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SNSで被写体さんを探す話

やあ。
被写体なの?モデルなの?みたいな論争もあるけど、僕は被写体って言い方が好きなのでこのまま統一します。
今回はポートレートやってみたいけどどうしたらええのん?な人向けです。

そもそも被写体さんって何なん?

ポートレートやってない人には結構異次元な話だと思います。
人を主題にして映像を撮影したい場合、多くの場合で問題があります。
いきなり、撮らせてーって道歩く人に言ってOKもらえるでしょうか?昔はナンパして写真撮らせてもらった、なんて話もあって、一日百人に声かけたよねーみたいな人もいましたが、個人情報管理が厳しい現代社会、そしてうっかりすれば炎上リスク、身バレリスクと表裏一体のSNS社会においてそうそう簡単にOKを貰える訳もありません。ちなみに僕は結構声かける方です。

一方で、写るを趣味や仕事にする方もいらっしゃっいます。SNSの発達による人との繋がりやすさを使って、ポートレート界隈は撮り手と写り手がうまく結びついてきました(故にトラブルがなかったわけでもないみたいです)。いい時代ですね。

私の場合、人を主題にして何か訴えるような、あるいはそういうシーンを撮影したいと思っていますので、この恩恵を崇めつつ、今回はたまに聞かれる、写る方ってどう探してるんですか?という質問に答えます。

被写体さんの選び方

まあ、簡単で、自分が撮りたいと思う方を選びましょう。
スケジュール、立地から難しい場合もあります、特に地方民だとしんどいです。しんどいです・・・

なのでまずは各地方にある(であろう)撮影会を探してみるのをお勧めします。そこで撮りたそうな方を探すのが一歩目かなと思います。

ここで結構問題なのは、撮りたい方ってなんなん?という話。
美しい、かっこいい、筋肉がいい、スタイルがいい、顔が好き、なんでもいいのですが引っかかるものがあるのが一点目、そこから先に行くと、自分の絵面に合うかどうかが二点目。
大体二点目で躓いている人が多くて、「そもそも絵面ってなんなんだよ!」って話になるんですが、暗い絵に僕みたいな哺乳類を入れてもコントにしかならないですよね?紫陽花の季節だからしっとりめで!、そんな絵面に哺乳類を入れてもやはり絵になりません。
要するに、決まっている要素=背景なのか雰囲気なのか、色味なのか明るさなのか、そこに対してこの人が合っているかな?ということです。

なので、三点目になるとある程度完成した絵が合って、そこに合うかどうかになると思います。二点目の延長になりますが、そこからさらに狭めていくイメージです。ある程度そこをクリアにして、この人だ!みたいな人がいたら申し込みしてみましょう。

撮影会にいくといいと言ったのは、撮影会だとある程度背景決まってるので、被写体さんたちも衣装類を合わせてくれます。そのため絵にしやすいというのが私の印象。

個撮をしてみよう

とは言っても、人は欲深いもので他人にセットアップされた環境で満足いかなくなる瞬間が必ずきます。なので自分でスタジオ借りて、あるいはストリートで、あるいは山の上で、海の中で撮りたい!という感じになるわけです。
そんなあなたの写真欲を存分に発揮する場所、それが個別撮影、個撮です。

個撮依頼する前の準備

ここで結構止まる方が多い気がします。
そう、何事も段取り七部(八割?)な訳でその解説です。

まずは作例です。これがないと話になりません。
写真がないアカウントから急に撮影の依頼があったらどうでしょう?本気なのかなーと思います。
例を挙げれば、たまにSNSコンサルです!みたいな人からDM来るかと思います、その方のフォロワーが二桁とか、実績がプロフにない場合どうでしょう、胡散臭いと思うはずです。それと同じで、何かをお願いするときにそれなりの実績、過去の経験が提示するのは大事なこと。撮影会の作品をアップしてもいいかもしれませんね。
SNSで被写体探すならまずはSNSで発信する、これ大事です。

依頼する際に確認しておくべきこと

1 希望する日時
よくあるやつで、いつか撮りたいでーす、みたいな言い方、よくないです。以前私もやってましたが、これだと社交辞令で終わってしまうんですね。

撮影する意思があるなら、何月のいつからいつまで、あるいはピン打ちで日程お願いすべきです。相手を慮ってふわっとした言い方をするのかもしれませんが、仕事なりとしてお願いするのですから日時はしっかり指定しましょう。合わないなら別日程を交渉すればいいんです。

2 場所と内容
どこら辺で、どういう撮影をしたいのか。しっかり伝えましょう。それによって準備も異なります。また、作例にない撮影は基本的に被写体の方は受けません。特にランジェリーやヌードなど肌感のある撮影を受ける方は作例があるはずなのできちんとチェックしましょう。仲良くなって、とか作品として撮影したくてお願いするというパターンは僕もあります。ですがそこは空気感やクレジットをしっかりつくる、強要しないというのがマストだと思います。

あと、場所。
私は後回しにしちゃうパターンが多いので反省。
都内なら移動はそこそこ負担ではないですが、地方の場合は車移動になったりもします。その際同乗がOKなのか、NGなのか。NGならどうやって現地に移動するのかも打ち合わせしておくと楽です。

