WORK_WORK_イメージ

体験ソフトを一杯遊んだ話。

 まだ就職先が見付かる気配がなく、お金がないのでNintendoSwitchのeショップの体験ソフトをダウンロードして遊んでいる。お金ができたら、いくつかはちゃんと買って遊びたいと思っています。  仕事……見付かるといいなぁ。

 さて、遊んだ体験ソフトの紹介です。

モンスターボーイ 呪われた王国

 2D横スクロールのゲーム。主人公を操作して、ジャンプし、剣を振る。敵を倒すとコインが現れ、これを集めるとショップで武器やアイテムを購入できる。武器を強化してゲームを有利に進めたり、特殊なアイテムを使ってステージ上の色んなところを探索したり……。
 ああ、これ、すごく昔ながらのオーソドックスなアクションRPGだ。今時代でも、こんな“古典”といえるようなわかりやすいゲームがまだあったんだなぁ。アニメ調グラフィックも親しみがあっていい。キャラクターのちまちました動きも見ていて楽しい。これはいいなぁ。
 ただ、装備品の入れ替えが、いちいちメニュー画面と切り替えて、ってこれが面倒くさい。探索ゲームではメニュー画面を呼び出して装備切り替え、というのはよくある形なのだけど、これどうにかする方法はなかったのだろうか。

 ゲームが進むと別キャラクターに変身して、さらに探索できる範囲が広がったりするのかな。オープニングの印象がそんな感じだったけど。
 昔ながらのゲームを、きちんと作っている印象。これは最後まで遊びたい。

 変に気になったところは主人公の目線。主人公の目が前を向いてない。微妙に上を向いている。絵を描いた人の個性だとは思うが、ちょっと気になる。

ラングリッサー1&2

 かつてPCエンジンで発売されていた伝説のゲーム。実際に触れるのは初めて。
 キャラクターデザインやストーリーは……ああ時代を感じる。この時代のファンタジーアニメはやたらと色が派手、肩当てが巨大、と当時特有のスタイルを思い出す。肩当ての縁が黄色だけど、これは“金”質感を表現しているんだろうなぁ。台詞の掛け合いも、ああ、90年代だなぁ。
 色使いやデザインなんかを見ていて、急に思ったのが「鎧」というか「モビルスーツ」。当時は「MS少女」というのもあり(今となっては色んな“擬人化少女”のカテゴライズに溶け込んでしまったが)、そういうところからの流れがあったのかも知れない。

 ゲームは『ファイヤーエムブレム』タイプのシミュレーション。特色はキャラクターの周囲をぐるりと傭兵が取り囲み、傭兵とキャラクター同時にコマを進めながら攻略していく。傭兵はいくら倒されてもOKだが、キャラクターがやられると周囲の傭兵もまとめてロストする。
 敵も傭兵の取り巻きがいるので、攻略するときには敵傭兵を無視して、まっすぐキャラクターを撃破していく。……というやり方になるが、しかし傭兵を倒さないと経験値が入らないというジレンマ。
 マップ攻略の後半になると、毎回思わぬところから増援が追加され、結構慌てるし、これに油断してゲームオーバーを取られたりする。
 増援を想定しつつ、たくさんいる傭兵を分散させつつ、攻略を目指して行く、というのがセオリーになりそうだ。

 ゲームの基本は『ファイヤーエムブレム』から範を得ているので、そこそこの面白さはあるのだけど、たくさんいる傭兵を動かすのがちょっと面倒くさくなってきて……。ある程度はオートにできるが、オート任せにすると思わぬところに動いたりする。
 キャラクター自体はそう多くはないのだが、傭兵を含めると結構な数になってしまう。雑にユニットを進めると敵にやられるし、それぞれをきちんと考えて動かそうと思うとかなり面倒。
(それで、バトルシーンは最初ちょっと見たけどその後はスキップするようにした。全部見ているとプレイ時間がえらいことになりそうだったから)

