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【雑記】発明の楽しさについて

私はIT系企業のラボで働いていて、その仕事の一環として発明をし、特許を取ることを半ば副業としている。
発明が好きな理由は2つある。一つ目の理由は私が創作が好きで何かアイデアを思いつくといわゆるハイな状態になってとても気持ちよくなるからだ。

二つ目の理由は発明は利己主義と利他主義を矛盾なく両立させることが可能だからだ。
人間の生き方としてよく利己主義と利他主義という考え方に分けられるが、発明はこれを両立させることができる珍しい仕事だと思う。

例えば私が大変な利己主義者であって、なおかつ片耳で不自由な思いをしていたとしよう。
そのとき私は自分さえよければいいから、この片耳による不自由さを何とかしたいと思う。そこで(片耳用の補聴器は既に実用化されているがそれ以上の)高機能な補聴器を自分のために発明したとしよう。

その後、私はそれを補聴器メーカーに売り込み実用化販売してもらったとしよう。
すると補聴器メーカーはそれを他の片耳の人たちにも販売するだろう。
仮に日本に片耳の人が1万人いたとして、彼らが皆その補聴器を利用したとしよう。

すると私は自分のためだけに考案した新しい補聴器で9999人の同じ片耳で困っている他の人たちを助けることが出来るかもしれないわけだ。
これはなかなか素晴らしいことだと思う。私は自分以外の人たちのためにそれ以上の労力を払う必要はなく、恩恵を受ける人たちも只その新しい補聴器を購入するだけでよいのだ。

さらにそれが国外でも販売されたらどうだろう。
実際には全ての人に有効なわけではないかもしれないし、経済的な理由から購入できない人たちもいるかもしれないが、おおよそ上のような効果は多くの人に対して見込めるだろう。

またこの発明で救えない人がいるのであれば、その原因を調査し、さらに改良案を考えればさらに取りこぼしがなくなるのだ。またそれにより元々の発明をした私自身にとっても大変な達成感と満足感が得られるのだ。

そして一度その面白さを覚えれば、自分自身にとって問題ではないことについても好き好んで考え始めるようになるだろう。例えば私は両目で物を見ることが出来るが、もし自分が片目だったらと想像するとやはりその解決案を考えずにはおられないだろう。

何故ならその問題をどうやって解決すればいいかを考えることは自分にとっても楽しくて仕方がないからだ。
私が発明をするのが好きなのはそんな理由からだ。
そして私はその仕事をこれまでもずっとしてきたし、これからも出来る限り続けていくだろう。
何と楽しい人生であることか。

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