内蔵脂肪を減らし方は?皮下脂肪との違いを踏まえた食事と運動のコツ
瘦せようと思い立ったら、まず思いつくことは、「運動」や「食事制限」ですね。
ですが、自分がどんなタイプの太り方をしているのか良く知ることが大切です。
やみくもに食事制限やハードな運動をしても、その方法が自分の太りかたに効果的な方法がでなければ、つらいだけで終わってしまいます。
肥満には「皮下脂肪型」と「内蔵脂肪型」があります。
近年の日本では欧米の人のように、ぱっと見て太っていることがわかりやすい「皮下脂肪型肥満」よりも、表面上は見えにくい「内臓脂肪型肥滿」が増えていると言います。
ここでは、「内臓脂肪型肥滿」の特徴を知り、内臓脂肪がなぜ増えるのか、そのメカニズムを理解したうえで、内臓脂肪を撃退するための「運動」や「食事」を考えます。
内臓脂肪とは
日本人全体の22.4%の人が「過体重」だと言われています。
この数字は、欧米諸国と比べると決して多くはありません。
でもその一方で、日本では「生活習慣病」がとても増えています。
生活習慣病の重大な原因が「内臓脂肪」なのです。
内臓脂肪型肥満は、腹腔内の腸間膜などに脂肪が過剰に蓄積しているタイプの肥満です。
下半身よりもウェストまわりが大きくなるため、「リンゴ型肥満」とも呼ばれます。
肥満や低体重の判定に用いるBMI値(体重[kg]÷身長[m]の2乗)が25未満で、数値的には肥満ではないにもかかわらず、内臓脂肪が蓄積している場合があり、そのため「隠れ肥満症」と呼ばれることがあります。
パッと見はあまり太っていないため、本人もそんなに気にしていない場合もあります。
若いときに痩せすぎだった人が、中年になって普通体重になった場合は要注意です。
CTスキャンで腹腔内の様子を観ると内臓脂肪の蓄積度合は分かりますが、自分で判断するには、おなかの肉をつかんでみましょう。
最近お腹まわりが太くなってきたのに、つかめるお肉の厚みはあまり変わっていないという場合は、皮下脂肪ではなく内臓脂肪が増えている可能性が高いです。
内臓脂肪がつきやすいのはどんな人か
内臓脂肪は、女性より男性に多い傾向があります。
女性よりも体重に対する筋肉の割合が10%近く多い男性は、筋肉を動かすための熱源となる内臓脂肪を、女性よりも多く蓄えます。
男性ホルモンは筋肉を増加させるはたらきを持ちますが、筋肉の熱源になる内臓脂肪を増加させる作用もあります。
一方、女性ホルモンは皮下脂肪を蓄える傾向があります。
その為、女性ホルモン(エストロゲン)が減少する更年期の女性は、内臓脂肪が増えやすくなります。
エストロゲンには内臓脂肪を代謝させて付きにくくする働きがあるのです。
また、欧米人よりも日本人のほうが内臓脂肪がつきやすい傾向にあります。
農耕民族である日本人は、本来的には脂肪の摂取量が少ない食生活をしてきました。
そのため、脂肪の摂取量が多い欧米人とは違い、脂肪を皮下脂肪として貯める能力が発達しておらず、内臓脂肪として蓄えてしまいやすいのです。
食の欧米化が進む中で、内臓脂肪型の肥満が増えているのも肯けます。
皮下脂肪より落としやすいのが内蔵脂肪
皮下脂肪は脂肪酸の出し入れがしにくく、飢餓状態になった時や身体の保温につかうエネルギー源として「貯蓄」されます。
そのため、貯めやすく落としにくいのが皮下脂肪です。
それに対して、内臓脂肪は貯蓄されても手っ取り早いエネルギー供給源として使われるため落としやすい脂肪です。
先に述べたように、内臓脂肪は筋肉を動かすための熱源として利用されるので、日々の活動を活発にすることで内臓脂肪は減少します。
更に積極的に運動をすればより効果的。
内臓脂肪減少には、運動面からのアプローチによる効果があらわれやすいです。
内臓脂肪は万病のもと
肥満が病気を引き起こすことは良く知られています。
近年の研究で、「肥満の程度」よりも「脂肪の蓄積する部位」のほうが病気の発症にかかわることが判明ししました。
特に内臓脂肪が糖尿病、高脂血症(脂質異常症)、高血圧症などの生活習慣病や、動脈硬化性疾患に深く関係していることがわかってきました。
内臓脂肪が分泌する悪玉物質が、様々な疾病の原因になるのです。
見た目に影響があるだけでなく、深刻な病気の原因である過剰な内臓脂肪は、落とすようにしなければいけません。
内臓脂肪を減らす運動
生化学的には、脂肪を燃焼(代謝)させるためには、酸素が必要です。
そのため、筋トレよりもランニングやスイミングなどの「有酸素運動」が、内臓脂肪を減らすには有効です。
有酸素運動を行うと、まず、筋肉に蓄えられた「グリコーゲン」がエネルギー源として使われます。
グリコーゲンが枯渇すると、血中の脂質(遊離脂肪酸)、 肝臓や脂肪細胞が放出する遊離脂肪酸を使います。
皮下脂肪よりも、代謝が盛んな内臓脂肪のほうが、多くの遊離脂肪酸を放出します。
つまり、有酸素運動で燃やしやすいのが内臓脂肪なのです。
有酸素運動は、一日20〜30分を目安に行なうと効果的だと考えられています。
以前は、30分程度継続して有酸素運動をしなければならないと考えられていましたが、分割して行なっても効果がある事が分かって来ました。
また、全速力で走るような高強度の有酸素運動ではなく、低〜中強度の有酸素運動を長時間行う方が、脂肪はよく燃えます。
無理なく継続出来る強度で、分割しても良いので、できるだけ長い時間有酸素運動をする様に心掛けましょう。
特別な時間を作らなくても、会社の行き帰りや社内での移動など、日常の動作を増やことでも、低い強度の有酸素運動は可能です。
日頃から「良く動く」「よく歩く」ことを心掛けるのが一番大切なのかも知れません。
内臓脂肪を減らすために筋トレを行うことのメリット
内臓脂肪を減らすには、有酸素運動が効果的です。
ですが、筋トレを加えることで、より良い成果があげられます。
筋トレ自体に脂肪を燃やすはたらきはあまり期待出来ませんが、筋トレをすることで、筋肉量が増えます。
筋肉量が増えると、基礎代謝が高くなるので、太りにくくなります。
また、筋トレをした後に有酸素運動を行うと、有酸素運動の脂肪燃焼効果がアップします。
これは、筋トレで分泌された成長ホルモンによって、脂肪が持続的に分解され、エネルギーとして利用されやすい状態になっているためです。
有酸素運動の後で筋トレを行うことのではなく、筋トレの後に有酸素運動を行うようにしましょう!
