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斉藤和義「幸福な朝食 退屈な夕食」

題名から想像してみてください。どんな曲だと思いますか?

CMにも起用されたから、知っている人も多いと思います。でも、それほどメジャーな曲とは言いがたいのではないでしょうか。
もちろん、斉藤和義さんファンで、この曲を知らない人はいないと思います。

この歌を初めて聴いたのがいつだったか、全く覚えていない。1997年のリリースだから、社会人にはなっていたんだなあ。このころは色々とすさんでいた時代。もう仕事を辞めようかとも思っていた。でも、ぎりぎりでなんとか続けていた。

この曲の意味がちゃんと分かったわけではなかった。ただ、一つ一つの「言葉の断片」が心に突き刺さってきたような感覚。心に残り、この曲は、車の中でよく流れていたなあ。

「今歩いているこの道が いつか懐かしくなればいい」という優しそうにも映る歌詞にもかかわらず、挑発的なメロディーで始まっていく。

しっかり意味を込めているんだろうけど、なかなか分かりやすく、つかみ取ることはかなわない言葉群が、謎すぎて、逆に魅力的なんです。

「後悔の数 事はなりゆき」
「忘れていく感覚 遠ざかる記憶」
「ライバル意識 劣等感」
「変態行為 ロックンロール」
「立派なまがいもの 本当は偽物」

こういった挑発的な言葉たちが押し寄せた後に、

「今歩いているこの道はいつか懐かしくなるだろう」
「いつか懐かしくなればいい」
「いつか懐かしくなるだろう」
「いつか懐かしくなるはずだ」

で締めくくられる。

初めて聞いたとき、意味が全く分からないのだけど、何か斉藤さんのいら立ち、怒り、違和感などが爆発的に詰め込まれたのかしら・・・というような衝撃を受けたことを覚えています。

あと、この歌を会社の忘年会で歌って、超絶ドン引きさせたこともよい思い出。

確かに、この曲をカラオケで若い子に歌われたら、怖いわ。

2022年6月8日 トラジロウ

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