そして衣装ですね。
これの指定は大事です。イメージがあるならその辺、色、形などはある程度指定しましょう。

3 時間あたりのフィー、そもそも有償なのか無償なのか
大体有償の方は時間あたりのフィー、依頼時間、交通費の扱いなどが記載してあります。そこはしっかり確認してください。また、支払い方法もチェックしておきましょう、基本現金の方が多いです。お釣りないように持っていくと好感度高いと思います。
無償の方ならどこまでを無償とするのか、例えば撮影料は無償だけど交通費はいただくよーとか、要望された衣装代は別途ねーとかあるわけです。大抵はプロフに書いてあると思いますが、わからないならしっかり確認してください。のちのトラブル防止になります。

4 データの用途
これもしっかりお話ししておいて、SNS上げるのか、展示出すのかブックにするのか、ある程度可能性のあるのは僕は伝えておきます。相手方も生活がある以上、カバーできる範囲には限りがあります、その辺を考慮しつつ、どういうところに自分の肖像が出るのかは伝えておくとお互いに不安が減ります。
また、本の販売や広告使用などの場合はそこも伝えておかないとトラブルの種です。法律的な話はまた別としても、やはり自分の肖像で勝手に商売されたら面白くないですよね。伝えてOKならよし、ダメならどういう条件ならOKか話をする、これ大事。

データチェックの話

結構揉めるのはこれで、撮り手と写り手、人と人で価値観が違います。
僕はOKでも先方がダメ、みたいなケースはあるので、データチェックがまず必要かどうか、必要ならいつくらいまで終わるのかをしっかり把握しておきましょう。コツは締め時間を指定すること、いつまでチェックしておいてねーみたいな感じで猶予があればお互いOKかと。

あとデータの渡し方。最近だとLINEのアルバムな人も増えましたが、LINEをプライベート運用している方も多いので、基本Gigafile便でSNSのDM経由が安全だと思います。

余談

さて、有償か無償かという話。

経験として、無償の方は作品として自分を残して欲しい、という方が多く、ロケ地や衣装など、結構話し合いすることが多いです。お互いに時間を使って撮影するわけなので相互にできるだけ納得できるような形にしたいと僕は思っています。付き合い長い人だと、今月SNS投稿ないんや!とかで急遽お願いしたりとかもしますし、三ヶ月とかかけてこういうのーとかああいうのーみたいにわいわいすることもあります。
この辺、プライベートでもそうですよね。お互いがいい時間を使えるようにどうしたらいいかを考えてるか否かで、付き合い方って変わるんじゃないでしょうか。

逆に有償の方は撮り手の要望やイメージをしっかりと煮詰めてくる方が多く、私は注文を結構出します。過酷なロケだったりすると無償の方にお願いしづらいので有償の方にお願いしたりとか。仕事なので、その範囲をしっかりと説明してお願いするのが大事です。
ある程度のイメージはあるけどそれを落とし込めない!みたいな場合、有償の方にサンプルやイメージを伝えておまかせでもある程度やってくれる方が多いと思います。

準備は上記で大体OKです。
集合場所で合流して、どの段階から個撮とするか、この辺も煮詰めておくとヤキモキしないかもしれませんね。大体はカメラ回し始めてからって方が多いですが、移動時間も含んだり含まなかったりと人によってここも違うので、心配な場合は確認しておきましょう。

まとめ

被写体探し、交渉は相手を仕事の取引先だと思って対応すれば大体間違いはないし、あったとしても誠意を持って謝れば許されるはずです。
あくまで僕がやってきたこと、気づいたことを書いてますので、間違いなどがあったら笑ってください。被写体に依頼する上でこうした方がお互いスムーズだよね!という部分なので、そこが伝われば嬉しいです。
では、良いポートレートライフを。

余談の余談

被写体さんと話してこれ困る、みたいな話題があったのでセンシティブじゃない程度に解説しておきます。

・撮り手からの「どこで撮影したいですか?」
これ、依頼側がどちらかによって結構変わるんですが、八割九割は撮り手から声をかけると思うのでその前提で。
イメージを煮詰める的なことを上記に書いておきましたが、ここを被写体側に投げられるとすごく困る、というか答えが出ないはずです。(被写体さんが「こういう撮影したい!」みたいなのを出してて、そこでの話なら別です)
そもそも撮りたいの君やん!みたいな話で、まずは撮りたいの根本、見つめる、大事。

・アバウトな指定
衣装や待ち合わせ場所がアバウトだったので、考えて現場に行ったらダメ出しされた、という話を聞きます。
ちょっと厳しめですが、任せたなら任せたなりに責任を負いましょう。OKしたのはあなたです。基本、依頼した側が全てを主導すべきと僕は思っているので、任せたところがあるならそこも許容すべきです。不安であればしっかりと相談する。これ大事です。

・一瞬迷う系のお願い
一番に考えなければいけないのは、被写体側がここまできて、撮影して、ここから帰る時にどうするか、です。
例えば濡れ髪、全然OKな人もいれば用意しないとダメな人もいます。事前のイメージの突き合わせが大事なのはここで、濡れ髪撮影するならするなりでケアや用意があるわけです。ノリでOKできない人もいる以上、する意思があるならまず可否を打ち合わせましょう。そう言いつつ僕はノリでお願いしたことがあります。

・季節ものの注意
暑い、寒い問題で、暑いのはなんともならないので適宜休憩挟むようにするとか、日焼け止めタイムをしっかり取るとか、機転を効かせましょう。寒い場合はホッカイロ持参するようにいうか用意する、ブーツから上に雪が行きそうなら伝えておく、などなど。

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