 キャラクターの台詞はフルボイスで掛け合いが入る。絵も全体的に刷新して、さらに音声も入れたのだから、結構手間暇予算がかけられている。
 ただ……キャラクターの掛け合いを追いかけていくのが次第に面倒くさくなってきて……。ボイスをスキップするようになってしまった。せっかく音声をいれてもらったのにな……しかし音声の入れすぎはテンポ感を崩すので良くない。
 バトル中もかなりボイスが入るのだが、ボイスが入る度にゲームの進行がストップするので、盛り上がるところがむしろゲームを進行させるリズムを崩してしまっている。こういうところの仕組みはもうちょっと考えて欲しかった。

プラネットアルファ

 ゲームを始めると、説明やダイアローグといったものは何もなし。いきなり未知の世界観。主人公が何者かもわからない。なぜかゲームが始まった最初からボロボロで、足を引きずっている。
 間もなく画面が暗転して、主人公の体力も回復し、ゲームが始まる。
 ゲームがどうこうというより、世界観やイメージを楽しむほうなのかな、という感じ。冒頭のシーン、足を引きずって延々歩くだけのカットがあるのだけど、世界観の奥の奥まで見渡せるような画になっていて、引き込まれるものもある。静寂に、何者かわからない主人公がただ歩いている、という見せ方もいい。

 ゲームはというと、2D横スクロールゲーム。ジャンプし、身をかがめ、オブジェクトを移動して足場を作ったりと、よくあるゲームの仕組み。細かくオートセーブされるので、死亡してもその直前からリトライができる。
 体験ソフトを遊んだ感じ、やっぱりごりごりのゲームというよりかは世界観やイメージを追いかけていく感じなのかな、という印象。
 こういうのは案外好き。

ファントムキャット

 絵文字のような表情をする猫が主人公。落下時の顔が可愛い。
 ゲーム自体はオーソドックスなジャンプアクションゲーム。これといったこのゲームらしい個性はあまりない。ゲームが進むと、壁にツタを這わせて登れるようになったり、できることは増えるようだ。

 画面のスタイルはディテールをざっと廃し、シンプルな色のトーンだけで見せている。キャラクターの印象と相まって、可愛らしい印象が作れている。

 難易度はさほど高いという印象もなく、ゆったり遊ぶのにはちょうどいい。変にトリッキーなこともしていないから、ジャンプアクションゲームとしてのそこそこの面白さはちゃんとある。キャラクターや画面が可愛らしいので、疲れているときに緩く楽しめるゲームになりそうだ。

海腹川背 Fresh!

 川背さんはわりとおっぱいが大きい。

 ゲームの特色は、ルアーを飛ばし、引っ掛け、引き寄せたりぶら下がったりすること。このルアーがゴムのようにビヨンビヨンと伸び縮みすのが特徴。

 画の印象はいい。キャラクターは可愛いし、画面も明るい。ステージが色んなところに分岐しているのも探索しがいがあるし、迷わないようにかなり丁寧に矢印でサポートしてくれる。
 ただ……ルアーの感触がどうしても馴染めなかった。『スパイダーマン』のように引っ掛けて、向こうの足場にジャンプしたりするのだが、感触が“ロープ”ではなく“ゴム”。かなり独特な動き方をする。
 このゴムっぽい動きが『海腹川背』の個性となっていて、ビヨーンと反動を付けて上へ移動したりといった、このゲームでしかできないようなアクションもできたりする。

 ゴムっぽい動きはこの作品の個性だし、この個性は良い点だとは思うが、しかし体験版の段階でこのゴムの動きをうまく制御するところまで進めなかった。
 もしかしたら、もう少しやり込めば『海腹川背』でしか体験できない快感に行き着けるのかも知れないが、体験版の段階でそれを見出すことができなかった。うまくコントロールできないもどかしさばかりで、体験版が終わってしまった。
(L・R・ZL・ZRでもルアーを飛ばせるのだが、これ必要な仕組みだったのかな……。L・R・ZL・ZRは別の操作に割り振って欲しかった。例えば、ルアーで引っ掛けているときの勢いをつけやすくなるとか)
 作品全体の雰囲気はかなり好きな方なのだが……。

