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同人誌即売会とかよくわかってないのに独りでTOONMIXに行った話

・元々私はツイッターで中学の頃ぐらいから絵師さんのファンアートを見ていたが、周りの人と行く機会などもなかったし、わざわざ即売会に赴くまでではなかった。しかし、大好きな絵師さんが本を出すと告知していて、居ても立っても居られず、気づいたら手帳に日付を書いてた。

・行こうと思った時誰か誘おうかとも思ったが、興味のない人を無理やり連れて行くのは良くないなと思って独りで行くことにした。

・ツイッターで気になるなーと思うグッズを一通り見て、それをメモっていくらぐらいになるか見たら二万ぐらいになった。そもそもの予算はかけても1万円ぐらいだと思っていたが、こういった機会はほとんどないだろうしせっかくなので銀行で2万円下ろした。でも2万って結局の額よ?2万あったら普通にディズニーランドで遊んで帰ってその足代までつくべ。

・当日6時に起きようとしたらバッッッチバチ1時間ぐらい寝坊した。バイト1時間も残業したんだよぉ、同伴者いないから良いじゃんょぉとぐちぐちと心の中で呟きながら、玄関を開けた。

・ビックサイトに着くと、サークルの方の列と一般の列が分かれていて、サークルの方にもキャリーを持った人たちの方もぞろぞろといっぱい並んでいるのも見た。この人達全員なんかしらの制作物もってるの?、自分みたいな存在が本当にここにいて良いのか?…不安だ。

・一般待機列のは入るホールによって異なっていてお目当てのTOONMIXの列は小学校のグラウンドぐらいの広さの屋上みたいな場所だった。いろんなイベントが当日同じホールで行われていたので、そこにはいろいろなジャンルの者であろう人たちが詰め込まれていた。

・こういうイベントは始発で乗らないと終わるのかなと思っていたが、11時開場で9時半に着いたら半分くらいしか埋まっていなかった。一時間後ぐらいには待機場所はいっぱいに人が埋め尽くされていたが。

・やはり一人で来ている人は少ないよう見えたが全くいないわけではなさそうだった。(一人勢は3割ぐらい?)

・パンフは雨だし買わなくていいやと思って素通りしていたが、3割くらい人が手に持っていて赤ペンで気になるサークルにグリグリ丸をつけていた。こういうパンレットは丁重に持って帰る記念品として販売しているのかと思ったので、意外だった。でも金欠の私はできないな、これやったら全部のサークルが分かっちゃうってことでしょ?怖くないの…?

・11時ちょうどになると拍手が起こった。
 そういう文化があるのか、前の人たちが全員この世界のBOTなのか。

・ぞろぞろと並んで入場した。会場内はめちゃくちゃ広かったし、アルファベットが分からないので自分が今どこにいてどっちに向かうと神絵師サークルに行けるのかも分からなくなって泣きそうになった。

・行く前はサークルの番号とかアルファベットの大切さがわからなかったけどあれめっちゃ重要なんですね。番号とかよくわからなくて目的のサークルの隣のサークルの列に並んで近くになるまで全然気づかずに並んでいて、ふぇぇぇと(心の中で)叫んだ。


・ちゃんと目的のサークルの列に並べた。並んでいると、中学の頃から見ていた大好きな絵師さんが列の間からチラチラと見える。画面越しでしか認知していなかったあの人は、本当に実在していてさらには、あと数分で話せる。夢じゃ無い、どうしよう、今ならまだ引き返せる、でもちゃんと応援してること伝えなきゃ、どうしよう。列が進むごとにドキドキが増していき、前の人が去った途端頭が真っ白になった。

