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レッスンで指摘される「指づかい」のこと

「譜読みするだけでも大変なのに、なぜ指づかいを守らなければいけないの?」ピアノキッズの保護者であれば、一度はお子様からこのような質問を投げかけられたことがあるのではないでしょうか?

ピアノの初級段階では、手を鍵盤に置いたままの基本ポジション(5指ポジション)の範囲内で弾ける曲がほとんどです。しかし演奏する曲のレベルが上がるにつれ、音楽が複雑になり、手の移動や拡張、収縮、指の交差などのさまざまな技術パターンに反応しなければならなくなります。指づかいに関するお悩みが増えるのが、初級から中級に差しかかるこの時期です。

面倒だと思われがちな指づかいですが、改めて「なぜ大切なのか」「どうやったら身につくのか」について考えてみませんか。


そもそもなぜ指づかいを守らなければいけないの?

それは、正しい指づかいを用いることで自然な手の形や動きを保つことができるからです。手を不自然な状態で使い続けることは手の負担になってしまい、結果として「弾きにくい」「疲れやすい」などの不具合の原因になりかねません。不自然な指づかいでは演奏の流暢さも失われてしまいます。

指づかいによる影響は、曲の難易度が上がれば上がるほど顕著に現れるようになります。後になって大変な思いをしないように、最初から正しい指づかいを用いる習慣を身につけておきたいですね。


練習の中で指づかいを意識してみよう

指づかいを常に意識することはなかなか難しいもの。新しい曲の譜読みを始めるとき、レッスンで指摘を受けたときなど、指づかいに気を配るポイントはたくさんありますが、「次は指づかいを意識して弾いてみよう」と、1つの練習項目としてご自宅でも意識できるとさらに良いですね。

手の大きさや指の長さなどが一人ひとり異なるように、実は「正しい指づかい」は人それぞれです。中級から上級レベルになると、楽譜に指番号が振られていないものも増えてくるため、自分自身で指づかいを決めることが求められるようになります。その時、自分の手にとって一番自然な指づかいを見極めることができるように、小さな頃からコツコツと経験を積み重ねることが大切です。


指づかいにまつわる豆知識

楽器を無理なく演奏するために適切な指づかいを用いること(運指法)は、あのバッハの時代から大切にされていたようです。
バッハの息子の一人であるカール・フィリップ・エマヌエル・バッハは、著書「正しいクラヴィーア奏法」で指づかいについて一章を割いて解説しているんですよ!

日本では全音楽譜出版社で翻訳出版されているようです。ぜひ参考になさってみてください。