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スピッツ「えにし」 君に出会えて よかった

これは、草野さんからの支えてくれたファン一人一人へのラブレターのような曲です。バリバリの尖ったコアファンからすれば、私などはぺエペエファンですが、それでも、この歌詞は泣ける。泣けます。

「伝えたい言葉が あふれそうなほどあった
だけど 愛しくて 忘れちまった
恥ずかしい夢見て勢いで嘘もついた
そして今 君に出会えてよかった」

アルバム「とげまる」がリリースされたのは、2010年秋。その数カ月後の2011年3月11日、東日本大震災が起きます。たくさんの人が亡くなりました。

当時の報道などによると、草野さんは「体験したことのない大きな揺れや被災地の現実が連日メディアで報道され続けること、東京電力福島第一原発の深刻な状況などを目の当たりにして急性ストレス障害で、約3週間の療養が必要」と診断されたということです。

震災の影響を受けての公演見送りに加え、草野さんの体調を勘案して4月の4公演実施を見送り、「SPITZ JAMBOREE とげまる2011」4月13日のNHKホール(東京)からスタートした。

活動20周年を2011年3月に迎えたスピッツ。そのツアーに向けて、草野さんはこの曲を書いたんだろうな。

で、東日本大震災も経験した。

この当時の日本は、大切な誰かと同じ場所にいることの尊さ、生き続けているということは当たり前のことではなく、とてもありがたいことだと日本中が改めて実感していたなあ。10年が過ぎ、みんな忘れつつあるかもしれないね。

大切な人が生きていてくれることは全然当たり前じゃない。

草野さんの回復、ツアーが再開された喜び・・・。その会場で聞く「えにし」にどれほどの意味を付加されていたか。私はこのツアーに参加しなかったので、偉そうなことは言えませんが、その場にいた人たちの気持ちを想像するだけで、涙ぐんでしまいます。

この「えにし」。私は、2018年のゴースカ7で初めて聞かせてもらいました。

また、この曲が聞ける瞬間が、ちゃんと来ることを心から願っています。

2022年6月4日 トラジロウ

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