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選抜制度その2(アンダーライブ 乃木坂46)

note最初の記事「選抜制度(乃木坂46の場合)」が、思うに任せて書き散らした文章の読みにくさにも関わらず、思いのほか読まれているようだし「スキ」もたくさんいただけて驚いております。

そのときはまだアンダーライブが始まったあたりのいろいろな事情やメンバーの気持ちをよく知らずに漠然とした情報を知った程度で書いていたんだけど、その後古本を見つけて読んだ「乃木坂46物語」って本にあったアンダーライブ黎明期の話をかんたんにまとめて書いてみたいと思います。

詳しく知りたい人は本を読んでみてね。
ワシは中古で買ったので本体価格が1円で送料は250円くらいだったのでした。

アンダーライブ開幕 2014年4月13日 幕張メッセ 国際展示場9ホール

8枚目のシングルに収録されていたアンダー曲は、「生まれたままで」。
伊藤万理華は、その「生まれたままで」のセンターに選ばれていた。

「乃木坂46物語」

スタッフさんに呼び出されて直接言われたんです。『今度、アンダーでライブをすることになるから盛り上げてくれ』って
(中略)
スタッフさんにも『おまえに任せた』くらいに言われて。『やらなきゃ!』って、やっと本気で物事を考えるスイッチが入った気がしました。

伊藤万理華

アンダーライブはこんなきっかけで始まったようで、アンダー曲のセンターだった伊藤万理華を中心に取り組んだみたいです。
しかし開催前のレッスンでは演出家から「今のお前らではアンコールなんかもらえない」って怒られてたようですし、実際の初回ライブの客入りはアンダーメンバーのみんなを満足させるものではなかったようです。
しかしそんなライブ終了後には観客からはアンコールの声が上がり、アンダーメンバーたちを驚かせました。

…本当にびっくりしました。もうその声を聞いた瞬間にボロボロ泣きました。
(中略)
みんな泣きながら、『ありがとう、ありがとう』って手を振りました。

齋藤飛鳥

いつも強がりをいう齋藤飛鳥がボロ泣きとは。カワイすぎて悶え苦しむワシ。

参加メンバー
市來玲奈、伊藤寧々、伊藤万理華、井上小百合、衛藤美彩、川後陽菜、齋藤飛鳥、斎藤ちはる、斉藤優里、新内眞衣、中田花奈、中元日芽香、永島聖羅、能條愛未、畠中清羅、星野みなみ、大和里菜(17名)

2014年5月3日 O-EAST(東京 渋谷)

2回めライブからはアンダーメンバー全員でアイディアを出し合い、演出に頼らない、ファンに喜んでもらえる全力のパフォーマンスをしようと、「選抜にできないことをやる」をスローガンにして全員で考え抜いたライブだったようです。

でも、ともかく面白いものを見せたかったんですよ。
ほかにも、普段あまりやらないメンバーがMCをやったりアオリをやったり…。
”普段はみれないものを”ということにこだわっていましたね。

中田花奈

あのライブは、メンバーみんなで『どんな曲をやろうか、どんな演出にしようか』って、たくさん話し合ったライブだったんです。

永島聖羅

参加メンバー
市來玲奈、伊藤寧々、伊藤万理華、井上小百合、衛藤美彩、川後陽菜、齋藤飛鳥、斎藤ちはる、斉藤優里、新内眞衣、中田花奈、中元日芽香、永島聖羅、能條愛未、畠中清羅、星野みなみ、大和里菜(17名)

アンダーライブ セカンドシーズン

アンダーのフロントに立つ伊藤万理華とセンターを任された井上小百合の二人は、オーディション合格時から仲が良かったものの、ライブに際してそれぞれに自分の不甲斐なさを悔やみ、本番直前までそのわだかまりは消えなかったようです。

万理華は、(引用注:井上小百合がセンターを務めた)10枚目のアンダーライブで『今度は私が支える側になる』って決めていたらしいんです。
(中略)
ライブが始まる前の『Overture』が鳴ったとき、手をつないでくれたんです。幕が開くギリギリまでギュッて。
(中略)
オーディションの合格発表のとき、お互い手を握った、あのときのことを思い出しました。

井上小百合

そのライブ期間中、足のケガのためやむなく休演した井上小百合が見たのは、自分がいたセンターを開けたフォーメーション。

『小百合の代わりはいなんだよ』っていうのを、みんなが見せてくれて。

そこで覚悟が決まりました。自分のために頑張るんじゃなくて、メンバーのため、グループのために頑張る。

すべての思いを背負って、私はここに立たなきゃいけないんだって。

井上小百合

小百合がケガから戻ってきてから、どんどん強くなっていくのを感じました。

伊藤万理華

もうドラマですね。脚本家もここまでうまいストーリーはかけないかもしれない。

参加メンバー
伊藤かりん、伊藤寧々、伊藤万理華、井上小百合、川後陽菜、川村真洋、北野日奈子、齋藤飛鳥、斎藤ちはる、斉藤優里、新内眞衣、中田花奈、中元日芽香、永島聖羅、能條愛未、畠中清羅、樋口日奈、大和里菜、和田まあや、伊藤純奈、相楽伊織、佐々木琴子、寺田蘭世、渡辺みり愛(24名)

全員がセンター

初回のアンダーライブではメンバーを落胆させたガラガラの観客席。それが2014年12月12日の有明コロシアムでは8000人にファンを集め、今では「伝説の」という冠がつくライブ開催となったようです。