内臓脂肪を減らす食事
内臓脂肪を減らすには、食事のコントロールも必要です。
ですが、極端なカロリー制限ではなく、食べるものの選択によって良い成果を上げることが出来ます。
規則正しくバランスのいい食事を
先ずは、規則正しく食事を摂ること、そして食事の栄養バランスに注意を払いましょう。
欠食すると、その次の食事を食べ過ぎ、血糖値を急激に上げてしまいます。
また、脂質の割合が多い食事は避けましょう。
一汁三菜の日本食は、栄養バランスを整えやすいのでおすすめです。
パスタランチを焼魚定食にするなど、食事の選択に意識を払うだけでも栄養バランスは改善出来ます。
筋肉量を維持できる食事を
先に述べたように、筋肉量が向上すると、基礎代謝が上がり太りにくくなります。
筋肉をつけて維持するためには、たんぱく質とたんぱく質を代謝するビタミンB群などが必要です。
極端にカロリーを落とすダイエットをすると、必然的にたんぱく質の摂取量も減ってしまうため、筋肉が失われてしまい、その結果基礎代謝が低下して太りやすくなってしまいます。
肉・魚・豆製品などさまざまな食材からたんぱく質を摂取しましょう。
ヨーグルトや海藻、オメガ3脂肪酸を積極的に
ガセリ菌SP株ヨーグルトには、内臓脂肪を減らす効果が認められています。
こうした食品を小腹対策や間食に用いるとよいですね。
雪印メグミルクは、ガセリ菌SP株の機能を科学的に検証するために、成人を対象としたヒト試験を行いました。
ガセリ菌SP株入りヨーグルトと、ガセリ菌SP株を含まないヨーグルトを1日1個(100g)、12週間摂取した結果、ガセリ菌SP株入りヨーグルトを摂取したグループは、ガセリ菌SP株を含まないプラセボヨーグルトを摂取したグループに比べて、内臓脂肪の有意な減少が認められたと言うことです。
参考販売しようとする機能性表示食品の科学的根拠等に関する基本情報(PDF)
また、食物繊維(不溶性・水溶性)やポリフェノール成分など、第6第7の栄養成分として近年注目されている成分は、内臓脂肪を減らすのに有効です。
こうした成分をたっぷりと含む野菜やフルーツを積極的に食べるようにしましょう。
また多価不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸など)を多く含む魚油やアマニ油・しそ油などを意識的に摂取しましょう。
肉より魚を選ぶ、サラダにアマニ油をかけるといった、ちょっとしたことで実践出来ます。
オメガ3は、食べすぎて余った栄養分が肝臓に運ばれ、中性脂肪に合成されるのを抑える働きを持ちます。
また、オメガ3は、血管を拡張するため、血流を改善して血液中の中性脂肪の値も下がります。
また、LDLコレステロールを下げる効果も期待されています。
嗜好品はほどほどに
アルコールや糖質の摂りすぎは、中性脂肪を増やします。
そのため、飲酒はほどほど、ジュースやお菓子は控え目にしましょう。
とくにジュースを飲むと、知らず知らずのうちに多くの糖分を摂ってしまいます。
コーラ1缶に角砂糖10個分にあたる40gの砂糖が入っています。
缶コーヒー1本で角砂糖約4個分。
思いも寄らない量の砂糖を知らずに摂取しているのは怖いですね。
飲み物は、お茶やミネラルウオーターを習慣化しましょう。
内臓脂肪の減らし方まとめ
内臓脂肪は、生活習慣を少しずつ変えることで改善できます。
短期集中的なダイエットで、いっきに減らすより運動・食事への配慮を中心に、内蔵脂肪を落し、そして再びつかないようにする生活習慣を定着させましょう。
ブログとnoteで記事を分けています。 Blog:割としっかり目の解説やまとめなど こちら→http://bit.ly/2IThwlV note:考えやオピニオンやさらっとしたやつ