 あと、かなりインディーズっぽいゲーム。最初にオープニングデモがあって、タイトル画面があって……とこの見せ方がすごく安っぽい。ゲームの進行にしてもあちこちで洗練されてない感じ。そんなに予算はかけてないんだなぁ。“ほぼインディーズ”という感じのゲームだった。

魔界戦記ディスガイア5

 シミュレーションゲーム。かなり独特な仕組みで、「攻撃」を選択してもすぐに行動を開始せず「行動開始」を選択してから攻撃を始める。最初は戸惑いはあったが、わかってくるとこれを戦略に組み込んで、行動順序やコンボを作ってゲームを進行させられる。
 ゲームの冒頭、チュートリアルがかなり長めなのだけど、それを抜けると急激に面白くなる。キャラクターを操作して、攻撃して、経験値やお金を稼いで……といったプロセスが無性に楽しい。体験版を中断して、製品版を買おうか、と思ったくらい。体験版の段階でかなりのお気に入りとなった。
 お金が入ったらたぶん買います。

 世界観は魔界……とは言いつつ、かなりデタラメに作られている。デタラメであることを正当化し“ファンタジーっぽいあれこれ”をそれぞれの文化的背景を無視して強引に入れ込み、ごちゃ混ぜのイメージを作っている。ここまでデタラメで突き抜けてくれると、一周回って愉快になる。
(ただ世界観の奥行きは希薄に感じられた。その一面で世界観が完結している感じがある。奥行き感が薄く感じられるのは、こういったゲームのありきたりなところだが)
 キャラクターも可愛く描かれて良い。ゲームが進むとユニットを「雇う」ことができるが、男性キャラクターがことごとくショタ。素晴らしい!! 僧侶の男女なんて、おねショタじゃあないか。まあ私はとりあえず女子部隊を作ろうとするんだけどね。
 ゲーム中のボイスもさほど邪魔になっておらず、むしろ楽しくなるように作られている。
 ゲーム中のアクションも非常に細かく作られていて、見た目にも楽しい。キャラデザだけが可愛いのではなく、動かし方までしっかり神経が行き届いている。

 気になった……気にするほどのことでもないが、視点が基本斜めであること。これ、なかなか馴染めないんだよなぁ。こういうのは好みの問題だけど。カーソルがうまく合わせられない。
 視点が斜めだから、イベントデモの時、正面に歩いている動きが斜め歩きのように見えてしまって、少し違和感があった。

 もう1つ気になったのは、台詞、掛け合いのテンポの悪さ。台詞の流れは「オート」でやっていたのだが、ページが進むのが遅い。ボタンを押していっても、喋るシーンはどれもモタモタしている。
 第1章が終わると「次回予告」が差し挟まれるのだが、ここで問題となっているテンポの悪さがはっきりと現れてくる。ああいった場面はもっとテンポ良く、台詞の応酬があって面白さが生まれる場面であるはずなのに、台詞と台詞に間を置きすぎている。せっかくの演技なのに、リズムが作れていない。笑えるはずのところで滑っているように聞こえる。
 同じことは『ラングリッサー』でも感じたけど、こういう声優演技のテンポ感の悪さは、ゲーム演出のありがちな問題点。テンポが悪いから、見ているとだんだん面倒くさくなって、スキップしたくなる。
 ゲームの音響はあまり“演技の掛け合い”といったところに興味がないのかも知れない。でもせっかくの声優の演技、ちゃんと活かしてほしい、聞かせてほしいところだ。

塊魂 アンコール

 『塊魂』は初体験。
 左右のスティックを操縦桿に見立てて、両方同時に動かしながらキャラクターを操作する。ちょっと独特な操作感なので、慣れるには少し時間がかかりそう。

