私は新巻が出るたびに1巻から読み返す羽目になっている。
最近はそれだと時間がもったいないので、買うだけ買って自炊しておいて、5巻ぐらいたまったところで読み始めることも多い。
いっそ作品終了まで待って、それから大人買いした方が絶対安く上がるんだけどなぁ。
新巻をチェックしているという高揚感に負けて、覚えていられない新巻をどかどか増やしている毎日だ。

夜、またとても精神状態が悪くなったのでお風呂だけ入って、夕食は取らずにベッドに入ったのが19時半ぐらい。
緊急時だから、と薬をまた多めにのんで、睡眠薬もかなりの量入っているはずなんだが、21時ごろに寝て、目が覚めたのが0時過ぎ。
なんで朝まで寝られないんだ!(怒)
しかも日記を書いている間に4時近くなってしまった。

明後日から始まるGくんと3人での北関東車中泊旅行は、今回急にGくんが「行きたいところや通り道、泊地の選択はすべてせいうち家にまかせる。文句はあとでまとめて言う」と宣言してきた。
これまでも「旅をする」意味が全然違うGくんと我々は話が合わない点が多々あったのだが、今回は「いっぺん試してみたい。せいうち家流も楽しいのかもしれない」と常に前進し続ける男Gくんが言ってくれたので、「友達として、意気に感じてくれたんだと思う。頑張る」とせいうちくん。
「泊地に入る前に夕食やお酒を買う大型スーパーとかチェックした?」と私に聞かれて「調べてなかった」と落ち込みながらも一生懸命マップを埋めている。

何しろ相手は、行った先の県内で全部の道の駅に車を停めてみて「ここは制覇」と嬉々としてマップにマーキングするコンプ癖のある鉄ちゃんだ。
そういうヘキのない、「目的:花が咲き乱れてるところが見たい」「じゃあ花のある公園だけチェックしよう」という緩さの我々を赦してくれるとは到底思い難い。

ただ、車を停めて散歩し、結局同じような道を戻ってくるだけで「往復運動をしてしまった」と不快になるような無駄の嫌いなGくんは、途中で野放しにされて散歩先で車に捕獲されたいという、1人旅では絶対に無理なパタンを今回は楽しんでみたいようだ。

我々の一番のチャレンジは、冷凍うどんと麺つゆとネギの小口切りと七味を持って行って、夜の車内でガスコンロを使って温かいうどんを食べることだ。
前にカップ天ぷらうどんは食べたが、アイスボックスの中で冷凍うどんが1日2日もてば、食費がけっこう抑えられるのではあるまいか。
途中のスーパーでお惣菜のかき揚げを買って「天ぷらうどん」にしても1人分200円ぐらいで済むのでは。
それより先に私がファミマのカフェラテをついつい買ってしまうのをやめるべきだとは思っているのだが。

24年4月17日

車中泊の準備。
この寒暖差の激しい季節に、どこの山の中で寝るのか、そこはどのくらいの気温なのかさっぱりわからないので荷物が多くなる。
特に私は暑いのが苦手で、すでに半袖で動き始めているほどだからなぁ。

あと、風呂に入れた時に今や必須となったクリームや日焼け止めをいったん洗顔料で落とさなければならなくなったため、風呂のない日のために顔用のふき取りシートなんてものも必要になるかも。

まだまだ車中泊初心者なので、いまだに何が必要で何が不要なのかまったくわからない。
ただ、薬とシップ、鎮痛ジェルや各種目薬などの余分な荷物は確実にあるので、今回薬関係はひとまとめにして袋に入れてある。
これはこれで、昼の薬だけは別にしておかないとどこかで車外活動中ですぐに取り出せないという危険がある。
もちろん時間に幅があってそれほど「正午にのむ」とか決まってるわけじゃないんだが、タイミングを外すとすっかり忘れてしまったりするから。
まあ、昼の薬はしょせん緩下剤と自律神経の薬だから、1日やそこらのみ忘れたからって、別に困らないのに、私には私の変なコンプ癖があるんだろう。

iPad Proにはマンガを264ギガのメモリぎちぎちに入れてあるから、たとえ途中で男どもが山に登りに行ってしまっても「膝が悪いから」と留守番を申し出て、ずっとマンガ読んでようとは思う。
車の中が暑かったらどうしようかなぁ。


