海

釣行記-18【限界なんだ】

もくじというか釣行記
https://note.mu/tonuma/n/n9c3618aa34ec

どうもこんにちわ。釣行記の第18回です。ここ最近、色々と限界なんだ。そう思っていました。そんな心情を吐露したところ、パイセンから「え?玄界灘、いいすよ、いつ行きます?」そんなわけで行ってきました、福岡県。

前日の17時頃、例のパイセンから緊急入電。「明日、予約してたところが出れないので他探します」と。で、見つけてくれたのがなんと山口県は柳井市。こうして旅は始まりました。

遠いね。

ジャスティンぱいせんと、焼き鳥屋のけんさんと共に、ぱいせんのBMW5で向かいます。けんさん、博多で一番美味い焼き鳥屋の店主。でも開業前はユナイテッドアローズで働いていたそうで、当日も全身ステラマッカートニーで来る、という噂でしたが、アレン・ギンズバーグの詩集のTシャツの上にナイキのACGを羽織られておられました。一方のぱいせんは、マッシブ・アタックのTシャツにアークテリクスのジャケット。みなさん、文学的で音楽的な面々。

道中の話も血圧あがりそうなエピソードが多く、北九州を過ぎるあたりでは、ずっと少年院に入れられていて、仕方ないので自分の商圏を守るために子分に大麻の水やりさせていたらその子分が捕まった、しかも子分は9歳、そんな話を教えてくれました。少年パブロ・エスコバルのようで意味がわかりません、北九州市。そりゃロケットランチャーくらいは持ってるよね、と思ったりもします。

本州に渡る際、「ここ、壇ノ浦ですよ〜」と教えられましたが、「あっ」と言う間。東北道の利根川よりも狭いんじゃないか?といった感。

785m

勘違いでした。

壇ノ浦、いいですね。耳なし芳一とかとてもいい話。安徳天皇を守る落ち武者の亡霊たちの気持ちになると落涙しそうになりますし、経文を耳に書き忘れた小僧のウッカリ感にはとてつもない親近感を感じます。

これまでも西のほうには茫漠とした憧れがあり、行ってみたいと思ったことはしょっちゅうありましたが、飛び出していくキッカケがありませんでした。ま、待っててもそんなキッカケは訪れないのが普通ではあります。ところが今回、色々と限界を感じ、玄界灘に行くつもりがなぜか関門海峡を渡っている、しかもBMWで。人とのつながりこそが無限の可能性を日常にもたらしてくれることを改めて感じました。

まー、長いんですよね、山陽道。しかもクソど田舎。千葉とか目じゃない。このくらいの規模の道路が通っている場所ではダントツに何もない荒野なのではないかと思います。山野、か。

実は長いこと病気を患っていて、くたくたに気持ちが疲れ、なにもかもおしまいになればいいのにな、とそんな気分に1日に何度もなってしまう気分が原因の病気なんですが、そんな病気もこういうヘンテコな旅が癒してくれます。たぶん。でもまぁ、疲れてたのでしょうかね、人が運転してくれるクルマで移動するのは、最後に恋したのと同じくらいに久しぶりでついウトウトしていると、なんとなくそれっぽいところまで来ており、インターを降ります。

ふねに電話をして、必要なものを聞きます。近くの大規模商業施設、「トライアル」に行くといいようです。おそらくこの辺では唯一神のような存在なのでしょう、トライアル。「トライアル」という言葉はこの辺では単に店舗を指す名詞ではなく、「ググる」と動詞になっているような、「どうする、何時ころトライアる?」的に使われていそうな気配を、船長から感じました。「トライアル」といって理解できない方が悪い、的な。すげーな、トライアル。

まー、あれっす、ドンキホーテみたいな感じです。田園都市線近辺に住んでいる方であれば、「中目黒のドンキホーテ」が一番イメージつきやすいです。そして謎の弁当なんかを買います。

これが控えめに言って、実にまずい。しかも安い。レンジがあれば美味しかったかも。。。

ま、いいんですけれど、トライアルで一番驚いたのがレジ。

レジ方面でにゃあにゃあいってるので、なんだと思ったら猫レジ。画期的すぎる、と感動してましたが、結構他でもあるみたい。店員は「あっちはいぬですよ」と犬レジもあるとのこと。

買い出しも完了し、向かいます。出航します。潮止まりのため、最初はこざかな釣ろう、と相成り、釣ります。釣れます。

マジこざかな。

バージル・ヒルツのように大脱走。

スズメダイ。去年、一昨年と釣ったことがなかったので結構なレアものかと思いきや、そうでもないみたい。。。ぶちよろこんだんじゃがのぅ。。

しかし、本当であればキジハタやヒラマサなんかとスリリングな命のやりとりをしていたかもしれないのに、こざかなと戯れるぼく。しかも玄界灘だと思っていたら、伊予灘ですよ、ここ。最早愛媛です。でも船長とお手伝いに来た船長仲間がなぜか広島出身です。ずっと「あっこ、ぶち釣れよるけん、今度いってみーや」とかそんな雰囲気で進行、一人称はもちろん「わし」。さらにこちらは博多弁。ずっと異文化コミュニケーションですわ。

で、ですね、肝心の大物釣り。PNBB(Perfect No Bite Bouze)。ヴィトゲンシュタインは、語りえないことについては、沈黙するほかない、と言っていますので、かくことねーな。でもジャスティンぱいせんは2kg強のマダイを、けんさんは1mを楽に超える鱧を釣るという不思議体験。。。

まー、自分のことでなんとか書くとしたら、持って行ったタックルが、キジハタ、青物狙いで、ジグとタイラバメインだったのが運の尽き、ですかね。ていうか、この瀬戸内の釣りはタイラバだったのですが、ロッドがタイラバでも釣れなくはない、レベルだったため、ちょっと難しかったかな。遠征の割にはたいして釣れず、船長も「あんたら釣りよるまでおろさんよ」と、「じゃあラストにします」と言った後にスイッチ入ってラストが4回あるくらい粘ったものの。。。

で、当日釣れた魚を全部もらい帰路を急ぎます。そしてここで発生したのが、鱧をどうするか、問題。聞けばけんさんの隣の店は京料理の店、とのこと。つってもこんな巨大な鱧はみたことあんのかいな、と思いつつ帰路を急ぎます。

そして各自用足ししてからけんさんのお店に集合。

やきとり小森田
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40049094/

定休日とのことで、さっき釣れた魚を出してくれました。

醤油、ポン酢で食べました。タイ、食品としては身にはこれまでそれほど興味はありませんでしたが、ちゃんとした方に調理してもらうと美味しいものですね。

次、博多に行くことがあったら、なんとしても玄界灘、あるいは壱岐に行きたいものです。

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