 ゲーム自体はこの左右のスティック以外ほぼ使用しない。しかしこれだけで充分に楽しいゲームが成立している。「奥行き感のあるシンプルさ」を実現している、素晴らしいゲームデザインだ。
 多くのゲーム作家は様々な要素を乗算していって、彩り豊かなゲームにしていくのだが、「たった1つの強いアイデア」には勝つことはできない。

 なんともいえないシュールなキャラクターに、ゲーム中の楽曲はBGMではなく歌唱曲。1つのアイデア、1つの構造に、映像、キャラクター、音楽すべてがぴたりとハマッている。もちろん『塊魂』独自の個性がこの中に貫かれている。「良いゲームデザイン」のお手本のような作品。

 体験版で楽しめるのは1ステージだけ。これは面白い。続きを楽しみたいゲームだ。

WORK×WORK

 魔王はすでに倒され、かつて魔王がいた場所はアトラクション施設となっていた。そこでは「勇者体験ツアー」のようなものが開催され、人々が楽しむために集まっていた。

 あらすじを聞いたときはピンと来ていなかったが、実際始めてみるとものすごく面白かった。今回体験したソフトの中では一番面白かった。

 主人公は「勇者様ーランド」のアルバイト従業員という設定で、「勇者体験ツアー」を楽しみにやってくる人々をうまく導く仕事をしている。
 これは「ゲーム制作者」とそのゲームを遊ぶ「プレイヤー」の関係性を描いている。「勇者体験ツアー」が満足度が高いものだったらそのぶん報酬が高くなる……という仕組みだが、これはそのまま「ゲームが面白かったら評価が上がる」というゲーム制作者とプレイヤーの関係に当てはまる。
 『WORK×WORK』のプレイヤーは、ツアーにやって来たお客さんが満足できるようにうまくアシストする……という仕事をすることになるが、これもやっぱり「ゲーム制作者」の立ち位置。そのゲームを手に取る人が楽しめるようにうまくアシストしてやるのがゲーム制作者の勤め。
 ダンジョンはすごろく形式で進行していくが、RPGというものは所詮、ゲームは制作者が用意したライドに乗って進行するアトラクションのようなもの。これもやっぱりゲーム制作者という視点が見て取れる。
 ゲーム制作者という立場から、RPGというのを俯瞰的に見て制作したかのように感じられた。

 舞台はアトラクション化したかつての魔王の根城。モンスターはそこの従業員。この構造も、RPGゲームというものを俯瞰した姿のように感じられる。
 普通のゲームではシリアスに描かれる世界観やキャラクターだが、だが見方を変えるとすべてプレイヤーをもてなすためのアトラクションに過ぎない(映画でいうところの「この照明はどこから射し込んでいるの?」「このBGMはどこから鳴っているの?」という疑問。これをもう1歩距離を置いて見えるように描かれているのが『WORK×WORK』だ)。「RPGは実はアトラクションである」というある意味の「真の姿」を描いた作品であるかのように感じられた。

 この描き方が「RPGに対する批評」なのかそれとも「愉快なコンセプト」として作っているのか、体験版の段階では把握できなかったが……。
(予想としては、おそらく「アトラクション」というのは表面上の話で、本当の魔王が施設の最奥にいるのだろう。「勇者体験ツアー」ではなく、実は本当に魔王討伐の物語が裏側で展開しているのだろう。どのように展開していくのか、まだわからないけど)

 バトルシステムは戦闘中、プレイヤーは直接介入しないが、指揮だけしていく形となる。
 似たような構造を、私もずっと以前に考えたが……。私の考えたものは実現しなかったわけだけど。なるほど、実際に作っていたらこんなふうになっていたんだな……ということを確認できた。

