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スピッツ「冷たい頬」 あなたのことを深く愛せるかしら

「冷たい頬」が名曲だというのは、スピッツファンなら誰も異論はないと思う。フェイクファーの3曲目。とんでもなく存在感にあふれていて、4曲目「運命の人」、5曲目「仲良し」へと続く黄金ラインです。

「仲良し」は思春期の淡い恋を描いているというイメージが非常に強いですが、「冷たい頬」はどうだろうか?もっと大人の許されない恋を描いているようにも受け取れてしまいます。

「あなたのことを深く愛せるかしら」

で、始まる歌・・・。いきなりドキッとさせ過ぎなんですよね。

この言葉を発する女性(たぶん女性?)って、どんな人なんだろう。私はもちろん、半世紀の人生で、こんなこと言われたことない。

次のフレーズに答えが書いているとも言える。
「子どもみたいな光で僕を染める」ってわざわざ書いているということは、この女性、もう子どもじゃないような気がしてしまいます。
20代後半から30代前半。妄想を膨らませると、男はもっともっと若いのだろうか?

「あなたのことを深く愛せるかしら」

「あなたのような若い子と一緒に歩み続けることはできないわ」
と言っているのと同義のようにも思えてくる?

「壊れながら君を追いかけてく」あたりは、好きになることを許されない相手を好きになってしまった男の側の心情を表現しているのかしら?

でも、結局のところ

「近づいても遠くても知っていた それがすべてで 何もないこと」

ですから・・・。

うーん、やっぱり不倫の歌っぽく聞こえてくるなあ。フェイクファーと同じで・・・。こんなにきれいな歌をそう聞こえてしまう私自身が汚れ切っているのかもしれません。すみません。

「冷たい頬」がもし、思春期の男の子が、かなわない先輩の女性への儚い気持ちを歌っているのだとしたら、私のこの文章は勘違いもはななだしいですね。

でもなあ、

「風に吹かれた君の冷たい頬に触れてみた小さな午後」

なんですよねえ。高校生ぐらいだと考えたら、ちょっと大人っぽ過ぎない?

とにかく、さまざまな妄想が広がりながらも、きれいな歌に昇華させている草野さんの偉大さがよく分かる一曲です。

2022年6月30日 トラジロウ

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