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「自立」はストレスにもなる

「デンマークの高校生の自殺率は10%(統計を見たわけではないので、確かな数字ではありません)。たしかに、日本の様な暗記中心の受験戦争もストレスかもしれない。でも、自分のアイディアがいかに優れていてるかを見せなければならないデンマークの入試もストレスなんだよ。自分がいかに革新的で、いかにクリエイティブかを見せなければならない。」

2年ぶりに新宿の居酒屋で再会した、留学していたデンマークの成人教育機関フォルケホイスコーレの先生はそう口を開いた。

彼は10回以上日本を訪れており、日本には精通している。

「ワークスタイルも違うでしょ。日本の場合、自分がプロジェクトを進める際、自分が考えたものを上司に確認を取り、意見とGOサインをもらう必要があることが多いよね。一方、デンマークの場合は、自分が考え、自分がGOサインを出し、自分がいいと思って進めることが多い。その分、個人には「自立」や「自律」が求められるんだよ。

残業が少なく定時に上がるのも、自分で自分のパフォーマンスにOKサインを出すからだ。その分、人事評価や解雇が日本よりシビアな印象を私は受ける。デンマークに限った話ではないだろうが、学生でも社会人でも、セルフコントロールや自律が求められる。

不安定な日本社会でこれから求められているのは、紛れもなく「個人の自律」であるとも確信している。先日読んだこの本の最後の一文にもそう書いてあった。内容全体が気に入ったのだけれど、何よりも最後のその一文が心に刺さった。

この本は、思考停止で寄りかかることができる組織や共同体が崩壊し、グローバリゼーションの波の中、意思ありきの自立型になっている社会の中で生きのびるための必須能力になっている、コミュニケーションの心構えが肉厚に書かれている。

日本も、意思ありきの自立型になってきている社会になってきている。好きなことを仕事にしなければ、自由に生きられないとはまさしく「自立型」の社会を指す。

自分自身の「自立」「自律」(漢字がどちらかも重要!)を考えると共に、いい教育とは何か、「自立した個人」「自律した個人」を育成するためには何が必要なのかを考えている。

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