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機能と祈り

 荻田さんとの第二回の打ち合わせを行った。今回は1年間の総合的な学習の時間の大きな見通しと1学期の具体的な計画を立てた。

 今年度の総合的な学習のゴールは子供たち一人一人が自分の強みを理解し、表現すること。では、強みとは一体何なのか、その問いについて考えさせられる会議となった。
 僕は子供たちに自分の強みとは自分のリーダーシップを理解し、育てていくことだと考えていた。ここでのリーダーシップとは前で引っ張ることではなく、他者に良い影響与えること。その指標として、玉川大学TAPセンターの川本和孝先生に教えてもらった山登りリーダーシップ× PM理論で考えられる8分類のリーダーシップを用いようと思っていた。
 しかし、荻田さんの話を聞いて、リーダーシップという視点だけでは、強みとしては足りないのではないかなと思い始めた。
 荻田さんは「機能と祈り」の話をしてくれた。機能とはその人の持つスペックだ。例えば、お父さんの機能をお金を稼いでくる人とする。機能だけでお父さんを考えていると、よりお金を稼げる人が現れたときにお父さんを交換するという考えになる。
 しかし、現実そういうことにはならない。何故ならお父さんには「祈り」という他の人では人では変えの効かないものが存在するからだ。例えばお父さんと過ごしてきた思い出というのは祈りである。その祈りがあるからこそ、より、お金を稼いでくる。お父さんが現れたとしてもいきなりお父さんを変えようということにはならない。
 この話を聞いたときに、そしたらリーダーシップは機能なのではないかなと考えた。強みをリーダーシップとすると替がきくことになってしまう。強みとはきっと代替不可能なものであるとすると、もう一方の祈りのほうにも、焦点を挙げていく必要があるように感じた。
 子供たちが自覚してほしい強みとはリーダーシップ×祈りとなってくるはずだ。この祈りとは子供たちにとって何なのか?友達との思い出か?何かを一緒に作るプロセスなのか?その本人以外では替えの効かない何かを授業の中で見つけられるようにしたい。

 そんなこんなで、正直はっきりとした答えが出ないままスタートしてしまおうとしている。しかしプロジェクトとはこういうものなのかもしれない。何か進みながら考え修正し、ゴールへ向かっていくしかないようにも感じ思えてきた。

 まず1学期は、子供たちが主体的に物の見方を変えると言う体験をたくさんしていきたいと考えている。
 第一段階として物の見方を変える教室の中にあるもの、学校の中にあるもの。そして学校の周りにあるもの、身近なものを角度を変えて覗き込んだり回り込んだり中に入ってみたりしながら見てみることで、いつもとは違ったものが見えるということに気づいていってほしい。そこで見方の練習をする。
 第二段階は人の見方を変える。学校外の大人に出会い、凄そうに見える人の普通な面や、普通そうに見える人の凄い面を見ることで、1人の人間にはいろいろな面があることを感じてもらう。
 そして第3段階として自分の見方を変える。そのために子供たちに学校生活での自分役を演じてもらう劇をつくると言うアイディアが出た。普段の自分のことについて脚本を考えていく中で、友達から「お前そんなんだったっけ?」とか。「いや、お前だったらこういうはずだ」みたいなフィードバックを受けながら実は自分が思ってる自分と他者から見られている自分の違いに気づき、新たな自分の目を発見していけるのではないかと言う仮説のもと劇を作っていく。

 このプロジェクトは本当にどうなるかわからない。しかし、荻田さんと学年での打ち合わせは毎回ワクワクしているし、子供たちに授業をするのもとても楽しみになっている。きっといろいろな軌道修正をしながら進んでいくんだろう。

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