とのつかかをる

写真(フィルム中心)と紙と万年筆とガラスペン贔屓。小説と俳句を創作(捜索)中です。読売…

とのつかかをる

写真(フィルム中心)と紙と万年筆とガラスペン贔屓。小説と俳句を創作(捜索)中です。読売巨人軍推し。

最近の記事

四週間

地震から四週間が経ちました。 石川県民です。 とはいえ、加賀地方の某市に住んでおり、生活に支障のあるような被害はありませんでした。 掛け時計が落下して破損し、自室で棚の上の物がほぼ床に落ちた位でした。 多少の不便はありつつ、現在は日常を送れている毎日です。 ただ、ひとりで部屋にいるとしばしば揺れているような感覚があります。 完全ではないにせよ、普通の毎日が戻りつつあります。 一方で、明らかに閑散としている街を目の当たりにもしています。 能登の復興は始まったとすら言えない状

    • TLのようなもの(notタイムライン) 2

      11月の文学フリマ東京用の話の続きです。 (区切りのいいところまで載せる予定です) 現代日本風、ちょっと危険な香りのする欲に溢れた恋愛モノ(上記のタイトルの通りです) 想像で書いた陰の社会が舞台です。 1はこちらです。 https://note.com/tonotsu_kaolu/n/nad68d38ae570 - - - - -  考えてみれば、翻弄されるだけの人生だった。  たかが二十年で偉そうなことを言うなと罵られるかもしれないが、本当にその通りなのだ。生まれた家

      • 入院していました

        といっても火曜入院→土曜退院の短期でしたが。 院内食食べて、点滴たくさん打って、薬飲んで、という感じです。 自由がなかったのが辛かったといえば辛かったですけれども。 (検査も多かったので病院食とお茶と水以外は口にできず過ごしました) 覚えておきたいことを幾つか箇条書きで残しておこうかと思います。 ・入院日何故か謎の発熱 (受付では平熱でした…看護師さんも首を傾げていました) ・手術室へはストレッチャーや車椅子で移動とは限らない ・例によって血管に針が刺さらず手術室で点滴針を

        • TLのようなもの(notタイムライン)

          …を、11月の文学フリマ東京向けに書いています。 現代日本風、ちょっと危険な香りのする欲に溢れた恋愛モノ(上記のタイトルの通りです) 想像で書いた陰の社会が舞台です。 …キャプションはこんな感じ? - - - - -  ゆっくりと歩み寄ってきた気配が隣に座る。ソファーの革張りが軋んだ後の流れは判っている。加えて、自分がすべきことも明らかだ。  傍らを見れば、漆黒の瞳がやわらぐ。顎を取られて軽く持ち上げられた。目を閉じれば吐息が近付き、やがて唇が重なる。  最初は触れるだけ

          にがいこいのはなし

          二度ほど恋をした。 一度目は大学時代。 部室で初めて出会った、三歳上の先輩に恋をした。 彼には恋人がいた。 彼女は美人だった。女の目から見ても、とっても。 叶うはずのない恋だった。 二度目はネット民一年目の頃。 とあるチャットで知り合った、二つ上の男性に恋をした。 彼には恋人がいた。 彼女を見たことはないけど、可愛い人だとは聞いた。 やっぱり叶わない恋だった。 一度目の彼は、遊びなら付き合ってくれると笑っていた。 遊びでもと冗談で言っても、結局付き合ってはくれなかったけ

          にがいこいのはなし

          サイクリングターミナル

          何故あんなことを考えたのか、そして何故実行したのか、今でも判らない。 何しろ私は運動音痴だ。徒競走は必ずビリ、2キロ走もゴール時には卒倒寸前、体育の時間は苦痛そのものだった位だ。 成人し、運動とはほぼ無縁の生活を送ってきた私が四国に渡った。自転車でしまなみ海道を走る為だけに。 などと偉そうなことを言いながらも、自転車は電動サポート付きのもので、行程も今治〜来島の往復という最短距離でしかなかったが。しかも復路、道に迷うというおまけ付きで。 それでも自転車で風を切る爽快感を感じる

          サイクリングターミナル

          追ってくる次の日

          8月31日。 私にとってそれは、多分3月31日だったのだと思う。 (或いは4月の始業式の前日) 昔の私は異常な程の人見知りだった。今もそうだけど。 進級したその日は、憂鬱で仕方なかった。 新しく友達はできるのか。 私をいじめていたあの子はまた同じクラスなのか。 平穏無事に一年を送れるのか。 楽しく笑いながら過ごしたかった訳じゃない。 (勿論そうであれば嬉しいけど) ただ乱されず、過ごしたかっただけ。 その時の思いを、今もまだ私はきっと引きずっているのだろ

          追ってくる次の日