私は、実は8000人、集まる自信、ありましたよ。
(中略)
泣かないって決めてたんですよ。なのに、アンダーのためだけの『Overture』を聴いた瞬間、お客さんの『オイ!オイ!』って声の大きさに涙が出てきました。

能條愛未

有明がサイリウムで埋まっていたとき…涙がこみ上げてきました。
『でも、泣いちゃダメだ』ってなんとかこらえて、コンサートが終わった後で号泣しました(笑)

中元日芽香

有明では、万理華と手をつなぎませんでした。
(中略)
出ていくときに顔を合わせて、ちょっとニヤってしちゃいました(笑)

井上小百合

前から歩いてきた小百合の表情と動きが、アンダーライブの初日と全然違ってたから…『ここまでこれたんだね』っていう気持ちで笑ってました。

1年、私は「アンダーを知ってほしい」という使命感で生きてきました。
そして、セカンドのアンダーライブが始まって、小百合と話したんです。
『このライブで乃木坂をかえよう』って。

伊藤万理華

ライブの最後にそれまで我慢してきた涙をこらえきれず、井上小百合は泣きじゃくりながらこう挨拶したそうです。

「どんなにアンダーと呼ばれようとも、私はこのメンバーのことを誇りに思います」

井上小百合

ワシも泣ける。

このライブで齋藤飛鳥が観客席に向かって言い放ち、ファンに大受けした言葉もおまけとして書いときましょう。

どうせお前らクリスマス過ごす相手いねぇだろ

齋藤飛鳥

いまに続く齋藤飛鳥らしくて、とても良い。

参加メンバー
伊藤かりん、伊藤寧々、伊藤万理華、井上小百合、川後陽菜、川村真洋、北野日奈子、齋藤飛鳥、斉藤優里、新内眞衣、中田花奈、中元日芽香、永島聖羅、能條愛未、畠中清羅、樋口日奈、大和里菜、和田まあや、伊藤純奈、相楽伊織、佐々木琴子、寺田蘭世、渡辺みり愛、山崎玲奈(24名)

乃木坂46として

さて、そんなアンダーメンバーがこれからどうなったのか。

「乃木坂46物語」を読むと、アンダーライブの大成功で自信をつけたアンダー組と選抜組との間が少しギクシャクすることになったらしい。

ファンの方にも指摘されたんですけど、当時のアンダーと選抜は、だんだん離れていっちゃてる感じがしたんです。

井上小百合

当時は、グループの中で分離してゆくのがどんどん悲しくなってました。

西野七瀬

正直、2014年の9枚目。万理華がセンターのときのアンダーライブで、ものすごく評価をもらったんですよ。
(略)
その結果、夏のツアーのときに、アンダーメンバーのどこかに『私達は、パフォーマンスなら選抜に負けてない!』っていう気持ちが芽生えちゃったんです。

中元日芽香

そういう空気はありました。
(中略)
『アンダーはアンダーだけで固まってる…』って、不安に思っちゃうこともあって、寂しいなって思いました。

生駒里奈

そんなギクシャクしていたメンバーは、2015年夏のツアーラストの神宮に向けて徐々に一つになっていったらしい。

それまでのメンバーたちって、それぞれが確認してステージに出るって感じだったんです。
でも今回のツアーはちゃんと本番前に全員で声出しする時間とか、毎公演前に確認の時間を十分に作っていました。
(中略)
「ライブを作ることを、みんなが意識している!」って感じました。

橋本奈々未

みんな、意識が変わっていたと思います。
去年(引用注:2014年)のツアーファイナル、神宮球場で悔しい思いをしたからこそ、リベンジしたいっていう気持ちが大きかったんだと思いますね。

永島聖羅

2015年8月31日 「最高の夏の思い出、一緒に作りましょう!」という生駒里奈の叫びから始まった神宮球場ライブは、大盛況のうちにダブルアンコールを迎えた。

私、ダブルアンコールでテンションが上がっちゃって、曲中に(西野)七瀬を見つけて駆け寄ったんです。

…それまで、七瀬に”そんなこと”はしたことがなかったんです。
だって七瀬の性格上、絶対にイヤがるから。

永島聖羅

その時永島聖羅は歌っている西野七瀬に抱きつくと彼女の頬にキスした。すると西野七瀬がキスを返してきた。

キスを返して照れくさそうに笑う西野七瀬。お返しに驚く永島聖羅。

驚きました!(笑)
今までだったら、七瀬が返してくれるなんてあり得なかったから。

あのキスをされた瞬間、乃木坂46にずっとあった壁がなくなって、ひとつになれた気がしました。

永島聖羅

これまでアンコール登場時に着ていたTシャツは、選抜とアンダーに分かれていたけれど、このときは全員が同じTシャツを着ていたそうだ。偶然かもしれない。しかし、それまで分裂していた選抜とアンダーがひとつになった証だったにちがいない。

メンバー個人にも、グループ全体としても、いろんな思いが交錯して、いろんな出来事があるよな。
それを注意深く観察し、応援するのがファンの役目なんだろう。こんな偶然を目撃したくて、みんなライブへ通うんだろうな。

それにしても神宮オープンニングの生駒ちゃん、かっこよすぎて泣ける。

西野、永島キス写真はTwitterで拾ってきました。

そんなわけで現場からは以上です。いつもながら書くの長すぎ。

ライブでのMCは下記ブログからの引用でした。

トップ画像はBARKS掲載の記事から引用させてもらっとります。


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