発達性協調運動障害とASD他モロモロの息子20歳の今。

今日は発達性協調運動障害+ASD+ADHD+軽度知的障害+トゥレット症候群の息子の今の様子について書きたいと思います。

発達性協調運動障害とは、簡単にいうと恐ろしく不器用。詳しくいうと、手先の微細運動と、体を使った粗大運動にも不器用さを持っています。今まで苦労した印象深い苦手動作は、母乳が吸えない、ストローが吸えない、麺類がすすれない、歩き方のぎこちなさ、自転車の練習、箸の使い方、鉛筆の持ち方、縄跳びが1回も飛べない、鼻をかめない、靴紐が結べない、ベルトができない、ネクタイが結べない、うーん、他にも色々あると思いますが、今、パッと思いつくのはこれくらいです。

では、現在は?どうなったかといえば、、、
ストローは教え始めて3ヶ月くらいかかったと思いますが、できるようになりました。3歳ごろだったと思います。麺類は時間がかかりましたが、小学校3年生くらいの時には、ずるずる〜〜っとお蕎麦を食べていました。できない時は1本づつ口に入れていましたが、10本くらいまとめて吸ってみよう!とコツコツ言い続け、、、体の成長と共にいつの間にかできるようになっていました。歩き方は今でも、何となーく、ヘナヘナと歩きますが、歩いているので、ヨシです。

自転車は年長さんの頃に、旦那が昭和の猛特訓状態でやってました。あの頃はストライダーもなく、補助輪を片方づつ外して徐々に慣れる、、という典型的な昭和スタイル、息子も泣きながらどうにか頑張りました。結果、乗れてます。小学校の頃は自転車で遊びにいくようにもなりました。

あとはお箸。。。これは、ちょっと可哀想なくらいスパルタで私が教えました。何というか、障害がわかる前だったので、とてもおすすめできるやり方ではなかったです。エジソン箸とかも使わず、ひたすら、お箸1本だけ持つところから初めて、手取り足取りって感じで、それはもう、、、必死の形相で、、。
最終的には豆を掴む、というところまで・・・。今でも厳しかったのを覚えているそうです。

「怖かったよね、お母さん、、」と聞いたら、「うん。怖かった。でも、ちゃんと持てるようになったからよかったと思う。」と言ってくれました。魚が好きな息子はお箸で、さんまの塩焼きも綺麗に頭と骨と尻尾だけ残るように食べています。
食べ方は自慢じゃないですが、とても綺麗だと思います。でもちょっとやり過ぎたと思います、、、反省。

鉛筆は箸の持ち方ができるようになると、割と簡単に覚えてくれました。それより困ったのが、両手を使って書けない、ということでした。左手で紙を押さえて、右手で書くとか、消しゴムを使う時に、左手で支えながら紙がぐちゃぐちゃにならないように消す、とか、、、。当時は難しい場面も多かったですが、気付いたときに「左手で押さえるんだよ」と言ってやってみせるようにはしていました。

今は、あまり字を書く機会もないですが、就職の時の書類とかを見ていると、ちゃんと左手で押さえて書けていました。枠の大きさも(少しは)考えてかけるようになっていました。

縄跳びは個人的には「別にやれなくてもいいじゃん」と思ったのですが、、、学校でやらなければならず、一生懸命練習して、前跳び2回飛べたところで「やった〜〜〜〜〜!!できた〜〜〜〜」となり、終了しました。本当に大変だったんです。0回→1回も大変だったし、1回から連続で2回飛ぶ、もさらに大変で。。あんなに縄跳びの動きを研究したことなかったです。分解して練習しました。ジャンプだけ、手だけ、縄を回すだけ、とか、、。本当によく頑張ってくれたと思います。

縄跳び大会で、クラスごとに一人づつどんどん抜けていくやつ、なんという名前か忘れましたが、あんなのもありましたが、これが、なんと6年の頃にはできていました。少し遅くはなってしまうけど、だいたいは後ろの並んでる子がいいタイミングで背中を押してくれて、跳ぶという感じでできるようになっていました。ほんと、泣きそうになりました。