 手の抜き方も面白い。
 「手を抜く」というと悪く聞こえるが、物作りは「工数=制作期間=予算」だから何もかもを作り込むというわけにはいかない。その作品にとって何が必要か、メインテーマは何であるか、をしっかり見定めて、手を抜くところでは手を抜く、集中させるところでは集中させる。この判断が必要だ。
 『WORK×WORK』というゲームでユニークに感じられたのはキャラクター。板に粗いドット絵のキャラクターが貼り付けられているだけ。このドット絵はほとんどアニメーションしない。ただピョンピョンと跳びはねたり、折れ曲がったりするのだが、これが非常に感情豊か。むしろアニメーションを作るよりか効果的。「こんな見せ方もあり得たのか」と素直に感心した。
 背景も1枚絵の書き割りばかりで画面移動すらない。が、画面が1つの舞台であると最初から断りが入っている。画面切り替えでは緞帳がすっと下りるし、そもそもゲームのスタート時、「ゲームスタート」ではなく「開演」と表現されていて、さらにゲームに入る前にチケットを切るという表現をとっている。かなり徹底している。
 これも、「RPGは実は舞台劇なんだ」という作り手側の視点……他のゲームでは見えていない照明や緞帳などを描いてみました、という感じだろうか。
 ゲームの進行はどの場面も一枚絵。普通のゲームだったら「単調かな」「奥行きがないな」と感じる部分だが、『WORK×WORK』に限ってはその状態が完成状態のように感じられる。
 どれも「表現の仕方」次第だが、見せ方がうまい。よく考えられている。

 ストーリー、キャラクターもコミカルで楽しい。私のお気に入りはラッコ先輩。ラッコ先輩が好きなので、どんどん物を貢いでしまう。
 王子達のどうでもいい戯れも楽し。ストーリー、キャラクターどちらもセンスが良い。
 ゲームの仕組み、世界観構造、どちらを見ても「なるほど、その手があったのか」と思わせるような内容。本当に感心した。

 体験版は第2章まで遊べて、データを製品版へ引き継げる……となっている。いま体験版を終えたばかりだが、続きの物語がすぐにでも見たい気分になっている。お金が入ったら一番に『WORK×WORK』を買いたい。

マイティガンヴォルト バースト

 3人目の女の子キャラクターがかわいい。名前は……「えころ」。友達の名前が「ぱたこ」。ふーん。「エロ子」に「パコた」ね……。エロ同人のような名付け方だけどいいのか。

 ゲームはとても『ロックマン』。キャラクターの印象も『ロックマン』だし、キャラモーションも『ロックマン』によく似ている。ゲームの感触も実に『ロックマン』。

 ゲーム内容だが、率直に言ってあまり面白くない。
 一発死にゾーン多め。その一発死にゾーン手前に必ずザコ敵を置き、ミスを誘うように設計されている。被ダメージ時の無敵時間が短く、即死コンボ喰らうこともある。ボス戦はさらに難易度が上がり、ライフが多いので攻撃を与えても与えてもなかなか倒せない。ボス戦が無駄に長くなる仕様になっている。
 やっているとだんだんイライラしてくる。面白いと感じられる瞬間がどこにもない。作っている人だけで気持ちよくなっちゃってるタイプ。作品私がレビューアだっったら、4点。パッケージでうっかり買ってしまっていたら、即日返品。購入をお勧めしない。

 見た目もゲーム内容も『ロックマン』に酷似しており、この作品ならではの個性はほぼない。ただの出来の悪い同人ゲーム。ここのメーカー(インディ・クリエイツ)のゲームは二度と買うかと思うレベルのもの。今回遊んだ体験ソフトの中でも、もっともつまらなかったゲーム。

LOST SPHEAR

 昔ながらのJRPG。画面はとてもキレイ。光の感触、色のやわかさがいい。画面縁に向かって、少しずつピントがぼやけている表現もいい。箱庭をベストなレンズで覗いている感じがある。
 体験版を遊べるのは本当に序盤の序盤。最初のボス戦が終わるところまでなので、物語についてはよくわからない。白く溶けてしまった街や人を、その思い出が深く結びついている場所から記憶のような物を取り戻し、再生していく……という解釈でいいのだろうか。グラフィックのイメージといい、不思議と詩的な雰囲気があって、画と物語が結びついている感じがある。