野田サトルの「ゴールデンカムイ」を通読してから佐々大河の「ふしぎの国のバード」最新巻を読むと非常に面白い。
ついに蝦夷地に到達したイザベラ・バードと伊藤。
アイヌ人とは言葉が通じないが見事な弓の腕で鹿を狩る彼らに感動するバード。
慣れない和人はアマッポ(毒矢の罠)に引っかかって「アイヌの毒に解毒剤はない。刺さってすぐならまわりの肉をえぐり取るとかの方法があるのだが」と言われて怒って帰る。
アイヌ迫害&減少の最中だから、金カムの時代より少し前ということで、英国は対ロシアを考えた時の北海道の重要性を強く意識している。
そのため英国人に北海道を印象づけられるバード女史の旅行記が意味を持つらしく、英国公使が大変な便宜を図ってくれる。
プラントハンターの持ち込む樅ノ木より優先。
その後日露戦争が起こったことを考えると、マンガによって時代をつないで見られるのはとても勉強になる。

24年4月18日

せいうちくんは出社。
帰る頃にGくんが車を運転してきてくれる手はずになっている。
家にいる間にやらなきゃいけないことがたくさんある気がして焦っているが、今更PCへのメールをスマホで読めるようにするとかやっても無駄なので、気にしない。
どうせせいうちくんが自分の方で読めるようにしてくれているし。
マンガの山は全部スキャンが終わった。
これで今日また届いたりしたら「OMG!」となるだけだ。
それより長い留守の間にAmazonからいっぱい本が届いて宅配BOXを多数ふさいでいないかが心配。
先日、実際に起こったんだ。郵便受け以外に6つものBOXを占拠してしまった事件が。
できるだけGWが終わるまでマンガの注文はしないようにしているが、新巻は2,3か月前に発売がわかったとたんに喜びのあまり予約をポチっとしてしまってるからなぁ

さて、自分のリュックでも詰めるか。
せいうちくんが帰って、Gくんが来たら、凍らせたお茶とか冷凍うどんとかの食料品をクーラーボックスに移し、たくさんになってしまった着替えと薬はちゃんと分けて袋に入れた、お茶や紅茶のティーバッグは持った。

そうそう、せいうちくんは冷凍うどんを茹でて食べるために鍋やめんつゆも準備して、刻み葱もタッパーに入れたのは立派だが、「蓋がしっかりしまるから」という理由でめんつゆを1リットルボトルからラベルレスコーヒーのボトルに移してしまった。
「コーヒーは粉コーヒー持ってって魔法瓶のお湯で作るから、大丈夫」と言うが、私は冷たいコーヒーが飲みたいからBOSSのラベルレス持っていくぞ。
見た目は完全に区別のつかない「めんつゆvs.ブラックコーヒー」のロシアンルーレットだぞ。

目印にガムテープかなんか巻いとこうと、しっかりくっついて結露でつるっと剥がれたりしないテープを探しているせいうちくんに言う。
「白いキャップをつけたら?」
コーヒーのボトルキャップは黒いのだ。
野菜ジュースの白いキャップがたくさんあるから、流用したまえ。
「すごいっ!天才だ!ノーベル賞ものだ!」と感嘆するせいうちくんのおかげで私は何にも労働をしないで暮らしていられるのである。
思考とも言えない思考を巡らすだけで、特許持ってる人のように「食っていける」。
肉体労働を何とも思わない人と、頭脳労働(とも感じない程度の思いつき)を何とも思わない人のベストマリアージュ。

でも旅の間は何にもしないとさすがにGくんに怒られちゃうからな。
今回は早めに不調宣言をして、薬をのみながら旅をさせてもらおう。
万が一、飲酒後の夜中に移動せざるを得なくなった時が、一滴のアルコールも入っていない私の唯一の出番だろう。

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