器
益子の陶器市に行って来ました。
GWの大混雑の中でしたが、好みの柄の器も買うことができ、大満足でした。
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バスツアーで行ったのですが、この日は添乗員さんの他に研修の添乗員さんがいました。
お客さんにはわりと年配の方から若い人まで様々で、あまり一緒に行動する機会がない人たちと一緒にいるのが新鮮でした。
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ところが先々でこの日はトラブルが待ち構えていたのです。
まずはゴールデンウィークの大渋滞。
出発して間もなく渋滞に巻き込まれ、予定到着時間は大幅に遅れるとアナウンスがありました。
おおよそ想定内ではありましたが、毎年同じ時期に益子に行かれるベテラン添乗員さんも10連休の交通量は読めない…とのことでした。
私たちの目的はもちろん益子陶器市を見ることですから、この時間が減らされてしまうのは芳しいことではありません。
そして渋滞に巻き込まれながらもサービスエリアへなんとか入り休憩を取ることに。
お手洗いは驚くほどの大混雑でした。
列の長さを見た近くの学生さんらしき人達は「ディズ○ーランドじゃん!」と言っていましたが、同意したくなる程…。
なんとか決められた戻り時間にバスへ戻ってくるのですが、やはり間に合わない人もちらほら。
出発時間は過ぎていますが状況が状況ですから皆、文句も言えず待ちます。
するとどうしたことか、ご年配のお婆ちゃんが戻っていないのです。娘さんはいるのに…。
お客さんから「おばちゃん、売店で並んでましたよ」と目撃(?)情報が上がり、娘さんと研修の添乗員さんが迎えに行くことに。
少したっても戻って来ないので添乗員さんが、研修の添乗員さんに電話を掛けるのですが繋がらない。
ですが、もうしばらく待つとバスへお婆ちゃん、娘さんと研修の添乗員さんが帰って来ました。
さあ、出発。という矢先にもう一騒動。
添乗員さんが「あなたに電話したのよ」と声をかけた研修の添乗員さんが真っ青に。
そして「…トイレに忘れてきたかもしれません」と。
お客さん一同、やり取りを固唾を飲んで見守ります。
当然、大事な連絡手段ですから、探して来ることになりました。
無事見つかり、ようやっとサービスエリアを出発したのは予定時刻から20分ほど遅れた頃でした。
そんな渋滞に見舞われ、サービスエリアで人探し、もの探しで遅れるツアーだったので、さぞ残念と思われるかもしれませんが、驚くことに不思議と嫌な雰囲気は一切無かったのです。
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お婆ちゃんが戻って来た時のこと。
娘さんがとても申し訳なさそうに周りの人たちに謝りながら戻られました。
添乗員さん方はもちろん、「大丈夫ですよー」と声をかけます。
更に素敵だったのは、近くの席のお客さんがお婆ちゃんへ声を掛けたことでした。
「戻ってこられて良かったです。何を買われたんですか?」
自然に会話が始まりました。
どうやら予想外にバスに長く乗らなければならないとわかり、娘さんの為にお昼を買ってあげていたそうです。
その話に周囲も何となくほっこり。
そして、さらに素敵な手腕を発揮してくれたのはバスの運転手さんでした。
「こりゃ、高速ダメだわ。」
と添乗員さんに声をかけます。
「どっちみち到着予定時間に間に合わないよね。だったら遠回りになるけど下道つかってみるかい?多分その方がまだ早いよ」
ツアー会社さんとバス会社さんの間にどのようなルールがあるのかはわからないのですが、恐らくこのツアーに関してはイレギュラーな事だったようです。
ですが、添乗員さんは即座にOKしました。
(そのあとガンガン会社に電話をかけて報告等を頑張っていたようです)
するとどうでしょう。
高速から抜けたとたんに道路はスムーズに。
Googleマップで確認すると確かに遠回りなのですが、高速を使った予定時刻よりも完全に早く到着できそうでした。
そして無事に益子に到着。
予定時刻よりも1時間遅れの到着でしたが、運転手さんの巻き返しが力を発揮しました。
滞在時間も、予定では5時間としていましたが、4時間程は確保できそうでした。
ところが、ここでさらに添乗員さんが頑張ってくれます。
「えー、パンフレットでは渋滞等で到着が遅れた場合も、滞在時間が短くなることを了承して頂いているのですが…」
「予定通り5時間、見学時間とします」
車内に拍手が起こりました。
恐らく、添乗員さんもバスの運転手さんも予定より1時間帰りが遅くなるのに…。粋だ…。
そして最後にバスを降りる時、先ほどのお婆ちゃんがバスの運転手さん、添乗員さん達にお菓子を渡していました。
恐らく先ほどのサービスエリアで買ったもののようでした。
いろんな人の気配りと粋な計らいがあった道中。
益子焼きという器を買いに行く中、出会った、器の大きい人達…。あ、うまくないですね。
そして無事に益子でお買い物をして、戻る車内でnoteを書いています。
もちろん帰りも絶賛渋滞中。
以上。
添乗員さんの真後ろの席からお届けしました。
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