 ただ、いかにもなJRPGという印象から抜け切れていない。様式美といえば様式美だが、妙に型にはまりすぎているような窮屈さを同時に感じる。
 例えば家の中の様子。あまり「家の中」という生々しさがない。単にパーツを配置しているだけ、「家具のおもちゃ」を配置しているだけ。現代のゲームなのに、未だにSFCのイメージで作ってしまっている。もうちょっと表現の仕方、現代ならではのアップデートがあっても良かったのではないか。

 今のところは、どこかJRPGという「お釈迦の掌」だけで小さく作ろうとしている、小さく納まろうとしているゲームという印象で、さほどの驚きは感じない。
 とはいえ、JRPGの本質は「文学」。映像のイメージは非常に心地よいので、物語を追いかけていくと面白くなる可能性は非常に高い。

まとめ

 さて、今月に入ってやたらと体験ゲームをダウンロードしたが、この中で買いたいタイトルは……?

WROK×WROK
魔界戦記ディスガイア5
塊魂

 『WORK×WORK』は本当に面白かった。続きのお話が気になるので、購入したい。
 『モンスターボーイ』や『プラネットアルファ』も良かったのだけど、時間×お金を考えると、候補に挙がるのは上の3本。
 ……といっても、まだ仕事も決まってなので、買えないんだけどな。

裏話……実は暇。

 最近はゲームばっかりやってて、暇なのか? と聞かれそうだが、うん、暇。

 暇なんだったら、消費するばかりではなく、創造性のある何かに時間を割くべきじゃないか……というのは正しいのだが、そういうわけにもいかず。

 経緯を話すと、去年の夏頃、盛大に体を壊してまともに作業もできないような状態になった。内臓機能がダメになったのと、過労。
 その頃から体の具合はだいぶよくなったものの、問題なのが椅子。いま作業に使っているこの椅子――アイビートルという椅子なのだが、これが私の体格と合っていなかった。
 体に合わない椅子に座っていて何がつらいかというと、何もしないでただ座っているだけで体力を消費してしまう。例えばこの椅子に座って、ゆったりとNetflixで映画視聴……2時間後には体がぐったりしている。なんとびっくり、映画を見ているだけで肩が凝るんだ。
 座っているだけでHPが吸われ続ける呪いの椅子となってしまっている。
 作業するにも、リラックスするにも、どうにも椅子の具合がダメ。ベストな座り方が見付からない。過労が原因で倒れたというのもあって、今のこの椅子で作業をし続けるというわけにはいかない。だからイラスト制作の作業が終わったら、無理をせず椅子から離れるようにしている。

 私はアイビートルと相性が悪かったというだけで、いいという人にはいいんだと思うよ。合うかどうかは体格の問題だから。

 問題なのはいま文章を書いているこの場所から離れてしまうと、なにもできなくなってしまうこと。デスクトップPCしか持ってない。タブレットもスマートフォンも持っていない。なにか思うことがあっても、せいぜい、メモ用紙にパッと書き残すことくらい。
 なんにもすることがなくなってしまうので、仕方なくゲームをやりましょうか。でも新しいゲームソフトを買うお金がないから、体験版やりましょうか。体験版はすぐに終わっちゃうから、たくさんやりましょうか……ということになる。

 体は無理をさせてはいけない。が、頭はわりとちゃんとしていて、頭はずっと動き続けている。なのにアウトプットができない。このもどかしさはずっとある。
 できるだけ早いうちに椅子を新しくする。モニターも目に良くないので、これも新しくする。できれば机以外の場所でも作業ができるように、タブレットを手に入れる。
 でも仕事がずーっと見付からないんだ。金がないよ……。

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