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夢は枯野をかけめぐる

夏草や兵(つはもの)共(ども)が夢の跡
旅に病んで夢は枯野をかけめぐる

松尾芭蕉『おくの細道』

夢は
描く人にしか描けない
抱き合おうとも
分かち合える夢はない
わたしがあなたに成れぬよう

夢は
独り
描いた人をかけめぐる
天空でなく
夏の草原でなく
いつからか枯野をかけめぐる

枯野には雨も降らず
やがて荒れ地となり果てて
現(うつつ)には死して何も残さず
夢には
今もかけめぐる

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