障害がわかってからは、基本的に我が家の方針としては、できなくても生活に支障がないものについては、無理強いしない、無理やりやらせるようにするというよりは、環境を調整する、というやり方にしていました。でも、割と成長と共に自然とできることが増えたと思います。

靴紐は、学生の頃は「キャタピラン」とかいうイボイボの靴紐を愛用していましたが、今はもっぱらスリッポンです。まぁ、好きな靴を履いて良い環境なので、そりゃ楽な方がいいですもんね。

それから、花粉症なのでこの時期は大変そうですが、鼻はちゃんとしっかりかめるようになりました!でも指はピーンと伸びたままかんでます。。ま、何せよ鼻水を排出できているので問題なしです。

ネクタイは未だ結べません。いつも旦那がやっています。成人式や仕事の面接の時。中高の制服は、ネクタイは裏にゴムがついてるものだったので、簡単だったのですが、、、でも、ネクタイをしなければいけない仕事でもないし、ひとまずは放置です。笑

現状、日常生活を送る上で困っていることはあまりないと思います。字は汚いですが、パソコンは得意で、ブラインドタッチとかできているので、会社への報告書とかはPCで作成してもいいかな、という感じです。(今のところ手書きですが、、)

家事で言えば、皿を洗う、簡単な料理を作る、洗濯物を干す、畳む、掃除機をかける、は雑だけどできます。だから自分の分をやるにおいては、そんなに問題ないと思います。でも、洗濯物を畳む、はちょっと「ふんわり」してるかな〜。でも、自分でできている、ということが何より大事!

車の免許は本人も家族も希望してません。人の命に関わるので取得するつもりはありません。公的な身分証明書は免許証ではなく、マイナンバーカードにしました。

仕事をどうしようかと悩んでいる頃、やはり不器用というのはネックになりました。物流の求人は(コロナ前の話ですが)多くて。。でも、スピードが求められるようなピッキング作業はやはり難しいし、飲食店の調理とコンビニに実習に1週間行きましたが、特に飲食店のチェーン店はマニュアル通りのグラム数にしなければいけなかったり、とても大変そうでした。老人ホームにも実習に行きましたが、お年寄りに話しかけられると固まる、、ということで、難しいかな、、、と言われてしまいました。(不器用関係ないじゃん。ですが、、現実的にはそういう場面は多いですよね)

なので、病院内の清掃とかも考えましたが、ちょうどコロナでそれどころではなくなってしまいました。

コンビニの品出しなんかも不器用でもできるかな〜と思ったのですが、店に出てると不意にお客さんから話しかけられたりして、とっさに対応ができない、と。。なので、仕事をするなら手先を使う仕事ではなく、体を使う仕事、かつ、不特定多数の人と話す必要のない仕事がいいのかな、ということになっていきました。

今は、野菜を育てる仕事をしていますが、たまに袋詰めなんかの細かい作業もあるようですが、配慮があることと、スピードを求められない、ということがあれば、なんとかやれるのかなと感じます。

それから一番大事なこと。息子を育ててきた中で、一番育ってくれて嬉しいと感じたのは、「人に助けを求めることができる力」です。
自分が困ったなと思った時に、誰かにそれを伝えることができるか、それは特に障害を持った息子にはとても必要だし、支える周りの人にとっても必要な情報です。

わからない時には、「わからない」って言っていいんだよ、できない時には「できない」って言っていいんだよ、きっと誰かが力になってくれる。その細かい体験はとても大切なのではないかと思います。

息子はコミュニケーションは苦手ですが、困ったことがあるとLINEで伝えてくれます。今度は会社の上司に直接伝えることができるといいね、というのが今の課題ですが、今はまずこの段階をしっかり経験して欲しいと思っています。

親が会社との仲介をしなくていい日はいつになることやら〜。焦らずのんびり待つことにします。





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