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書き出すためには何が必要なのか?

今日、作家の時間で、1人の男の子に変化が起きた。
今まで絵だけを書き続けていた子だ。
YouTubeで今子供たちに人気のスキビティートイレに出てくるカメラマンやテレビマン、そしてその他のキャラクターをひたすらに書いていた。
ストーリーなどはなく、とにかく思うが、ままに絵を描いている様子だった。
その絵を見て
「この絵ってどんな話なの?」
聞くYouTubeで見ているキャラクターだということ教えてくれたわ。それ以上はなかなか話が発展しなかった。

そんな子が今日の作家の時間で
「何を書いたらいいかわかんない」
と困っていることを伝えてきた。
「どんなことが書きたい?君の好きなことって何?」
と、聞いても
「わかんない」
と言うだけだった。

3学期になって本人がお母さんに買ってもらった。24色のクレパスがあった。
それを大切そうに友達に見せている姿を思い出し
「クレパスのお話とか書いてみたらどう?こういう絵本もあるんだよ。」
と教室にあった1冊のクレヨンのお話を紹介した。

一緒にクレパスを眺め
「どの色が好きなの?」
と、聞くと
「この色」
と、レモン色のクレパスを指差して教えてくれた。
「その色を主人公にして書いてみたら?」
と、話すと、自信なさげにうなずいている。

しばらく他のところを見に行きとその子を見ると、普段とは違った様子で紙に向き合っていた。

見てみると、クレヨンに顔をつけたキャラクターを描き、なんと文章を書き始めていた。
僕にとっては、とても感動的な瞬間だった。

この子がなぜ書き出せるようになったのかを少し分析してみた。
僕のカンファランスも要因の一つだとは思う。
しかし、それは2学期もやっていた。

そしたら違う要因もあるはずだ。

前日に国語の授業で絵本の紹介文を書いていた。
彼はその文章に関しては、僕と話をすることでかけていた。
その文章に対して、子供同士がフィードバックをする活動をしていた。
そこである女の子から 
「文字が読みやすくなったね」
と言うコメントをもらっていた。
彼は字形がなかなか取れず、読めない字が多かった。
確かに、それに比べると、その時に書いた事は読みやすくなっていた。
冬休みに練習をしていたのかもしれない。
その友達から成長を認めてもらったコメントは、文字を書くことに自信をつけたのではないかと思った。
今までは、自分の書く文字に自信がなくて、なかなか文を書けなかったのかもしれない。

人が一歩踏み出すきっかけは様々だと思う。
その瞬間を見れたことに喜びを感じた日になった。

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