・真っ白になったので、あるものを全て頼んだ。彼女は慣れた手つきでトートバッグに本を詰めていく。あぁ言わなきゃ、応援していますって。言わなきゃ後悔する。応援しているってだけ言えばいいんだ。彼女は笑顔で袋を手渡した、言わなきゃ。「あっ、あの、いつも応援しています」彼女は微笑んでいる。嬉しい。「あの、数年前に、リクエスト、した、あの雲が綺麗な愛の、はい、絵、私なんです、リクエストしたの、」まずい、口が止まらない。彼女はあぁあの絵ですか、ありがとうございますと微笑んでくれた。私のこと覚えていてくれた。嬉しい、どうしよう。「あの絵とても好きで、本当に、ありがとうございますっうっ…」あれ、涙が出てきた、なんで泣いてるんだ、うしろに並んでいる人もいるのに、ごめんなさい、涙止めなきゃ、どうしよう止まらない。そんな私に対しても彼女はずっと微笑んでくれた。そんな風に言っていただけるなんておもってもいませんでした、ありがとうございますと優しい声で言ってくれた。しかも腕を広げ、ハグしますか?と聞いてきた。頭が真っ白なのに余計真っ白になった。一応、えっ?いいんですかと聞き、ちゃんもいいですよと返ってきた。飛び込んだ。後ろの方なんてどうでもいい。私はあの絵を描いたその腕の中に飛び込んだ。暖かかったこと以外は思い出せない。でも私はハグしてくれたという事実がただただ嬉しかった。

・大好きな絵師さんサークルから離れた後も、涙が何故か止まらなかった。泣いたままほかのサークルに並ぶのは流石にダメだろうと思ったので、ぜーんぜん知らないジャンルのサークルの作品を見て心のバランスを取った。

・全く知らないおっさんが抱き合っているエロ本を見たら涙はスッと消えた。やったぜ。

・知らない島から戻って他にも好きな絵師さんの本を買ったり、知らないけどツイッターであらかじめ調べておいた人の本を買ったりして重くなる手提げに「幸」を感じた。軽くなる財布は見ないフリをした。

・実際にまわって見てみると、ツイッターで見つけられるサークルには限界あって、本当はもっとたくさん良いサークルがある事を知った。

・ツイッターでは私が好きな界隈の本が殆ど見つからなかったが、一つの島の半分くらいがその界隈の本だったりした。片っ端から買った。見知らぬサークル主さんと界隈特有の挨拶や、この界隈の良さを話した。幸幸幸幸(大神のやつ)…

・あと好きな絵師さんのカラーの色紙が1000円で売られていて、有るだけの財を全て使って買えるだけ買った。残り260円しか無いですよーガハハと絵師さんに笑って言ったら、本気で心配された。でも直筆の絵でさらに色もついているものが1000円は実質原価だし、タダ同然だから仕方がない。ご飯は抜きになったけど帰れはするから、大丈夫。

・260円しか無くなって二進も三進も行かなくなったので、帰路に着いた。帰る前にもう一回顔が見たくなったので最初に向かった大好きな絵師さんのサークルに行ったら、シャッターの外で長蛇の列になっていたし、ちょうど全部売り切れの瀬戸際で列全体がピリピリしていた。フゥ〜ッ。

・帰り、人身事故かなんかで電車が止まりそのせいで電車が日曜のお昼なのに滅茶苦茶に混んでいた。今日ほど満員電車を恨む日は無いと思う。幸が潰れてしまうだろ!満員電車撲滅!満員電車撲滅!

・雨はギリギリセーフだったので、一滴も本たちを濡らさずに帰ることができた。日頃の行い万歳!

・家に帰ると、課題、描きかけのイラスト、ヤバめの課題、イベント周回、課題、片付けなどが待ち受けていたが、全てを投げ捨てて戦利品の本たちを広げた。1ページめくるごとにあまりの良さに、胸がキュッとなり、本を閉じ、イベント周回をし、またページをめくり、キュッとなり、イラストを描き…ということを永遠ににしていた。幸が直接五臓六腑に染み渡る。課題は全く手をつけてない。だがしかし、むしろ本があるのに課題に手をつけるのは課題も進まないし、読んでハッピーになってからでもどうとでもなる、未来の自分がどうにかしてくれる、はず。




・(追記)どうにもならなかったです。

スキを押されたら飛び跳ねちゃうぐらい嬉しいし、お金も人並み以上に好きです。でも、最後まで読んでくれる貴方が一番好きかもしれません(チュッ)